Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved.
Interpretable Sequence Learning
for COVID-19 Forecasting
Sercan O. Arık, et al.
Google Cloud
CTO室 富⽥望
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概要
• → のホワイトペーパー
• 疫学の数理モデルを拡張、その各種変数の
時系列予測を通じ感染者数などを予測
– 著者は全員Google Cloudだが、US版はHarvard Global Health Institute、
⽇本版は 慶應医療政策・管理学教室宮⽥研監修
• NeurIPS 2020
• 純粋な機械学習モデルとして⾒るとかなり簡素
1
画像: https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/ncZpB のスクリーンショット(2021/5/13 アクセス)
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⽬次
• 疫学の数理モデル
• 論⽂のモデル
• 学習
• 検証
• まとめ
2
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⽬次
• 疫学の数理モデル
• 論⽂のモデル
• 学習
• 検証
• まとめ
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感染症の数理モデル
• 感染症は病原体への曝露がなければ絶対に罹患しないのが特徴
↔ 膠原病・⽣活習慣病のような内的要因の疾病
• いくつかの仮定をすることで数理モデルを⽤いた研究がしやすく、また需要
もある
• ここからスライド数枚の内容は主に数学セミナー2020/9の特集に依拠しています
– ⽇本語の教科書としては稲葉「感染症の数理モデル」がある、COVID­19禍を受けて対応する章を追加した増補版[5]が
出ている
4
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感染症の数理モデル
異なるアプローチがあり、⽬的によって使い分けが必要
• 機構的なモデル(mechanistic model)
– 感染伝播のような現象⾃体をボトムアップに記述し、理解する⽬的
• e.g. コンパートメントモデル
– 代表的なものが SIRモデル、SEIRモデル
• ⼈⼝内でどのように感染が広がるのか、いつ重症者数がピークを迎えるかなど
• 感染症の制御そのものに対する⽰唆を得ることができる
• 外挿的なモデル(extrapolation model)
– ざっくりといえば「正しいっぽい曲線」を当てはめるもの(e.g. 回帰直線)
• というと⾔い⽅が悪いが、リアルタイム予測に⽤いられたりもする
• 歴史的にも⼤規模な感染症流⾏があるたび、外挿的なモデルが突如提案されることが多
かった(e.g. Langmuirによる流⾏曲線への正規分布のあてはめ)
5
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感染症の数理モデル: SIRモデル
• コンパートメントモデル:⼈⼝をいくつかの”区画”に区切る。代表格がSIRモデル
– Susceptible: 感受性⼈⼝ (未感染かつまだワクチン等で免疫を持たない)
– Infected/infectious: 感染性⼈⼝
– Recovered/removed: 治癒⼈⼝
• 仮定
– Sが病原体に曝露されたら直ちにIに移⾏(潜伏期間を0と仮定)
– 他者への感染はIのみが起こす
– 感染期間は全員同じ (Iから⼀定期間でRに移⾏)
– 治癒後は免疫がつき、再感染はしない(RからSやIには戻らない)
6
𝑆 𝐼 𝑅
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感染症の数理モデル: SIRモデル
S, I, R をそれぞれの⼈⼝とすると、以下の微分⽅程式で表される
•
!"
!#
= −𝛽𝑆𝐼
•
!$
!#
= 𝛽𝑆𝐼 − 𝛾𝐼
•
!%
!#
= 𝛾𝐼
• ⼈⼝の保存: 全部⾜すと時間変化がない (
!"
!#
+
!$
!#
+
!%
!#
= 0) → 全⼈⼝ 𝑁 = 𝑆 + 𝐼 + 𝑅 は⼀定
• 基本再⽣産数 𝑅& :
– 全⼈⼝が感受性 𝑆 のコミュニティに1⼈の感染者が⼊ったとき、その⼈が起こす⼆次感染者の総数。 >1 のとき感染流⾏が発⽣する
• 第2式より、
!"
!#
= 𝛽𝑆𝐼 − 𝛾𝐼 = 𝛽𝑆 − 𝛾 𝐼 > 0 の時に感染が拡⼤
• 流⾏初期で 𝑆 ≃ 𝑁より、病原体が最初に⼊った際に感染拡⼤ ⇔ 𝛽𝑆 − 𝛾 𝐼 ≃ 𝛽𝑁 − 𝛾 𝐼 > 0 ⇔ 1 <
!
