
- マイクロソフトは中国の従業員に、2024年9月から仕事ではiPhoneを使用するように通達したことが、ブルームバーグで報じられた。
- この動きは、セキュリティポリシーの変更と中国でGoogle Playが使用できないことによるものだ。
- Appleのデバイスを持たないマイクロソフトの従業員にはiPhone15が支給されると報じられている。
マイクロソフト(Microsoft)は中国に勤務する全社員に対し、2024年9月から業務用携帯電話としてiPhoneのみを使用することを義務付けると報じられている。
ブルームバーグは入手した社内メモを引用して、同社は数百人の従業員に、まもなくアップル(Apple)のデバイスで利用可能な認証アプリのMicrosoft AuthenticatorとIdentity Passを通して本人確認を行わなければならないと通達したと報じた。
マイクロソフトは、2023年11月に発表した全世界向けの「Secure Future Initiative」のもと、社内セキュリティを強化してきた。
だが、なぜ職場でAndroidが利用できないのか。それは結局、アプリの問題だ。
Google PlayストアなどGoogleのモバイルサービスが中国で利用できないため、同社は従業員がAndroidのデバイスで社内プラットフォームへアクセスすることを禁止したと報じられている。このため、中国のマイクロソフトの従業員がMicrosoft AuthenticatorとIdentity PassのアプリをダウンロードできるのがアップルのApp Storeがだけになるという。
だが同社はAndroidスマホを完全に見捨てたわけではない。ブルームバーグによると、個人用にAndroidのデバイスを使用することは可能で、業務用にiPhone15を支給するという。
マイクロソフトはロシアや中国のハッカーからの攻撃に対し、セキュリティポリシーを強化している。同社は最近のセキュリティ面の失敗で厳しい状況にあり、3月のアメリカサイバー安全審査委員会の報告書で、「回避可能なエラーの連鎖」があったと述べられている。
同委員会は2023年、ハッカーが22の組織に所属する個人のMicrosoft Exchange Onlineのメールボックスにアクセスできたことを明らかにした。ハッカーは国務省だけで約6万件のメールをダウンロードしたという。
マイクロソフトの広報は今春、「最近の出来事は、我々のネットワークにセキュリティエンジニアリングの新しい文化を導入する必要があることを示している」とBusiness Insiderに語っていた。
マイクロソフトは5月、取締役会の提言も含め、Secure Future Initiativeの範囲を拡大すると発表した。同社はフィッシングに対応した多要素認証でアカウントを保護するなど、さまざまな措置を講じるとしている。
マイクロソフトのエグゼクティブバイスプレジデントのチャーリー・ベル(Charlie Bell)は、「当社では、他のあらゆることよりもセキュリティが最優先だ」と書いている。
マイクロソフトは、iPhone使用義務に関してBusiness Insiderが求めたコメント要請に返答していない。