訴状・準備書面の枚数が多くなる場合は目次を作ると良い。
事件によっては、50枚、80枚に達する場合もある。特に行政がらみや憲法訴訟は多くなりがち。
目次を作ると裁判官も見やすくて助かるそうだ。
とりあえず、Youtube観ながらStable Diffusionをインストール。
(バージョンは、WebUI Forge、ComfyUIもあったが、初心者に優しいらしいAutomatic 1111にした)
はじめは、「まあ、これ入れとけばいいだろ」と勝手に判断してPythonもCUDA *1も最新のを入れたせいか、起動すらしなかった。
特に、Pythonのバージョンは3.10.6に、CUDAとPyTorch *2もバージョンを合わせる必要があるようだ。
ちなみに、僕のPC環境は前の日記に。
Python-3.10.6
CUDA 12.8.0.571.96
Git 2.49.0
PyTorch 2.7
*PyTorchは、のちのぶち当たったトラブルの解決のために、公式ウェブ上で、CUDAのバージョンに合わせたプログラムのリンクを作り、それをコピーし、Stable Diffusionインストール後に、Gitのコマンドで再セットアップする。
xFormers *3
なんとかStableDiffusionは起動し、モデルやLoRAを選んで、いざイラスト生成!
エラーメッセージ |
---|
RuntimeError: CUDA error: no kernel image is available for execution on the device CUDA kernel errors might be asynchronously reported at some other API call, so the stacktrace below might be incorrect. For debugging consider passing CUDA_LAUNCH_BLOCKING=1. Compile with `TORCH_USE_CUDA_DSA` to enable device-side assertions. |
生成ボタンを押したら、こんなエラーが!
やめて!めんどくさい!
昔の僕ならこういうトラブルは大好物だった。原因は何か、どうしてこうなるのかとトラブルシューティングを楽しめていた。だが、最近はもうひたすらめんどくさい!もうPCトラブルとは縁を切りたい所存でございます。
。゚゚(´□`。)°゚。
Youtubeやネット記事を参考に色々試すも失敗し、諦めていたが次の記事の解決策を試したら解決した!
感謝ッヽ(=´▽`=)ノ
この記事で触れているStability Matrixに興味があったのでインストールしてみたが、同じエラーが出たので意味がなかった。グラボが新しいせいかな。自分の環境などを自動で認識し、StableDiffusionをすぐに使えるようにセットアップしてくれるアプリのようだ。あとで、venvをactivateしpipコマンドによってPyTorchをセットアップすることでStability Matrixを使おうが使うまいがトラブルは解決できた。
自分のためにも最初から書いておこう。
まずは、Stable Diffusionのセットアップをする。Python、CUDA、Gitをインストール。
(LoRA作成などにも使う Visual C++ 再頒布パッケージ は Micorosoft Visual C++ 2015-2022 Redistributable(64) としてWindowsにインストールされているはず。されていなければインストールした方がいい。)
好きな場所にStable Diffusionをインストールするフォルダを作成する。僕はユーザーフォルダの中。
C:\Users\satoleus\StableDiffusion20250523
※僕はWindows11をMicrosoftアカウントではなくローカルアカウントでセットアップしている。トラブルとは無関係。
GitコマンドでAutomatic1111のGitHubからStable Diffusionをインストールする。
ここまでは、Youtubeやブログ記事で紹介される普通の方法。
一度、Stable Diffusionを起動する。
起動できても、生成ボタンを押せば上記エラーが出る。プロンプトとStable Diffusionを終了する。
stable-diffusion-webuiフォルダに移動し、上のアドレスバーからフォルダへのリンクをコピーする。
コマンドプロンプトを管理者権限で実行し、cdコマンドでstable-diffusion-webuiフォルダに移動する。
.\venv\Scripts\activate.bat
と打ち、venvをactivateする。
プロンプトの頭に(venv)が付く。
