【IoT/M2M展講演】
ハードウェア+ソフトウエアの
協調アジャイル開発
Ver 1.00
2017年5月10,11,12日
株式会社 豆蔵
“モノ”のインターネット
2
様々な”モノ”が
つながる
様々なサービスと
つながる
世界中から
データが集まる
分析して
利用する
IoT時代のフィードバックループ
3
世界中から
データが集まる
分析して
利用する
新しい用途
を思いつく
新しい機能
が必要になる
変化はすぐにでも、何度でもやってくる
4
もはやアジャイル開発は必須
アジャイル開発の基本的な進め方
 短い期間で潜在的出荷可能(Potentially Shippable)な製
品開発を反復しながら進める
5
仕様
イテレーション
設計
実装
テスト
PSI: Potentially Shippable Increment
仕様
設計
実装
テスト
仕様
設計
実装
テスト
仕様
設計
実装
テスト
PSI実現のための課題1
 ソフトウェアがないといハードウェアの実機検証ができない
6
PSI実現のための課題2
 ハードウェアがないといソフトウェアの実機検証ができない
7
PSI実現のための課題
 ハードウェアのTAT(Turn Around Time)が長い
8
依存関係
 ハードウェア開発、ソフトウェア開発の間に“待ち”が存在す
ることが、組み込みアジャイル開発における大きな課題。
9
 組み込み開発の場合、ハードウェアとソフトウェアの依
存関係をなくすことはできない。
解決方法
ハードウェアもソフトウェアも
できるエンジニアを
たくさん育成すればいいじゃん!?
10
解決方法
ハードウェアもソフトウェアも
できるエンジニアを
たくさん育成すればいいじゃん!?
11
まあそうなんだけど(笑。
12
依存関係をなくせないなら
どううまく管理するかを考えよう。
依存関係の整理方法
 ネットワーク図(PDM:Precedence Diagramming Method)
13
Start
E
A B
C
F
FinishD
+3d
-1d
+2d
+4d
読み方(リードとラグ)
14
A B
C D
+3d
-1d
Aが終わってから3日後
にBが開始できる
Cが終わる1日前に
Dが開始できる
従来方式
15
SWHW FinishStart
 ハードウェアを作ってからソフトウェアを作る。
協調アジャイル開発
16
頭部
HW
頭部
SW
胴部
SW
胴部
HW
右腕
HW
左腕
HW
腕部
SW
左脚
HW
右脚
HW
脚部
SW
Finish
Start
 HW/SWを小さく分解し、依存関係を明確にした上でHWと
SWのタイミングを合わせ、「待ち」を減らして各部を完成
(PSIに)していく。
計画とコミュニケーション
 まずは製品全体の要件の依存関係を把握し、HW/SWの開発
優先順位をおおざっぱに決める。
 その後はもちろんスプリントごとに要件や優先順位を見直す。
 プロダクトオーナーはスプリント計画までに依存関係を把握
し、バックログの優先順位を決めておく。
 スプリント計画はHW/SWが同じ日、同じ時間、同じ場所で
行い、依存関係に応じた計画を行う。
 HW/SWの各チームは、互いに朝会をオブザーブするなどの
方法で、互いの進捗を把握しておく。
 互いのリードタイムを把握し、「HW待ち」「SW待ち」を作
らないよう最大限の努力をする。
17
その他注意点
18
 可能な限りリードタイムを短縮する。
 制御的に意味のある範囲で、できるだけ小さく分割する。
 バラック基板や3Dプリンタも活用して、早くHWを供給
する。シミュレーション等も活用する。
 短納期(1d~3d)基板製作サービスなども活用する。
 基本はユーザーストーリー単位に分解する。
 結線の確認や電力の測定など、HWの検証に最低限必要な
制御をタイムリーに供給できるよう、優先順位を決める。
 複数のHWが協調動作するようなアプリケーションは、必
要なHWがそろってから開発する。
まとめ
19
組込システムのアジャイル開発においては、HWとSWの依存
関係をいかに管理するかがカギ。
依存関係とリードタイムを知ることで、互いの「待ち」を極力
削減する。
あらゆる方法をつかってリードタイムを短縮する(特にHW)。
速いほう、柔軟な方が相手に合わせる(特にSW)。
最後に
必要なのは対立ではなくて“協調”。
20
自己紹介 ー 松永広明
株式会社 豆蔵 シニアコンサルタント(2015年~)
1990年のキャリアスタートから、一貫して組込ソフトウェアの開
発に従事。
2011年ごろよりアジャイル開発を推進。
書籍
• わかりやすいアジャイル開発の教科書(2012) レビュアー
資格:ScrumAlliance
認定Scrum Professional
認定Scrum Master
松永広明

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