郵便トラック許可取り消し、穴どう埋める 選挙書類やお中元の配達は

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増山祐史 編集委員・沢伸也 高島曜介
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 日本郵便の不適切点呼問題は、国土交通省がトラック事業許可取り消しの方針を決めるまでに発展した。同社は今夏の参院選などで用紙の配達を担い、お中元シーズンも近い。物流に影響は出ないのだろうか。

 「点呼業務を実施しないまま貨物運送事業を行っていたことは、輸送の安全の確保を揺るがしかねないものとして極めて遺憾だ」。林芳正官房長官は5日の記者会見で、日本郵便の許可取り消し処分の方針についてこう述べた。

 処分が下れば、日本郵便が保有する一般貨物自動車約2500台が使用できなくなる。同社によると、対象は小型トラックやバンなど。郵便局間の輸送や、年間約10億件の宅配便「ゆうパック」の集荷などに使う。こうした輸送が滞れば、配達全体に遅れが生じる。

 日本郵便は各種の選挙で、投票所入場券や不在者投票用紙のほか、候補者側が有権者に届ける選挙運動用はがきの配達を担う。6月には東京都議選があり、7月には参院選が予定される。関係者によると、日本郵便内では今回の処分方針に「選挙郵便に影響が出かねない」と懸念の声があがっているという。

 近く夏のお中元のシーズンを迎える。同社関係者によると、トラックならばチルド商品を大量に運べるが、軽トラックならピストン輸送などの必要が出てくる。

 日本郵便は手紙やはがきといった信書を一手に担う。宅配便もヤマト運輸佐川急便と合わせ大手3社で全体の95%を占める。

 トラックが止まる穴はどう埋めるのか。

 100%子会社「日本郵便輸…

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この記事を書いた人
増山祐史
東京社会部|国土交通省担当
専門・関心分野
運輸行政、事件事故、独占禁止法、スポーツ
沢伸也
編集委員|調査報道担当
専門・関心分野
埋もれている社会問題