旅券発給拒否、「違法」確定 安田純平さんの訴え認める―最高裁
フリージャーナリストの安田純平さんが、外務省から旅券発給を拒否されたのは違法だとして国に処分取り消しなどを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(平木正洋裁判長)は安田さんと国双方の上告を退ける決定をした。24日付。発給拒否を違法とし、取り消した一、二審判決が確定した。
旅券発給拒否、二審も「違法」 安田純平さんの訴え認める―東京高裁
一、二審判決によると、安田さんは取材のためトルコから内戦下のシリアに入国後、武装組織に約3年4カ月間拘束された。帰国後の2019年1月に旅券の再発給を申請したが、外務省は「トルコ政府から5年間の入国禁止措置を受けた」との理由で拒否した。
一審東京地裁は24年1月、「海外渡航の自由は基本的人権だ」として、合理的でやむを得ない限度でしか制約は認められないと指摘。トルコや近隣以外の国への渡航も制約するのは裁量権を逸脱、乱用しており違法だとして処分を取り消した。損害賠償請求などは退けた。
二審東京高裁も今年1月、全ての国への渡航を禁止する発給拒否は違法と判断し、双方の控訴を棄却していた。