ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎398 閉管の共鳴とフォルマント

閉管の共鳴とフォルマント

フォルマント(ホルマント)とは、

声道の共鳴によって強められる共鳴周波数帯である。

 

閉管の基本振動に対応する共鳴周波数帯を

第1フォルマント(F1)、

3倍振動に対応する共鳴周波数帯を

第2フォルマント(F2)、

5倍振動に対応する共鳴周波数帯を

第3フォルマント(F3)、

と呼ぶ。

 

中性母音の場合の中心周波数は、成人男性の場合、

第1フォルマントが約500Hz、

第2フォルマントが約1500Hz、

第3フォルマントが約2500Hz、

である。

 

これは声道を閉管で近似した計算結果と概ね一致する。

 

今回は成人男性の場合で計算したが、

フォルマントは性別や年齢によって変化し、

声道の長さによっても左右される。

成人男性は17cm、成人女性は15cm、子どもは13cmくらいなので、

フォルマントが最も高いのは子どもで、

続いて成人女性、成人男性の順になっている。