死と隣り合わせのスリル、参加型の闘牛 金目当てで危険冒す若者も

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河崎優子
【動画】コロンビアの地方都市、アラカタカで開催された闘牛「コラレハ」=河崎優子、ラファエル・エルナンデス撮影
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現場へ! 曲がり角の闘牛(3)

 カリブ海近くに位置するコロンビアのアラカタカ。ノーベル文学賞を受賞した「百年の孤独」の著者、ガブリエル・ガルシア・マルケスの生まれ故郷は、人口約4万人の静かな町だ。

 だが、「コラレハ」と呼ばれる闘牛がある4日間は、カーニバルと同じくらい盛り上がる。牛が命を落とさない、庶民参加型のコラレハの会場に向かった。

 木や竹を組んで造られた仮設の闘牛場には、老若男女1500人近くが集まっていた。観客席はトタン屋根で覆われ、木の板を敷いた床の隙間からは地面が見え、歩くとメキメキと音がした。

 場内では、短パンにサッカーのユニホームなどのラフな格好をした若い男性約400人が、ビールを飲んだり友人らと自撮りしたりしている。

 そこに、鋭い角が2本生えた黒い雄牛が放たれると、観客席のブラスバンドが演奏を始め、場内の男たちは一斉に牛の周りに集まった。

 牛の上をバク転して飛び越える人、やりやほこを刺す人。牛が場内を駆け回り、参加者を角で突くと、観客席からは歓声や悲鳴が上がった。まるで「大運動会」のような雰囲気だ。

角でえぐられ4人が救急搬送

 ただ「死者が出なければコラ…

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この記事を書いた人
河崎優子
サンパウロ支局長|中南米担当
専門・関心分野
中南米の全分野、ジェンダー、環境、スポーツ