朝日新聞デジタル

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅

ESSAY
2025.05.19

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レストランに現れたクオッカ

レストランに現れたクオッカ

  • 鈴木博美
    旅行家

    旅行業界で15年間の勤務を経てフリーの旅行家に。旅を通じて食や文化、風土を執筆。日本航空機内誌のほか、新聞雑誌等に海外各地の旅の記事を寄稿。著書に一人旅に役立つ電子書籍「OL一人旅レシピ」インド編、カンボジア・ベトナム編、エジプト編、世界中のおいしい料理をおうちで作る「いつもの食材で作る世界の料理レシピ」。ブログ<a href="https://walkthrough-the-earth.com" target="_blank">「空想地球旅行」</a>で旅のあれこれを発信中。

数多くの秘境が点在し、多様な生き物たちが息づく西オーストラリア州。その玄関口・パースを出発点に、笑顔のような表情が愛らしいクオッカに出会えるロットネスト島、純白の砂丘が広がるランセリン、そして宇宙に手が届きそうなピナクルズの星空へ――。絶景と、動物たちとの出会いの連続が、冒険心をかき立てながら、気づけば心の奥をやさしくほどいていく。そんな“癒やし”と“ときめき”の旅。

取材協力:西オーストラリア州政府観光局、ANA

“世界で最も幸せな動物”に会いに行く!

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
クオッカ

パースから約19kmの沖合に位置する、紺碧(こんぺき)の海と白い砂浜が広がるロットネスト島は、「世界一幸せな動物」としてSNSでも話題のクオッカに出会える場所として知られている。島全体がA級自然保護区に指定されており、豊かな自然に癒やされる島。毎年8月中旬から11月にかけては、ザトウクジラやミナミセミクジラがインド洋から南極海へと渡る途中、ロットネスト島周辺の海域に立ち寄る。この季節には、島発のホエールウォッチング・クルーズも運航され、豪快な潮吹きやジャンプなど、雄大なクジラたちの姿を間近に見ることができる。

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
島の最西端ウェスト・エンド。風と波が強く打ち付ける険しい海岸線は海鳥の生息地

ロットネスト島は、約7千年前には西オーストラリア州の本土と陸続きで、当時は先住民がこの地に暮らしていた。しかしその後、海面の上昇によって孤立し、島となった。17世紀、初めてこの島を訪れたオランダ人の船長が、島に生息するクオッカを大型のネズミと勘違いし、「ネズミの巣の島(Rats Nest Island)」と名付けたことが、現在の“ロットネスト”という名の由来だという。

島全体がA級自然保護指定の国立公園で、州政府機関によって動植物は厳しく保護されている。そのため、手つかずの自然が今も美しく残されており、訪れる人の心を癒やしてくれる。島内では一般車両の乗り入れは禁止で、移動は巡回バスやツアーバスが主な手段。

もちろん、自分のペースで歩いて巡ることもできるが、島の魅力をより深く味わいたいならテーマに沿ったハイキングやトレッキングツアーに参加し、ガイドから語られる自然や歴史のストーリーに耳を傾けるのもおすすめだ。サイクリングも人気のアクティビティーのひとつ。アップダウンが多いが、海風を浴びながら絶景スポットを巡る時間は、まさにロットネスト島ならではの贅沢(ぜいたく)な体験といえる。十分な日焼け対策と水分携行が必要だ。

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
オージー食材を使ったアジアンフュージョンのランチ

美しい海を眺めながら、おいしい食事を楽しみたいなら、トムソン・ベイにあるホテル「サンファイア・ロットネスト」内のレストラン「ロンタラ」へ。開放感あふれるスタイリッシュな空間で、西オーストラリア産の海と陸の恵みを生かしたアジアンフュージョンを味わえる。料理に合わせて、西オーストラリア産ワインや爽やかなカクテルを楽しめば、リゾート気分もさらに高まるはず。

併設のブティックホテルに宿泊して、島での“ちょっと贅沢な暮らし”を体験するのもおすすめ。しかも、クオッカは夜行性のため、日中よりも夕方から夜にかけてのほうがより多く出会える。1日の終わりに、星空の下で出会うクオッカの笑顔は、きっと忘れられない旅の思い出になるだろう。

