新しい言語を学ぶには、Duolingoなどの言語学習アプリや参考書が定番ですよね。

これらは優秀なツールですが「基本的な単語は覚えたけれど、そこからなかなか実践的なスキルアップにつながらない……」と感じている方も多いのではないでしょうか?

Kindleをはじめとする電子書籍リーダーとChatGPTを組み合わせることで、読むばかりになりがちな受動的な学習を、まるで専属コーチと二人三脚で学ぶような、より実践的な能動的学習へと変えることができたのです。

インタラクティブなやり方で語彙を豊かにする

Kindleのハイライト機能や注釈機能は、外国語の書籍を読む際に非常に役立ちます。

私がスペイン語学習をはじめたころ、子どもの頃に英語で読んでいたお気に入りの本『トム・ソーヤーの冒険』のスペイン語版をKindleで購入しました。

すでに内容を知っている簡単な物語からはじめるのは、挫折しにくいのでオススメです。

可能であれば、原文と訳文を比較しながら読み進められるバイリンガル版を探してみるのも良いでしょう。

実際に本を読み進めるなかで、分からないスペイン語の単語やフレーズに出会うたびに、Kindleに内蔵されている辞書機能や翻訳ツールを活用して、その場で意味を確認しました。

Image: MakeUseOf
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こうして調べた単語は、従来のようにノートに書き写して保存する代わりに、ChatGPTにコピー&ペーストします。

その後、ChatGPTにその単語やフレーズの意味を説明させ、自然な例文を提供させ、さらには各単語が持つニュアンスまで詳しく説明させるのです。

たとえば「mientras tanto」というフレーズに出会った際、私は次のようなプロンプト(指示)をChatGPTに送りました。

「mientras tanto」というフレーズの意味を説明し、具体的な3つの例文を挙げてください。

Image: MakeUseOf
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ChatGPTのすばらしい点は「辞書的な定義以上のことを教えてくれる」ことです。

ネイティブスピーカーがその単語をさまざまな文脈でどのように使うのかを具体的に示してくれるため、丸暗記するよりも効果的で記憶に残りやすくなります。

このアプローチによって、単語学習は退屈な暗記作業から、文脈の中で意味を理解して、自然に思い出せる「使える知識」へと変わりました。

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AIを複雑な文の理解に活用する

言語学習者にとって、慣れない言語の長い文章や複雑な構文は理解しづらいものですよね。

私も、Kindleで出会った難解な文章はそのままChatGPTにコピー&ペーストして助けを借りています。

ChatGPTに「この文を分解して、分かりやすく説明して」とお願いするだけで、まるで根気強い先生のように、丁寧に解説してくれるので本当に助かります。もちろん、最終的には学習者自身の粘り強さも大切ですが……。

たとえば、こんなプロンプトが有効です。

この文を簡単な日本語で説明し、注意すべき文法規則があれば指摘してください。

Image: MakeUseOf
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ChatGPTは、難解な文を構成要素ごとに細かく分解し、それぞれのパーツがどのような働きをしているのかを説明したうえで、より平易な表現で言い換えた例まで示してくれます。

それはまるで、つきっきりの個人指導の家庭教師が、複雑な文法を噛み砕いて分かりやすく教えてくれるかのようです。

このおかげで、以前は難しい部分を何となく推測して読み飛ばしてしまっていたのが、じっくりと深く掘り下げて文章構造を理解できるようになりました。

このようにChatGPTに手引きしてもらうことで、読んでいる物語の文脈と密接に結びついた形で文法を学べるため、知識が定着しやすく、非常に役立っています。

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KindleとChatGPTを併用してシャドウイングと発音練習をする

私にとって、読むことは言語学習のほんの一部に過ぎません。特に外国語では、発音と会話のスキルアップがより大きな課題となることが多いです。

そこで、Kindle本で見つけた難しい単語や文章の発音のコツ、あるいは発音記号を知りたいときに、ChatGPTを活用しはじめました。

たとえば、ChatGPTに次のように尋ねることができます。

(ここに発音を知りたいスペイン語の単語や短い文を記述)は、どのように発音すればいいですか?可能であれば発音記号と、特に難しい音を上手に発音するコツを教えてください。

Image: MakeUseOf
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現在、ChatGPTは直接音声の録音を生成することはできませんが、ネイティブスピーカーが単語やフレーズを発音しているのを聴ける優れたオンラインリソースを提案してくれます。

私は、このChatGPTからのアドバイスを、Kindleの読み上げ機能(Text-to-Speech)の音声や、YouTubeなどで見つかるネイティブスピーカーの発音動画と組み合わせて練習しています。

再生速度を調整できるツールを併用すれば、音声の速度をゆっくりにして確認することもでき、これは意外と効果的です。

次に、それらの音源を参考に、リズムとイントネーションを真似てシャドーイングを行いましょう。

Kindleのすべての書籍にネイティブによる読み上げ音声機能が付いているわけではありませんが、ChatGPTが発音に関する具体的なガイダンスを提供してくれることで、そのギャップを補うことができますよ!

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ChatGPTに会話のロールプレイを依頼する
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