能動的サイバー防御法案への期待と懸念 外交トラブルのおそれも?

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御船紗子 渡辺洋介
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 他国からのサイバー攻撃を未然に防ぐ一歩となるのか。憲法が保障する「通信の秘密」を不当に侵害しないのか――。7日に閣議決定された「能動的サイバー防御(ACD)」の導入に向けた関連法案について、国会審議で深めていくべき論点を専門家に聞いた。

「欧米と足並みそろえる第一歩」

 日本の航空会社や金融機関に対して膨大な通信を行いサーバーを落とす「DDoS(ディードス)攻撃」が昨年末から相次いだ。攻撃は現在も続いており、ほとんどが海外からの通信とされている。

 「日本は地政学的に要所。ロシアや中国など諸外国や犯罪グループから現在進行形で狙われている」

 アメリカのメールセキュリティー対策大手「プルーフポイント」日本法人のチーフエバンジェリスト増田(そうた)幸美さんはそう指摘する。生成AIの普及によって攻撃者が言葉の壁を越えられるようになったことなども一因とみられる。

 能動的サイバー防御(ACD…

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この記事を書いた人
御船紗子
東京社会部|サイバー担当
専門・関心分野
サイバー、居場所、文化の継承
渡辺洋介
東京社会部|戦争・憲法・戦後80年
専門・関心分野
食と農林水産業、空襲と核軍縮、地方と震災復興