自宅に封筒「示談金払うか裁判か」 アダルト動画を違法ダウンロード

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米田優人
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 始まりは、一通の封筒だった。

 昨年6月、神奈川県内に住む会社員の40代男性の自宅に封書が届いた。差出人は、男性が契約するインターネットのプロバイダー。「意見照会」という文書が入っていた。

 読み進めるうち、恐怖を覚えた。

 「アダルト動画の制作会社が、あなたの違法なダウンロードで著作権を侵害されたとして、あなたの名前や住所の開示を求めて裁判所に申し立てた。プロバイダーとして、あなたの情報を開示していいか」――。そんな趣旨が書かれており、男性がダウンロードした動画1本の作品名も記されていた。

「自業自得だが…」妻にも相談できず

 確かに、自宅のパソコンで動…

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この記事を書いた人
米田優人
東京社会部|最高裁
専門・関心分野
司法、刑事政策、消費者問題、独禁法
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    小西美穂
    (関西学院大学総合政策学部特別客員教授)
    2025年8月31日13時43分 投稿
    【視点】

    「誰も見ていない」「バレない」と思っていた行為が、実は監視、追跡されていた…。ネット時代の落とし穴を感じました。一通の封筒から始まり、動画1本で44万円もの請求に発展していく過程から、当事者の不安が伝わってきます。違法ダウンロードは確かに問

    …続きを読む
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    上西充子
    (法政大学教授)
    2025年8月31日14時45分 投稿
    【視点】

     違法なことに手を出すとこんなことになるので気をつけましょう、で終わる記事ではなく、弁護士に相談するという道を示しているところに好感を持ちました。  違法なことをやってしまった、あるいは、面倒なことに巻き込まれてしまった、というとき、どうし

    …続きを読む