現代マンガ選集 破壊せよ、と笑いは言った
収録作は以下。
第1章:「ギャグ」を変革の旗印に
石ノ森章太郎「テレビ小僧」/「さるとびエッちゃん」、つのだじろう「ブラック団」
長谷邦夫「ライク ア エロチック コミック ストリップ」、赤塚不二夫「ギャグゲリラ」
第2章:マンガも青年になる
和田誠「007 贋作漫画集」、佐々木マキ「見知らぬ星で」、東海林さだお「新漫画文学全集」
秋竜山「Oh☆ジャリーズ」、滝田ゆう「寺島町奇譚」、水木しげる「新、あり地獄」
第3章:砦の上にわれらの世界を
橋本治「とめてくれるなおっかさん」/「東大版博徒列伝」
谷岡ヤスジ「ヤスジのメッタメタガキ道講座」
ダディ・グース「貧乏くじをぼくが引く!」/「月光仮面暗殺物語り」
赤瀬川原平「櫻画報」、山上たつひこ「喜劇新思想大系」
第4章:POPへ!
林静一「火の玉怨歌」、谷川晃一「鏡面と修羅」
高信太郎原作・佐伯俊男画「情念魔我人版 天才ばかぼん」
杉浦茂「ブリーフ補佐官」、いしいひさいち「バイトくん」
大矢ちき「ぼくのすてきなポシイおばさん」、高野文子「ウェンディのクリスマス」
いやあ、ギャグ漫画こそが、一番難しいのかもしれないな。
自分の興味やツボといったものと、作品の持つ波長といったものを、
どう合わせ込みが出来るか。
この選者にはそれが可能なのかもしれないが、自分には無理だった。
「笑えるか?」という観点では、ピクリとも笑える箇所はなかった。
あくまでも、“表現”として、俯瞰の視点で眺めるに過ぎなかったな。
今回は各章からベストを選ぶ形式で。
第2章からは、選びたい作品を見つけることができなかったので、期せずしてベスト3ということで。
第1章からは、最終回をメタで飾る、石ノ森章太郎「さるとびエッちゃん」。
第3章からは、もはや“事件”と呼ぶにふさわしい、赤瀬川原平「櫻画報」。
第4章からは、やはりこの人のセンスは飛び抜けている、高野文子「ウェンディのクリスマス」。