天神の顔「旧岩田屋本館」の紆余曲折【記事で振り返る】
都築学園がパルコと賃貸借予約契約を結んだころの旧岩田屋本館=2008年2月
福岡市・天神の商業施設「福岡パルコ」が、2026年から本館ビルを解体して再開発を進める見通しとなりました。福岡パルコ本館は1936年にできた旧岩田屋本館で、長年にわたり〝天神の顔〟でした。経営再建中だった岩田屋が、隣接する新館を含めて学校法人の「都築(つづき)学園」グループにビルを売却。岩田屋が移転して去った2004年2月から本館は一時空きビルとなりましたが、10年3月の福岡パルコ開業を迎え、再びにぎわいを取り戻しました。さらに、パルコが本館・新館を都築学園から取得し、新館にもパルコが展開しました。紆余(うよ)曲折の経緯を、西日本新聞記事で振り返ります。(竹次稔)
>>【独自】福岡パルコ2026年に解体、再開発へ
1999年8月19日夕刊1面
岩田屋本館・新館 都築学園に売却205億円
経営再建中の地場大手百貨店、岩田屋(福岡市、中牟田健一社長)は19日、福岡市・天神の本館・新館売却問題について、同市内の学校法人「都築学園」グループと大筋で合意に達したと発表した。
2008年2月9日朝刊1面
旧本館にパルコ 都築学園から賃貸で基本合意
商業施設運営のパルコ(東京)は福岡市・天神の岩田屋旧本館ビルへの出店を決め、8日、ビルを所有する学校法人「都築(つづき)学園」(福岡市、都築仁子総長)と基本合意したと発表した。同学園がパルコに建物を賃貸する。パルコは改装工事を行った後、商業施設を開業させる方針だが、時期は未定。天神の中心地で空きビル状態が4年間続いている旧本館の活用方法がようやく固まることになった。
2013年3月16日朝刊1面
福岡パルコ2倍に増床 265億円で買収

パルコ(東京)は15日、福岡市・天神の福岡パルコと、隣接ビルの土地と建物を、265億円で学校法人都築学園(福岡市)から取得すると発表した。売買契約は今月下旬の予定。買収する隣接ビルに増床して売り場を拡大し、パルコが得意な若者向け衣料品を強化する。
2013年5月14日朝刊1面
パルコ新館来秋開業、岩田屋新館建て替え
商業施設運営のパルコ(東京)は13日、福岡市・天神の福岡パルコに隣接する旧岩田屋新館を建て替え、2014年秋に福岡パルコ新館(仮称)として開業すると発表した。地下3階、地上6階建て、延べ床面積約1万4千平方メートルのビルに建て替える計画。売り場面積は未定だが、現在の福岡パルコ(売り場面積約1万2千平方メートル)から大幅に拡大する。
追跡 天神ビッグバン
福岡・天神。この街は、どう変わるんだろう―。かつてない規模とスピードで、次々と巨大ビルが建て替わる一大プロジェクトの現状と裏側を、天神に本社を置く西日本新聞が追いかけます(随時更新)