「国会で質問されないよう廃棄」 森友文書の欠落、財務省が説明

堀之内健史
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 学校法人森友学園への国有地売却をめぐる文書改ざんで近畿財務局職員が自殺した問題で、財務省は9日、4月に一部開示した関連文書について「一部欠落している」と指摘した遺族に対し、大半は「廃棄されたと考えられる」と回答した。遺族側は「どのように廃棄されたのか、第三者委員会を作って調査すべきだ」と訴えた。

 文書は改ざんの経緯を捜査していた検察庁に財務省が提出したもので、改ざんを強いられた赤木俊夫さんの遺族が開示を求めていた。不開示決定を違法とする司法判断を受けて財務省は4月、まず学園との交渉記録など約2千ページを開示した。

 文書の一部には1から382の番号が振られていたが、74の欠番があり、遺族側が理由を質問。財務省は9日、2018年の内部調査の報告書と同様に「同省理財局の指示で、政治家関係者との応接録として存在が確認されたものを紙媒体、電子ファイルともに廃棄した」「廃棄の過程で欠落したと考えられる」と文書で回答した。

 廃棄の理由は「国会で森友学園案件が大きく取り上げられる中で、さらなる質問につながりうる材料を極力少なくすることが、主たる目的だったと認められる」とした。

 遺族側代理人の生越照幸弁護士はこの日に記者会見し、「第三者委員会を立ち上げ、廃棄した当人にも調査すべきだ」と訴えた。来年3月まで計17万ページ余りの文書が順次開示されることを踏まえ、欠落部分の内容が今後開示される文書の中に含まれる可能性もあると指摘。「残りの16万8千枚の中から見つけていただきたい」と話した。

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    座安あきの
    (ジャーナリスト・コンサルタント)
    2025年5月12日18時2分 投稿
    【視点】

    公文書の「廃棄」に至る経緯が、赤木さんのご遺族の執念によって明るみに出てきた。別の報道では「欠落部分は政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認される」とある。官僚が組織ぐるみで事実を隠蔽した。責任を負うべきトップは起訴を免れた

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