【動画】クオッカの愛らしい様子

その愛らしい笑顔から「地球上で最も幸せな動物」とも呼ばれるクオッカ。ロットネスト島には約1万2千匹が生息しており、訪れればほぼ100%の確率で出会えるといわれている。特に人が集まるエリアに姿を現すことが多いので、島を歩きながらぜひ探してみよう。

クオッカを見つけたら、無理に近づかず、静かに待つのがポイント。興味を持ったクオッカが自ら近づいてきたタイミングでシャッターを切ると、自然な表情が撮れる。現地のクオッカ愛にあふれるガイドさんによると、スマートフォンを上下逆さに構え、やや下からあおるように撮ると、クオッカの笑顔がより印象的に写るのだとか。低い目線から撮影することで、背景の空や島の風景も一緒に収められ、旅の思い出がいっそう鮮やかになるだろう。

空と白砂だけの絶景。ランセリン砂丘へ

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
砂丘全体を包むような白さは、純度の高い石英砂ならでは

パース市内から車で北へ約1時間半、ニルゲン自然保護区内の、一面に純白の砂が広がるランセリン砂丘へ。4WD車に乗り込みスリル満点の砂丘ツアーへ出発。ジェットコースターのように上下しながら走り、アドレナリンは全開!

ランセリン砂丘は、海岸の浸食や波の作用によって生まれた細かな砂粒が、この地域特有の強い海風によって内陸へと運ばれ、少しずつ堆積(たいせき)して形成されたもの。主成分は白く乾いた石英質の砂で、その美しさは約4千年前から続く自然の営みによるものだ。

【動画】ランセリン砂丘、スリル満点のツアー

周囲には定着する植物が少ないため、砂を固定するものがなく、風の影響を受けやすい。そのため、ランセリン砂丘は現在も毎年少しずつ移動し続けている。砂丘の高さは最大で30メートル以上にもなり、風によって砂の形が日々変化するため、訪れるたびに異なる表情を見せてくれるのも魅力のひとつ。砂丘をサンドボードで滑り降りれば、全身で風を切る爽快感に包まれる。

奇岩が林立するピナクルズで サンセット&星空観賞

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
岩に夕日の輝きが映え、空はオレンジ色から紫色に染まっていく

ランセリン砂丘からさらに北へ車で1時間いくと、ナンバン国立公園に広がる、無数の石灰岩の柱が立ち並ぶ不思議な風景・ピナクルズに出会う。風と植物、そして時間が織りなす自然の彫刻だ。ピナクルズはかつて浅い海に覆われていた時代の貝殻が原料。数万年前に海が引き、砕けた貝殻が石灰分を多く含む砂となり、風で運ばれて砂丘を作った。やがて風や雨による浸食で柔らかい部分が削られ、硬い部分だけが柱状に残ったという。まさに大地が数万年かけて彫り出した“化石の森”。その神秘は今もなお、静かに姿を変え続けている。

サンセットタイムとなると、そこはまるで異世界の入り口。インド洋の水平線へとゆっくり沈んでいく大きな太陽が、奇岩一つひとつをオレンジ色に染め上げ、荒涼とした大地全体がまばゆい金色に包まれていく。長く伸びた影が岩の輪郭を際立たせ、風が砂をわずかに巻き上げるたびに、風景が息づいているような錯覚にとらわれる。光と影が織りなすその瞬間は、まるで時間が止まったかのような静寂と神秘に満ちていて、心を深く揺さぶる。

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
周囲に人口光がない暗い空はまるでプラネタリウムの中にいるよう
西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
ピナクルズで満月の夜空を見上げる

頭上を覆う夜空には、星が静かに瞬き始めていた。日本の本州では見ることのできない南半球の天の川が空を横断し、その光が闇の深さをいっそう際立たせている。南十字星のまわりには、青白く澄んだ光を放つ星々が瞬いている。マゼラン星雲も肉眼ではっきりと捉えられた。遥(はる)か宇宙のかなたから届いたその光が、ピナクルズの太古の大地と共鳴していた。

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
スタッフが抱き抱えるウォンバットと記念撮影

オーストラリアの動物たちに会いにいく

パースから車で約30分。ホワイトマンパーク内にある「カバシャム・ワイルドライフ・パーク」は、動物好きにはたまらない人気の観光スポット。コアラやカンガルー、ウォンバット、クオッカなど、オーストラリア固有の動物たちをはじめ、約200種・2千以上の動物、鳥類、爬虫(はちゅう)類を間近で観察することができる。

