サイバー攻撃対処と「通信の秘密」、どう両立 憲法学者ふたりに聞く

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聞き手 編集委員・藤田直央
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 深刻化するサイバー攻撃を防ぐための法案が今国会で審議されている。憲法で定める「通信の秘密」を制約する内容だ。そもそも憲法とサイバー空間の関係をどう考えればいいか。憲法と情報法が専門のふたりの学者に聞いた。

■「サイバーでも憲法は国家を縛る」 宍戸常寿・東京大学大学院教授

 法案提出に向けた政府の有識者会議に参加した。終戦直後にできた憲法にはサイバー空間について書かれておらず、憲法とは関係ないという見方もありうる。しかし、憲法はサイバー空間でも国家権力を縛ると考える時に、手がかりになる条文が21条2項の「通信の秘密」だ。憲法とサイバー空間をめぐる議論は学界にも政府にも蓄積が浅く、政府がどこまでできるかの憲法解釈をここから固めていきたいと考えた。

 「通信の秘密」も他の人権と…

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この記事を書いた人
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史