声道は、口唇を閉管の口、
声帯を底とする閉管に近似して考えることができる。
しかし、声道は単純な閉管に比べて形状が複雑な上、
唇、舌、顎の動きによって大きく形を変えられるため、
その共鳴周波数は固定的ではない。
そこで、とくに声道に狭めや広めのない中性母音で
共鳴する周波数を概算する。
成人の声道の長さは概ね17cmなので、
この値を使って声道を太さの変わらない閉管として、
閉管の共鳴の基本振動数(基本振動の周波数)を計算してみる。
上式に、
n=1、
c=340 [m/s]、
L=17×10-2 [m]、
を代入する。
500 Hzと求めることができる。
3倍振動の周波数は基本振動の周波数の3倍なので、
1500Hzと求められる。
5倍振動の周波数は基本振動の周波数の5倍なので、
2500Hzと求められる。