私はGoogleのAIツール「NotebookLM」の熱狂的なファンです。このAIは、まるで「自分専用のChatGPT」のように機能する画期的なツールなのです。
学びや仕事の進め方を根底から変える可能性を秘めた、最高傑作の1つだと感じています。
しかし先日、いつも使っているPCのブラウザ版ではなく、はじめてスマホで使ってみたところ、驚くほど期待外れな結果に終わりました。
この記事では、私がモバイルでどのようにこのツールを使っているのかと、なぜ今のところはPC版に徹するべきなのか、その理由をお伝えします。
そもそも「NotebookLM」とは?
NotebookLMは、あなたが提供した資料だけを情報源として利用する言語モデルです。
ChatGPTのように要約やアウトライン作成、学習や整理の手助けをしてくれますが、決定的な違いはその対話の範囲にあります。
NotebookLMは、インターネットという広大な情報の海を探索しません。その代わり、あなたが提供した資料という「閉じた世界」の中だけで思考し、応答します。
これは単なる機能制限ではなく、現代の情報過多時代における、思考の「ノイズキャンセリング」機能と言えるでしょう。
あなたが質問した際には、アップロードした資料群だけを典拠として答えを導き出す。この制約こそが、情報の信頼性を担保し、思考の焦点を研ぎ澄ませる源泉なのです。
インタビュー記事から勉強まで、驚きの活用法
具体的な例を挙げてみましょう。私が大量のインタビュー記事を元に1本の記事を執筆する際、このツールは絶大な威力を発揮します。
- インタビューの文字起こしテキストをNotebookLMにコピー&ペーストする
- 「質の良い睡眠の価値についての発言を3つ見つけて」といった指示を出す
この場合、たとえば3人の情報提供者が良い夜の休息の重要性についてインタビューで言及していれば、即座に3つの引用文が提示されます。
さらに便利なことに、それぞれの引用文が元のインタビューのどの部分にあるかを示すハイパーリンクまで付いてくるため、すぐに文脈を確認しに戻れるのです。
これにより、整理整頓が格段に楽になり、必要な言葉を探して1つ1つの原稿を検索する時間を節約できます。
勉強においては、その効果はさらに絶大です。授業で使ったスライド、電子テキスト、ノートなどをすべてアップロードし、練習問題や単語カード、要約、小論文のアウトラインなどを作成させることができます。
特にユニークなのが、架空のポッドキャストを生成する機能。
二人のホストが登場し、話者の癖や息を混ぜながら低い声で話す「ボーカルフライ」と呼ばれる発声まで再現しながら、あなたが提供した資料の内容について情報満載の対話を繰り広げます。これを聴けば、どこにいても学習が進みます。
「ズルしてる感」がない、AIとの新しい付き合い方
NotebookLMとの対話には生成AIを使うときに感じがちな「ズルをしている」という罪悪感がありません。なぜなら、これは思考のアウトソーシング(外部委託)ではなく、思考のアクセラレーション(加速)だからです。
労力をかけて集め、読み込んだ情報群の整理や統合を委ねる感覚は、アシスタントというより「自分の脳の拡張メモリ」に近いかもしれません。思考の主導権は常に自分自身にあり、AIはあくまで忠実な知的サポーターに徹します。
そのため、ChatGPTなどで懸念される「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」のリスクとも無縁です。NotebookLMは、あなたが与えた信頼できる情報の世界から、1歩も外に出ることはないのです。






