この状態で、PyTorchをインストールする。
PyTorchのダウンロードページに飛び、NOTE:のところで自分の環境を選んでURLを生成する。
PyTorch Build | Stable (2.7.0) |
---|---|
Your OS | Windows |
Package | Pip |
Language | Python |
Compute Platform | CUDA 12.8 |
選択に合わせて下のリンクが変わる。
Run this Command: | pip3 install torch torchvision torchaudio --index-url https:\//download.pytorch.org/whl/cu128 |
---|
このリンクをコマンドプロントに貼り付けて実行する。
PyTorchをインストール後、そのまま、xFormersもインストールする。
xFormersのGitHubから、CUDAのバージョン(12.8)のリンクをコピーし、同じように貼り付けて実行する。
# [linux & win] cuda 12.8 version | pip3 install -U xformers --index-url https:\//down load.pytorch.org/whl/cu128 |
---|
これでStable Diffusionでイラストを生成できるようになった。
生成成功!ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
※あ、解像度を512 x 512 にしたからイラストがしょぼい。1024 x 1024 にするといつもの綺麗なイラストになった♫
コマンドプロンプトで.\venv\Scripts\activate.bat
をしてvenvをactivateする……これ何?という話。
venvとは、Pythonのバーチャル環境(仮想環境)。
Pythonの世界では、いろいろなライブラリ(PyTorchとか)をプロジェクトごとに使いたいことが多い。
そんなとき、 venvを使うと他のプロジェクトに影響を与えないように、そのプロジェクト専用のPython環境をつくれる。
.\venv\Scripts\activate.bat
によって、Stable Diffusion専用の仮想環境を有効(activate)にしたということ。
Stable DiffusionはPyTorchを使う。venvが有効でない状態だと、それが見つからない、バージョンが合わないことがある。
GeForce RTX 5060 Tiは新しいグラフィックボードだもんね。
つまり、venvを有効にし、Stable Diffusion専用の環境にCUDAのバージョンに合ったPyTorchをインストールしたので解決できた、ということ。……だよね?
(๑•ㅂ•)و グッ♫
*1 CUDAは、。AI、ディープラーニング、3Dレンダリングなどでグラフィックボードの機能を高速化させるプログラム。
*2 PyTorchは、キャラの着せ替えモデル「LoRA」を自作するときなど、Pythonで機械学習させるときに必要なプログラム。
*3 xFormersは、画像生成の時間を高速化してくれる。グラフィックボードのメモリ(VRAM)の使用量を抑えられる。作業効率化のためのプログラムで、StableDiffusionを提供するStablity AI社も有効化を推奨している。
最近のCPU空冷クーラーはごついんだねえ。
ケースのファンとか光っててかっこいい。でも別に光らなくていいから消そうかな。
PCスペック
CPU | AMD Ryzen7 9700X 3.8GHz | 50,792円 |
---|---|---|
メモリー | DDR5 5600 64GB | 23,046円 |
マザー | ASUS TUF Gaming B850 Plus WiFi | 36,580円 |
グラボ | ZOTAC GeForce RTX 5060 Ti | 86,801,円 |
電源 | Apexgaming AG-850M V2 850W | 14,936円 |
ケース | ZALMAN I3 NEO | 7,973円 |
CPUクーラー | SCYTHE MARK3 SCKTT-3000 | 3,373円 |
OSは使用していたWindows 11 Pro。SSDとHDDも使いまわし。
PCの電源が入らない(BIOSも起動しない)、CPUクーラーのファンが回らない、グラフィックボードのファンも回らない、などのトラブルもあった。
電源ユニットを、
Thermaltake TOUGHPOWER GRAND RGB -850W
