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#219 株式会社浅沼商会 第103期決算 当期利益139百万円

創業明治4年1871年)、「写真材料店の先駆け」として開業し、現在では写真・映像関連機材や産業用光学機器などを幅広く取り扱う専門商社である株式会社浅沼商会の第103期決算公告が掲載されました。その概要と、150年以上にわたり業界を支えてきた同社の今について考察します。

20250131_103_浅沼商会決算

第103期 決算のポイント(単位:百万円)

資産合計: 11,495 (約115.0億円)
負債合計: 2,769 (約27.7億円)
純資産合計: 8,725 (約87.3億円)
当期純利益: 139


今回の決算では、当期純利益として139百万円(約1.39億円)を計上しています。
資産合計は約115.0億円、負債合計は約27.7億円に対し、純資産合計は約87.3億円と極めて強固な財務基盤を誇ります。特に利益剰余金が約87.5億円と潤沢であり、創業以来150年以上にわたる安定した経営と収益の積み重ねがうかがえます。

 

事業内容と市場環境・今後の見通し(考察)

株式会社浅沼商会は、明治4年1871年)に写真材料店の草分けとして創業以来、日本の写真・映像文化の発展と共に歩んできた歴史ある専門商社です。現在は、写真・映像関連機材・用品の卸売を主力としつつ、自社ブランド製品も展開しています。公式ウェブサイトによれば、「FUJICOLOR」製品のほか、カメラ・スマートフォン用三脚やアクセサリーで知られる「Fotopro」、プロフェッショナル向け動画撮影機材ブランド「iFootage」など、多岐にわたる製品を取り扱っています。これらを写真館、カメラ専門店、量販店から、プロフェッショナルユーザー、さらには産業分野まで幅広い顧客層に提供しています。

 

市場環境(写真・映像業界、専門商社):

 写真・映像市場は、デジタル化の進展、スマートフォンの高性能化による撮影の日常化、SNSでの共有文化の定着、そして動画コンテンツ市場の急拡大など、常に大きな変化の中にあります。プロフェッショナルやハイアマチュア層においては、高画質・高性能な機材へのニーズが依然として高く、また新たな表現方法を求める動きも活発です。
 専門商社としては、これらの市場変化を的確に捉え、最新技術やトレンドに対応した製品ラインナップを揃えるとともに、顧客に対する専門的な知識やソリューション提案力がますます重要になっています。


競合の状況:

 同業の専門商社や、メーカー直販、オンライン専業の販売業者などが競合となります。浅沼商会は、150年を超える歴史で培われた業界内での信用力、幅広い製品調達能力、そして「Fotopro」や「iFootage」といった特色あるブランドの取り扱いなどが大きな強みです。


今後の市場見通しと課題:

 同社が安定的に当期純利益を計上している背景には、長年の事業基盤の強固さ、主要ブランド製品の安定した販売、そして時代のニーズに合わせた製品ポートフォリオの最適化努力があると考えられます。
 今後は、動画市場のさらなる拡大に対応した製品群(プロ向け動画機材、ライブ配信関連機材、ドローン関連製品など)の強化や、AIを活用した画像・映像解析ソリューションといった新たな分野への展開も視野に入ってくるでしょう。
 ECチャネルの活用や、オンラインでの情報発信・顧客サポート体制の強化も、より幅広い顧客層へのアプローチと満足度向上に不可欠です。
 「写真材料店の先駆け」としての伝統とDNAを大切にしながらも、常に新しい技術や市場の動向にアンテナを張り、変化を恐れずに事業を進化させていくことが、次の150年に向けての持続的な成長の鍵となります。
 同社は、日本の写真・映像文化の黎明期から現代に至るまで、その発展を支え続けてきたレガシー企業です。今回の堅調な決算は、その確かな経営力と変化への対応力を示すものです。今後も、専門商社としての深い知見と先見性をもって、写真・映像業界の未来を切り拓いていくことを期待します。

 

企業情報

企業名: 株式会社浅沼商会
創業: 明治4年1871年
所在地: 東京都中央区日本橋小舟町7番2号(決算公告より)
代表者: 代表取締役社長 相川 千代治(決算公告より)
事業内容: 写真・映像関連機材・用品の卸売および関連製品(「Fotopro」「iFootage」等)の取り扱い、OAサプライ、産業用光学機器の販売など

株式会社浅沼商会