永野・前岸和田市長を1900万円の収賄容疑で再逮捕 地検特捜部

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新谷千布美 黒田陸離 小島弘之 西江拓矢
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 大阪府岸和田市の発注工事をめぐり官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された前市長の会社役員・永野耕平容疑者(47)について、大阪地検特捜部は24日、業者側から計1900万円の賄賂を受け取ったとして、収賄などの疑いで再逮捕した。認否は明らかにしていない。

 発表などによると、再逮捕容疑は2021年8月に入札があった水道管工事の最低制限価格を市内に本店を置く建設業者に漏らし、同社を含む共同事業体(JV)に落札させた▽同社代表から23年5月と7月に現金計900万円を借りた▽24年5月の水道管工事の入札に先立ち、この代表に最低制限価格を漏らし、グループ会社に落札させた▽同11月に代表から現金1千万円を借りた――というもの。

 特捜部は多額の現金を借りることが「賄賂」の受け取りにあたると判断した。

 永野容疑者は21年5月にあった岸和田競輪場の整備工事の入札に先立ち、同社代表に最低制限価格を漏らして落札させた疑いがあるとして今月4日、特捜部に逮捕された。

 特捜部はこれについて24日、官製談合防止法違反などの罪で起訴した。逮捕時に「捜査に支障がある」と伏せていた工事名を公表。入札の4日ほど前、永野容疑者が携帯電話で代表に最低制限価格が3億4754万6千円(税抜き)であることを伝え、同社はそれを2千円上回る額で落札した、と説明した。

 代表(今年7月に辞任)は朝日新聞の取材に応じていない。

 永野容疑者は15年に府議になり、18年の市長選に初当選。24年11月、政治活動で関わりのあった女性と性的関係を続けたことについて裁判を起こされ、女性に謝罪して解決金を払う内容で和解。その後、市議会から2回の不信任決議を受け、今年4月の市長選で落選していた。

 起訴と再逮捕を受け、岸和田市の佐野英利市長は「市民のみなさまに不安を与える結果となり、誠に残念に思います。今後とも、信頼回復のため、公平・公正な入札事務の執行に努めてまいります」とのコメントを出した。

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この記事を書いた人
黒田陸離
大阪社会部|府警担当
専門・関心分野
地方取材、スポーツ、平和、人権