で、はじめ組んだのだが、Q-LEDランプ*1さえ付かないなど、マザーボードへ通電していなかったので、初期不良か相性の問題として返品した。前に組んでた750Wの電源で試したところちゃんと起動したので、明らかに電源ユニットが原因だった。自作PCでこういうトラブルの場合、電源ユニットは意外な盲点だね。
最終的に買い直した電源ユニット(AG-850M V2)では快適に使えている。
この新PCで、プログラミング、AIイラスト、文書作成、その他もろもろ心機一転して楽しいPCライフを送るぜぃ。
♬«٩(^∀^)۶»♬
*1 Q-LEDインジケーター:マザーボードにあるランプ。順番に点灯するのでトラブル時には色(または点灯箇所)でどこに原因があるか特定できる。
正確にはドライバーをインストールしたら……なんだけど。
オンラインのグラフィック機能を使っていたが、ローカル環境でAIイラストを作るため、ZOTAC製のグラフィックボード:GeForce RTX 5060 Tiを買った。
同時期に出た上位?のRTX 5070と迷ったが、3Dゴリゴリのゲームはたぶんしないし、グラボのメモリーが16GBということでAI生成に適しているだろう 5060 Tiにしたわけだが……
グラボ自体は認識しモニターは映るものの、Windows 11側に5060 Tiのドライバーをインストールすると、モニターへシグナルが行かなくなり、PC自体がフリーズ。
まあ、Windowsってドライバー関連でこういうトラブルまじで多いんだよね。
(ほんと、Windows嫌いなんだけどMacは高いし、LinuxMintはデスクトップとして不都合が多いし、結局Windowsの奴隷なわけで。泣)
M/B | ASUS PRIME X470Pro |
---|---|
CPU | Ryzen7 2700X |
原因はおそらくマザーボードのPCIExpressの規格が古いせい。5060 TiはPCIExpress5のところ使ってたASUS PRIME X470Proは2~3だった。 4ですらパフォーマスが落ちるという記事も目にしたし、そりゃ3なら色々あるよねーと。PCIeは下位互換だから普通は動くはずだけど、最新のグラボとなるとね。それにドライバー側も色々と問題があったようだし。
ネット友がAIの有料プランに入ってるらしく、ディープサーチで色々調べてくれて(まじ感謝!)、レポートファイルをもらって読んだ。AIすげえと感心したわ。わりとしっかりトラブルシュートしてくれてて、俺も有料に入ろうかと思ったくらい。金がないから入らないけど。
全部試して改善せず。マザーボードのBIOS側でPCIeの速度をGen2に設定したら解決したという英語の記事も見かけたが、BIOSにそんな設定項目がなく……
\(^o^)/オワタ
CPUの問題もあるかなと、Ryzen7 2700Xも調べたところ、そもそも2700Xがリストにない。
あ、これもう古いCPUだからわざわざ列挙する必要もないレベルなんだと(笑)
そんなこんなで、今のPCは自作してもう6年は経つし、新たにPCを自作しようってなった。
いいだろうなというパーツを選んで、大丈夫かの確認にパソコン工房に電話して念の為に聞いてみたところ、CPUやらメモリーやらすごい親切に色々教えてくれた。
やっぱり現役のPCパーツ専門家は知識が豊富だ。PCパーツはSEよりショップ店員の方が詳しいと昔から思ってる(笑)
で、新たな自作PCは、グラフィックボードの約8万円と合わせると約22万円に。
高えッ!
しぶしぶ買ったよ。この金がない時期に。いや、ずっと金はないけど。
くぅ、規制を受けずに好きなアイドルを脱がしたいだけなのに、こんなに苦労と金がかかるなんてッ!
これだからIT関係はたまんねえよ。
٩(๑`^´๑)۶ プンプン
訴状の1枚目に原告・被告が書かれたものをネットでもよく見かける。
特に当事者が複数いるような場合や添える情報がある場合は、訴状に付属させた最後の1枚の別紙に書くといい。
いい当事者が思いつかなかったので任天堂にした(笑)
会社などの組織が被告で、関係人が複数いたり、ネットの誹謗中傷などで加害者が複数いたり、相手が行政で処分庁や審査庁など複数が関わっていたり、当事者の具体的説明も添えたかったりする場合に有用だ。
たとえば、被告の氏名・住所が不明のまま裁判を提起する場合、被告を新たに追加する場合など、当事者の情報を後で書き換えることがある。(訴状訂正申立書を出して訂正する。)
この場合、訴状1枚目に当事者を記載していると、段落が下がるため書面をすべて印刷し直さなければならない。これは紙のムダだし、めんどくさい。
別紙に記載していれば、別紙だけを訂正すれば済む。
複数の者や部署などが訴訟に関係する場合、裁判官は別紙を読めばわかるし、書面中に「田中」、「斎藤」などと名前が出てきても別紙(コピー)を横に置けば参照しながら読める。裁判官に事案をイメージさせやすくなる。
答弁書、準備書面の書き方のコツがある。本人訴訟初心者なら参考になると思う。
