第5回ミャンマー国軍の考えを読めぬ欧米 「カオス」の中で日本がすべきは

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聞き手・翁長忠雄 福山亜希
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 ミャンマーにいるとき、欧米の外交団からこんなことを言われました。「このままだと、万が一国軍が倒れるようなことがあれば、ミャンマーがバラバラになってカオスになってしまう。そうなる前に、国軍と民主派の国民統一政府(NUG)や少数民族が話し合えるような働きかけが必要だ。それができるのは日本だろう」

 これはミャンマーの人たちが一番受け入れられないことです。市民にとっては今の軍があるからカオスだという強い感情があります。軍と話し合いの場を持つのは、軍の存在を認めることだからあり得ない。「軍がなくなったカオス」の方がまだましだと思っています。

2024年9月まで駐ミャンマー大使を務めた丸山市郎さんが、通算27年におよぶミャンマー駐在で見てきた出来事を振り返ります

 各国外交団はよく「ミンアウンフライン(国軍最高司令官)の考え方がわからない」と言い、側近で誰と会うのがいいのか、彼が一番親しい僧侶に会いたいなどと言うのですが。それは彼らがミャンマー語がわからないからなのです。

国営メディアから読み取る国軍最高司令官の心情

 ミンアウンフライン氏はどん…

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この記事を書いた人
翁長忠雄
国際報道部
専門・関心分野
東南アジア、中東、紛争、原爆、沖縄、差別
福山亜希
経済部
専門・関心分野
政治、経済、エネルギー政策