疲れていると楽な方へ流される。
だらだらとSNSの吹けば飛ぶような情報を眺めて暇を潰す。
暇を潰す。なんとも贅沢な言葉だ。
人類は暇を作ろうと努力と研鑽を重ねてきた。
より早く、安く、質は高く、簡単に、そうした先人たちのおかげで、身の回りには驚くほど便利な道具が溢れている。
人間が行っていた仕事を肩代わりし、時間や体力に余裕を生み出す。そうして手に入れた時間や体力をどうしているか。
退屈だといって別の仕事ややりたいわけでもないことに精を出す。
暇を潰すのだ。
人はなぜ仕事や趣味に打ち込むのだろうか。生活を支えたり、人生を豊かにしたり。確かにその面はあるだろう。でも、もっと根源的なところ、誰もが薄々思っているけど言葉にはしない理由があるように思う。
何もない時間、何をしてもいい時間、つまり「暇」に耐えられないからなのではないか。ぽっかり空いた穴を見るのが我慢ならないから、とりあえず何かで埋めようとする。暇を潰そうとする。
暇を潰すために仕事をする、ゲームに熱中する、旅行に出かける、本を読む、スポーツで汗を流す。楽しんでいたはずなのに、それが終わるともう退屈な感じがする。時には、それをしている最中に退屈を感じる。
こんなことを考えるのも暇をもてあましているからだろう。暇潰しになにをしようか。