前回の記事の続きで、「反論」に重きを置くので答弁書にした。原告としても有用なはず。
訴状・答弁書などの準備書面は、争う相手方に読ませる文章ではない。裁判官に読ませる文章だということを意識して書く必要がある。 サンプルの架空の答弁書をみながら解説してみる。
日付や事件番号の位置はここじゃなくても右上・左上にまとめてもいいし、日付は答弁書の提出日でなく第1回の弁論期日にしても問題ない。僕は意思表示の起算点とか気にする人なので、準備書面の完成時にはその意思があったという意味を持たせるべく書面の完成日にしているけれど。
原告・被告ともに書面の送達場所を住所以外にしたい場合は、送達場所としてその住所地を書く。
相手方に弁護士がつけば、法律事務所が送達場所として書かれているはずだ。
■第1
まず、答弁書なら原告の請求の趣旨に対して、請求の棄却と訴訟費用は相手の負担とすることを求める。
■第2
サンプルのような意味不明な事件はないと思うが……笑
たいてい、請求の原因にずらーっと相手の主張が書かれている。それに対応させて認否を書く。
※文体は「です・ます調」ではなく「だ・である調」で書く方がいい。
認めるものは「認める」
否認するところは、「否認する」
知らないことは、「不知」
部分的に認めるなら「~は認める。その余は争う」などと書く。
よく準備書面に、「否認ないし争う」と書く弁護士もいるが、相手の事実を争う姿勢を示せば足りる。
裁判官は、訴状を読み始めたときから心証を形成していく。答弁書で想定される反論や争点を訴状から想像する。
答弁書を読んでいき、被告がどこを認め、どこを争っているか、訴状にマークしていく。
つまり、答弁書は争点を設定していく作業でもある。
反論せずスルーしてしまうと争いのない事実とされて判決に影響するので要注意。
ここから重要
■第3
先手の原告は訴状の請求の原因に時系列や経緯を書く。
被告は後手なので、先手の原告がやはり裁判は有利である。
そこで、被告視点での時系列や経緯を分けてかくと裁判官もイメージしやすくなってよい。当事者にとって当たり前となっているできごとでも、裁判官はまったくわからないゼロの状態から書面だけで状況を理解しなければいけない。
そこで被告側としても時系列や経緯を分けて書くことで、双方の状況理解につながる。
そして次が、この記事でいう「おすすめの書き方」である。作文スキルが高い人ならよくやっている、なんてことないことだけれど。
■第4
答弁書の第2で「否認する」としたら、その箇所に長々と書く人が多い。しかし、初心者がこれをやると、ダラダラと書いて裁判官からすると読みにくい文章になってしまいがち。
すでに答弁書の第2の2で 認否を明らかにしているので 裁判官はすぐに争点を把握できる。
このように新たにブロックを用意し分けて書くことで、争点も明確となっているため作文しやすい。新たに争点を作った場合は、相手はそれに反応しなければいけないため、内容によってそれについては先手を取れる。
攻められているところを一旦仕切り直せる意味もある。こちらの言い分の方が正しいと反撃に出るような気分で書くのがいい。
GUILTY GEARのバーストみたいな笑
本人訴訟初心者の頃に、元裁判官で憲法担当の弁護士に教えてもらったやり方だが、とても書きやすい。訴状以降の相手の準備書面に対して、ずっとこのスタイルで書いている。
( ̄ー ̄)b おすすめ♪
それと、答弁書の第4の1などに見出し/サブタイトルを書いている。これは必ずやった方がいい。訴状や準備書面でも。基本中の基本だ。その段落で何が書かれているのかすぐわかる。
もちろん、その事実を証する証拠ナンバーを()書きで後ろに書くとわかりやすい。
準備書面を書く上で常に意識すべきことは、裁判官に見た目も見やすく、読みやすい文章を心がけること。裁判官は不足していて、一人の裁判官が受け持つ事件は200を超える。ひとりに費やす時間は非常に少ない。
そんななかで闘うのだから、裁判官に親切な文章を心がけないといけない。日々の疲れからとんでもない判決を出されてしまったら困る。
親切な文章を書いたからといって必ず勝てるというわけではないのだが。
σ(^_^;)
裁判は証拠で決まると思われているが、文章でも決まる部分が大きい。裁判官もひとりの人間だから。
答弁書は、訴状に対して「どこを争点とするか」を決める争点の設定作業でもある。これを意識しなければいけない。
僕は普段、行政と闘うことが多く、第5などに争点をまとめたり、新たな争点を書いたり、「この法令は甲第A号証のとおりであるとの裁判所の見解を求める」と裁判所へ法令の解釈を求めたりもする。ブロックごとに分ければ書きやすい。
書面を読み込む時間が非常に少ない裁判官にどれだけ事案を具体的にイメージさせられるか、どれだけ読みやすい文章を書けるか、がとても重要だ。
一応、添えておかないと……