園内では、カンガルーやワラビーに餌をあげたり、コアラに触れたり、ウォンバットを抱っこするスタッフの隣で記念撮影を楽しんだりと、動物たちとふれあえる体験が充実。かわいらしい姿を目の前で感じられる、思い出に残るひとときを過ごせる場所だ。

西オーストラリア州・パース 絶景とキュートな動物に癒やされる、こころほどける旅
(左上から時計回りに)岩場に生息するロックワラビー、コアラと記念撮影、動物園のエントランス、オーストラリア南部に生息するロウバシガン

この動物園は、60人のスタッフとボランティアで支えられている家族経営の動物園というから驚きだ。けがをした動物や亡くなった母親の袋に入っていた有袋類の赤ちゃんなど、自力では生きられない動物たちを保護している。

広場に寝そべるカンガルーたちを見つけた瞬間、テンションは一気に上がる。餌を手のひらに載せて差し出すと、ムシャムシャと無心に食べてくれるしぐさがなんともかわいい。愛らしい見た目とは裏腹に、じつは驚異的なキック力を持つ彼ら。人間の肋骨(ろっこつ)を折ってしまうほどの威力があると言われており、絶対に怒らせてはならない。

その後も、「世界一危険な鳥」とされるカソワリ(ヒクイドリ)、俊敏なディンゴ、全身がトゲに覆われたハリモグラなど、珍しい動物たちが次々に登場。見て、触れて、学んで、カバシャム・ワイルドライフ・パークをたっぷり楽しむなら、半日は時間を確保しておきたい。

パースへのアクセスは、ANAの成田〜パース直行便が便利。約10時間で西オーストラリアの大地にひとっ飛び、トランジットの手間もなく快適に移動できる。現在週3往復便(月・木・土)で運航中。時差はたったの1時間と、体への負担も少なく、到着後すぐに旅を楽しめるのがうれしい。機内では、日系エアラインならではのきめ細かなサービスに包まれ、旅の始まりから安心感と心地よさに満たされるのも大きな魅力だ。

西オーストラリア州政府観光局の公式インスタグラムでは、西オーストラリアの魅力を写真で紹介しています:https://instagram.com/westernaustralia/
ANA:https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/area/australia/per/

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4nBgoHUyBd3d
2025年8月22日 9:13 AM

 かつてオーストラリア人の英語の先生がエミュー(emu)というダチョウに似たおおがたの鳥がオーストラリアでは名物であると教えてくれたことをこの記事を読んでいて思い出した。

JAL航空会社と私の双子の子犬
2025年8月27日 7:19 PM

山の実がたくさんの日当たりの良いところにやってきて、おいしいものが地面に落ちるのを恐れて、他の手で支えて一生懸命ニャムニャムと幸せな時間を過ごしている愛らしいクォカ、とてもかわいい。

こんちゃん
2025年9月17日 3:35 PM

交換留学でPerth近郊のRockinghamに住んでいました。Yanchop national parkもコアラなどの野生動物がいて楽しいスポットでした。気候も穏やかで時差もほとんどなく、ワインもおいしくイタリアの移民が多かったせいかイタリア料理が素晴らしかった印象です。

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4nBgoHUyBd3d
2025年8月22日 9:13 AM

 かつてオーストラリア人の英語の先生がエミュー(emu)というダチョウに似たおおがたの鳥がオーストラリアでは名物であると教えてくれたことをこの記事を読んでいて思い出した。

JAL航空会社と私の双子の子犬
2025年8月27日 7:19 PM

山の実がたくさんの日当たりの良いところにやってきて、おいしいものが地面に落ちるのを恐れて、他の手で支えて一生懸命ニャムニャムと幸せな時間を過ごしている愛らしいクォカ、とてもかわいい。

こんちゃん
2025年9月17日 3:35 PM

交換留学でPerth近郊のRockinghamに住んでいました。Yanchop national parkもコアラなどの野生動物がいて楽しいスポットでした。気候も穏やかで時差もほとんどなく、ワインもおいしくイタリアの移民が多かったせいかイタリア料理が素晴らしかった印象です。