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還流再開要望は下村氏 旧安倍派の元会計責任者が証言―大野元参院議員公判・東京地裁

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自民党の下村博文元政調会長=2024年3月

自民党の下村博文元政調会長=2024年3月

 自民党派閥裏金事件で、約5100万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた元参院議員大野泰正被告(66)らの公判が25日、東京地裁(福家康史裁判長)であった。「清和政策研究会」(旧安倍派)の松本淳一郎・元会計責任者=有罪確定=が証人として出廷し、政治資金パーティー収入の還流再開を要望した人物が下村博文元政調会長だったと明らかにした。

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 パーティー券の販売ノルマ超過分の還流は2022年4月にいったん中止が決まったが、派閥会長だった安倍晋三元首相死去後の同年8月に開かれた幹部協議を経て再開された。松本氏は自身の公判や衆院予算委員会の聴取で、「ある幹部」から再開の要望があったと証言していたが、名前は明らかにしていなかった。

 松本氏は大野被告の弁護人から「返金を再開することを安倍さんが了承していたと言い始めたのは下村さんですね」と尋ねられ、「そうですね」と述べた。さらに「下村さんが、池田(佳隆)議員に返金してやってくれ、安倍さんが了承しているという趣旨のことを述べた」との問いに「はい」と答えた。

 8月の幹部協議で下村氏が再開を提案したのかと問われると「(池田議員に)返してやってほしいと言われた。それを再開といえば再開だ」と応じた。

 下村氏は今年5月の衆院予算委の参考人招致で、ノルマ超過分の還流を求める声が「派内の議員の一人」から寄せられ、22年6月下旬以降、安倍氏と松本氏に報告したと説明。松本氏には同年7月下旬にも電話で伝えたが、「事務的に伝えた」だけで「再開を求めるということではなかった」としていた。

 松本氏は、ノルマ超過分の返金を希望していた議員は「結構な数いたと思う」とも証言。大野被告についても「その中にいたような気がする」と述べた。

 下村氏は25日、自身のX(旧ツイッター)に「松本氏の発言には明らかな事実誤認が含まれ、私が還流再開を要望したとの見方は誤り。ただし、国民の皆さまに疑念を抱かせ、政治不信を招いたことについては深くおわび申し上げます」などと記した。

 起訴状によると、大野被告と元政策秘書は資金管理団体「泰士会」の18~22年分の収支報告書に、旧安倍派からの還流分計約5100万円を記載しなかったとされる。

最終更新:

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