セブン&アイ、そごう・西武売却 実質譲渡額は8500万円

セブン&アイ・ホールディングスは1日、同日付でそごう・西武の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループへの売却が完了したと発表した。そごう・西武の企業価値を約2200億円と算出したが、そごう・西武の有利子負債などを考慮して株式の売却額である譲渡額を8500万円と見込んだ。
セブンが貸付金を放棄した後のそごう・西武単体の有利子負債は約2000億円。セブンはそごう・西武の企業価値2200億円から同社の有利子負債を差し引き、運転資本にかかる調整などを経た株式譲渡価額を8500万円と見込む。
セブンはそごう・西武の売却を巡り、セブン&アイ単体で株式譲渡関連損失と損失補塡額として合計で約1457億円の特別損失を計上すると発表している。
セブン&アイは不採算事業だった百貨店子会社の売却を通じ、中核のコンビニエンスストア事業に経営資源を集中する。
2022年11月に両社で基本合意を結んだ当初、売却実行日を23年2月1日としていた。ただ、セブン&アイによる利害関係者への事前調整不足のほか、売却後の売り場構成や雇用確保などについてそごう・西武労組などと調整が難航。2度の売却実行日の延期を経て、ようやく売却が完了した。

セブン&アイ・ホールディングスは百貨店子会社のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却しました。フォートレスは家電量販大手のヨドバシホールディングスと連携しており、ヨドバシが西武池袋本店などに出店を検討しています。売却の決議までに、売り場構成などでそごう・西武の労働組合などと調整が難航、大手百貨店で約60年ぶりのストライキに至りました。