こんにちは!
コスメライターのおとひなです。
本日のテーマは、「医薬部外品と化粧品の違い」です。
化粧品と医薬部外品。
その違い、わかりますか?
スキンケア商品を選ぶとき、「医薬部外品」と書かれているだけで、なんとなく“効果が高そう”と思ってしまう。
さらに、「国の認可がある=安全性が高い」と感じる方も多いかもしれません。
でも、そのイメージ、ちょっとだけ修正が必要かも。
化粧品業界では、見た目や言葉の印象が実際の中身とズレていることも少なくないのです。
今回は「医薬部外品って結局どうなの?」「化粧品と何が違うの?」という疑問に、しっかり答えていきましょう。
■スキンケア製品は3分類に分かれます
まず、大前提として日本ではスキンケア製品は薬機法(旧・薬事法)によって以下の3つに分類されています。
・医薬品
・化粧品
この分類は、製品の“効能”や“目的”によって分けられており、それぞれのカテゴリーで法律的な制約や効果の主張方法が異なります。
■医薬品:治療を目的とした「薬」
「医薬品」は、病気の治療や予防を目的として使われるもの。
含まれる有効成分の効果が厚生労働省によって科学的に認められた“薬”であり、薬局で処方されたり、医師の指導のもとで使うケースもあります。
たとえば、シミを消すための「ハイドロキノン4%処方薬」や、アトピー治療薬のステロイド軟膏などが該当します。
■医薬部外品:日本だけの“中間カテゴリ”
そして、多くの人が気になる「医薬部外品」。
これは医薬品と化粧品の中間のような立ち位置で、厚労省が認可した有効成分が一定の濃度で配合されている製品のことを指します。
たとえば、
・ニキビ予防用の薬用化粧水
・フケを防ぐ薬用シャンプー
・制汗剤
などが代表例です。
実はこの“医薬部外品”というカテゴリーは日本独自の制度であり、海外には同じ分類が存在しないことも。
効果の範囲は「予防」や「軽度な症状へのアプローチ」までにとどまり、医薬品のように治療を目的とするものではありません。
■化粧品:肌を健やかに整えるもの
一方で、「化粧品」は、見た目の変化や肌の清潔・健やかさの維持が目的です。
香り、保湿、整肌などが主な働きで、基本的には「効果・効能をうたうことができない」という決まりがあります。
ただし、化粧品であっても配合成分によっては高い機能を発揮することもあり、“医薬部外品より実感値が高い”製品も実際に存在します。
■成分濃度で逆転現象も?
ここでひとつ、見落としがちな重要ポイントをお伝えします。
多くの人は「医薬部外品の方が化粧品より効果がある」と思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
たとえば、人気の成分「ナイアシンアミド(ビタミンB3)」の場合。
医薬部外品では美白成分として1〜2%程度の上限がある(規制あり)
化粧品であれば、10%前後の高濃度で配合している製品もある(企業判断)
このように、“認可された濃度”の範囲内でしか処方できない医薬部外品よりも、化粧品の方が高濃度に配合できる場合があるのです。
しかも、医薬部外品の成分濃度を上げようとすると、新たに国の承認を取る必要があり、膨大な費用・時間・データの提出が必要。
結果として、企業はリスクを避けて「すでに認められた範囲内」で製品を作るケースが多くなります。
■「入っているだけ」にご用心
ここで気をつけたいのが、「成分配合=効果がある」ではないということ。
たとえば、化粧品で「◯◯配合!」と大々的に宣伝されていても、実際にはごく微量(0.001%程度)しか入っていないなんてこともあります。
これはちょうど、「果汁入りジュース」と書かれていても、果汁100%のオレンジジュースと、5%未満の“果汁入り飲料”では全く違うのと同じ。
成分が入っていることと、“必要な濃度で効果が出ること”は別問題なのです。
■賢く選ぶ目を持とう
スキンケア選びで大切なのは、ただ「医薬部外品かどうか」「話題の成分が入っているか」ではなく、その製品が“今の自分の肌状態”に合っているか、必要な成分が“必要な量”だけ入っているかを見極めること。
そして、使い続けられるテクスチャーや価格であることも、美肌の習慣づくりには欠かせないポイントです。
おとひな的格言✨
「医薬部外品と化粧品、
名前に惑わされず、“処方の中身”を見よ!」