Safari用の広告ブロッカーをインストールしたり、アプリをまたいで機能するDNSベースのコンテンツブロッカーを使ったり、さらにはVPNアプリで広告をブロックしたりと、私たちは様々な対策を講じています。

しかし、残念ながらこれらの方法では、Apple自身の広告をブロックすることはできません。

近年、AppleはiCloud、Apple Music、Apple TV+といったサービス事業に力を入れており、それに伴って私たちのデバイスに表示される広告の数も増えてきました。

Appleが見てほしい映画のうっとうしい広告のように簡単に無効化できるものもありますが、iPhoneのApp Store内に表示される広告など、どうにもならないものも存在します。

この記事では、あなたのiPhone、iPad、Macで表示されるAppleの広告を可能な限りブロックする方法と、プライバシーを守るためのステップを解説していきます。

【記事のポイント】

  • 一般的な広告ブロッカーでは消せないApple純正の広告も、iPhoneやMacの「設定」から個別に無効化できる
  • パーソナライズ広告や位置情報追跡をオフにすることで、広告の精度を下げ、プライバシー保護を強化する
  • アプリの通知設定を細かく見直すことで、本当に必要な情報だけを受け取れるようになり、ストレスが減る

Apple純正アプリの広告をオフにする

Image: Pranay Parab
Image: Pranay Parab

Appleの純正アプリは、新しい映画やアルバム、有料プランへのアップグレードなどを、あの手この手でプッシュ通知してきます。これらを消すもっとも手っ取り早い方法は、Apple製アプリからの通知を完全にオフにすることですが、誰にでもおすすめできるわけではありません。

たとえば、「ウォレット」アプリには、旅行やイベントの予定を知らせてくれる純粋に便利な通知があります。通知をすべてオフにしてしまうと、こうした便利なアラートまで受け取れなくなってしまいます。

だからこそ、少し時間をかけて各Appleアプリの設定を見直し、不要な通知だけをオフにできないか確認する価値があるのです。

以下の手順で、プロモーション関連の通知を無効にしてみましょう。

  • ウォレットアプリ: アプリを開き、右上の3つのドットボタンをタップし、「通知」を選択。ここで「オファーとプロモーション」を無効にします
  • App Store: アプリを開き、右上のプロフィールアイコンをタップして「通知」を選択。「おすすめとオファー」を無効にします
  • ブックアプリ: 右上のプロフィールアイコンから「通知」へ進み、「おすすめ」を無効にします
  • ミュージックアプリ: 右上のプロフィールアイコンから「通知」へ進み、「新しいミュージック」を無効にします

多くのAppleアプリが同じような流れで設定できるので、ここで挙げた代表的なもの以外でも、同じような手順で不要な通知をオフにできないか試してみてください。

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それでもダメなら「最終手段」も

いっそのこと、まとめて通知をオフにしたいという場合は、アプリごとの通知をすべて無効にするという「最終手段」もあります。

iPhoneなら「設定」>「アプリ名」>「通知」、Macなら「システム設定」>「通知」からアプリの一覧を開き、不要な通知を送ってくるApple製アプリを1つずつオフにしていきましょう。私の場合、App Store、ミュージック、TVアプリがこれに該当します。

ただし、メッセージやFaceTime、Apple TVのキーボード機能など、便利な通知を送ってくるアプリもあるので、これらはオフにしないほうが賢明でしょう。

パーソナライズ広告を無効化する

Image: Pranay Parab
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次に、Appleがあなたのデータを追跡して、個人に合わせた広告を表示するのをやめさせましょう。

  • iPhoneの場合:設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「Appleの広告」と進み、「パーソナライズされた広告」をオフにします
  • Macの場合:システム設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「Appleの広告」と進み、「パーソナライズされた広告」をオフにします

これで追跡は減りますが、その代わり、自分とは全く関係のない広告が表示される可能性が高まることは、頭の片隅に置いておきましょう。

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位置情報の閲覧を許可しない

Image: Pranay Parab
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Appleは、ユーザーに関連性の高いコンテンツを表示するために、一部の位置情報を追跡しています。たとえば、ポルトガルに旅行に行くと、App Storeがその国で人気のアプリを多く表示してくる、といった具合です。

もし、新しいコンテンツを見つけるためにAppleのアプリを使っていないのであれば、特にデメリットなくこの機能を無効にできます。

  • iPhoneの場合:設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「位置情報サービス」を開き、位置情報が不要なApple製アプリのアクセスを無効にします
  • Macの場合:システム設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「位置情報サービス」から同様の設定が可能です

「探す」アプリのように位置情報が必須のアプリや、「カメラ」アプリのように写真に位置情報を記録(ジオタグ)するために使うアプリもあります。

一方で、App Storeやニュースアプリなどは、位置情報へのアクセスをオフにしても中核機能に影響はありません。

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広告を見ないための力技も……
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