また、前回の記事のとおり、被告が本人訴訟だと、やはり弁護士がついている原告の勝率が高い。経済的に余裕がなく弁護士費用が払えない場合も、国が設けた法テラス(民事法律扶助制度)を利用することで、弁護士に相談・依頼できる。
分割払い、相手から得た勝訴金から払う、などさまざまな支払い方法に対応している。生活に困窮していれば立て替えた費用を免除する制度もある。
①弁護士費用を払うとマイナス。 ②弁護士が事案を受任してくれない。
といった場合でなければ、なるべく弁護士に依頼した方がいい。
普通の人にとっては、裁判なんて一生のうち一度か二度あるかどうかだと思うし、本当に大切な権利を実現しようとするなら、裁判慣れした弁護士に依頼するのがいちばんである。ただでさえ不利な被告なら特に。
いつも原告なので、被告の本人訴訟について書くのは最初で最後かも。答弁書の事件番号に「なんで(行ウ)やねん」と突っ込んだ人は訴訟マニア(笑)
本人訴訟に慣れている猛者にとっては、ごく当たり前の常識でもある。
2023年度の本人訴訟は約7万8650件にも達している。勝率を見てみると、
原告 | 被告 | 本人の勝率 |
---|---|---|
本人 | 弁護士 | 32% |
弁護士 | 本人 | 8% |
やはり弁護士を相手にすると本人の勝率は低い。攻められる側の被告が本人となると、90%以上もの大差で弁護士が勝ってしまう。
もう本人訴訟をやりはじめてから15年は経つだろうか。初心者の頃、弁護士と本人訴訟についてよく話していた。 本人訴訟で負けている人の多くが、書面でしっかり反論(否認)ができていないのだと。
しっかり反論しないと相手の言い分が通ってしまうという民事訴訟の仕組みがある。 法律を学んでいない本人訴訟の初心者からすると恐ろしい話だが、弁護士は当然に知っている。
相手の主張に反論(否認)する立場を明確にしなかった場合、それは争いがない事実として認定される。
«擬制自白»
※口頭弁論期日に欠席したときも擬制自白となる。
相手が立証すべき不利な事実を自ら認めてしまうことも、争いがない事実として認定される。
«裁判上の自白»
※裁判上の自白は少し複雑なので割愛
反論しない | 認める |
---|---|
擬制自白 | 裁判上の自白 |
争いがない事実 | 争いがない事実 |
判決の基礎になる | 判決の基礎になる |
裁判官は、争いがない事実は判決の基礎にしなければならない。
自力救済が禁じられる現代においては、裁判所が代わりに解決しようというのが裁判のしくみ。争いがない事実があるのなら、それが判決の基礎に採用されるのは当然の話といえる。
逆に、判決の基礎になるだろう大事なことであっても、当事者が主張しなければ、裁判官は判決の基礎にできない。 内心で「あれを主張すればいいのに」などと思っても、裁判官から「これは主張しないんですか?」などと助言をしてくれることはない。
裁判は、双方が主張していることに基づいて審判する。 法廷の上にゲージがあって、格闘ゲームのように見ればどのくらい劣勢かどうかがわかる、なんてこともない。
擬制自白は本人訴訟初心者のあるあるネタなので気をつけよう。 知らぬ間に取り返しがつかないほどの劣勢になってしまわないように、しっかり相手の言い分ごとに反論し、積極的に争う姿勢を示そう。
否認された事実は、証拠に基づく証明がなされない限り、裁判所はこれを認定できない。
«証拠裁判主義»
否認することで、争点が生まれる。争点を作る機能があるので、しっかり相手の言い分には否認し、反論しなければいけない。
相手の主張箇所に対して「否認する」として争う姿勢を示す。
«例:答弁書» 第2 請求の原因に対する答弁 1 1は否認する。 2 2は否認ないし争う。
※書面の書き方のコツについては違う記事に書こうと思う。
自白の認定は、判決の前の弁論期日:口頭弁論終結時である。
すでに裁判中でも間に合うかもしれない……のだが、事案によっては、あまりに遅いと「時期に遅れた攻撃防御方法」と認定されてしまい採用されないこともある。
※民事訴訟法第157条、民事訴訟法第147条の3、156条の2、 要チェック!
※「147条の3」とは、147条の3項ではなく147条とは別の「147条の3」という条項である。
裁判所が自ら認定するほか、自分でも相手の反論が遅すぎる場合には申立てをして時期に遅れた攻撃防御方法だと認定してもらうこともできる。
たとえ先手の原告側であっても、相手の新たな主張にはしっかり反論する。 「なんだこいつ、的外れなことを言っているな」などと感じても、スルーしないでしっかり反論する。
スルーしたせいで、後々それが効いてきて負けてしまう、なんてことになったら大変だ。
もちろん、事件によって、証拠の有無や事実によって裁判は勝敗は左右される。 しかし、弁護士にテクニック面で負けてしまわないように、こういったことも知っておく必要がある。