"
𝑁 ≡ 𝑅# (*)
– マスク、ロックダウン、ワクチンなどの介⼊⾏為で値は変化し、それを実効再⽣産数 𝑅/ という (いろいろな異なる定義がある)
• 集団免疫閾値:
– どれだけの割合 𝑟 の⼈が免疫を持っていれば流⾏しないか︖
– 全⼈⼝のうち割合 𝑟 (0 < 𝑟 ≤ 1) がワクチンなどで免疫を持っているとすると、(*)の 𝑆 が (1 − 𝑟)𝑆 に置き換わる
→ 1 =
0
1
(1 − 𝑟)𝑁 = (1 − 𝑟)𝑅2 、つまり 𝑟 = 1 −
3
4)
以上なら感染拡⼤が起きない。 e.g. 𝑅# = 2.5 → r =1-1/2.5 = 60%
7
𝑆 𝐼 𝑅
𝛽 𝛾
𝛽:感染率 単位時間内に1人の𝐼が1人の𝑆と接触を起こす確率
𝛾:治癒率 単位時間内に1人の𝐼が治癒して𝑅に移る確率
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感染症の数理モデル: SEIRモデルなど
• SEIRモデル: 感染性を持たない潜伏期間を持つケースに拡張
• 感受性を持つ⼈ (Susceptible) が接触すると、潜伏期間中の状態(Exposed)に移⾏
– 𝑬の間は他⼈に感染させない
– 𝑬は⼀定期間で発症して𝑰に移⾏
– SIRモデルも短期的・局地的な感染流⾏をよく再現するが、実際にはどの感染症も感染後すぐには他者への感
染性をもたない。最近は最低でもSEIR型に拡張したものを⽤いることが必須[5 §2.4]
• SIRモデルの他の拡張としては
– ⼈⼝の異質性(年齢が近い⼈同⼠での接触が多い、など)
– 感染からの経過時刻
を考慮した拡張などがある。
8
𝑆 𝐸 𝐼 𝑅
𝛽 𝛾
𝛼
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⽬次
• 疫学の数理モデル
• 論⽂のモデル
• 共変量の予測
• 検証
• まとめ
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全体の構成
• ベースはSEIRモデルからさらにコン
パートメントを増やしたもの
• 𝛽などのコンパート間の遷移率を
表す変数が定数でなくなっている
– これらの変数は “共変量” の関数
– この関数形を学習する
• 共変量の時間変動の予測も学
習する
– この時間変動を通して𝛽などが時間
変動する
10
拡張した𝑆𝐸𝐼𝑅モデル
遷移率の変数 (𝛽, 𝛾, … )
共変量
(移動量、政策介⼊、国勢調査 … )
学習対象
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論⽂のモデル: compartment
• 発⾒されている(documented)かどうかで例えば 𝐼 を 𝐼(+)、 𝐼(-) に分けている
– 診断により⾒つかると undocumented から documented に移⾏ (𝛾)
• 再感染を考慮(𝜂)し、Rを𝑅と𝐷に分離
• ⼊院(Hospitalized)や、さらにその中のICUや⼈⼯呼吸器をつけた状態を考慮(𝐻, 𝐶, 𝑉)
11
[1] Fig.2より引⽤
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論⽂のモデル: compartment
• 1⽇ごとに差分化
⼀応式を載せておきますが読まなくていいです
12
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変数の時間依存
• 従来の疫学モデルでは遷移率を表す変数 𝛽 などが固定であることが多かった
• 表現⼒を増すため、変数は ”共変量” covariates に依存して定まるとする。どの変数がどの共
変量に依存するかは変数によって変える
– 共変量は移動量、検査の状態、国勢調査、病院のスコアなど
– 共変量が時間変化することを通して変数が時間変化する
• 以下を学習する
– 共変量から変数を定める関数
– 共変量の時系列予測器
13
[1] Fig.2より引⽤
[1] Table2より引⽤
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論⽂のモデル化
• 変数 𝑣! (𝛽, 𝛾, … など。𝑖は地域を表す)について、以下でモデル化
– ここで 𝑐 はグローバルなバイアス、𝑏*は地域ごとのバイアス、covは共変量
– 共変量は時間依存しないもの(国勢調査の結果など)と、時間依存するもの
(移動量、政策介⼊、過去の陽性者数など)がある
• 時間依存する共変量 𝑓[𝑡] について、以下の線形⾃⼰回帰モデルでモ
デル化
– ここで 𝜉 = 14 に固定(週の中での変動を学習するため)
• 総パラメータ数百程度 14
[1] Fig.3より引⽤
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近隣地域の影響
• 州レベルでの予測モデルと郡レベルの予測モデルは別々に作成
• 群レベルのモデルでは隣接する群の共変数を集約したものも特徴量として⽤いる
– 平均・中央値・標準偏差・最⼤・和
– ⽇本の県レベルのモデルでもこれはやっているらしい
• 州レベルの予測では⼊れていない(ほぼ無視できるとの主張)
15
[1] Fig.4より引⽤
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⽬次
• 疫学の数理モデル
• 論⽂のモデル
• 学習
• 検証
• まとめ
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ロス
• ⽬的関数
– 重み付きL2ロス
• ただし地域によってGTがない場合があるのでインジケータ関数 𝕀(⋅) をかけて、GTが存在するものだけ使⽤
• 𝑄 =𝐼(!) + 𝑅(!) + 𝐻 + 𝐷 という形でのみGTがある場合もある
• 正則化
– ありえない範囲のパラメータにペナルティを課したり、時系列の滑らかさを課したり
• 合計: 17
は時間についての重み、zはハイパーパラメータ
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⼿法
• Partial teacher forcing:
– RNNの学習の安定化テクニックとして teacher
forcing というのがある
• 学習時、RNNの出⼒を使うのではなく、GTを⼊れてしまう
• しかし学習時と評価時で動作が異なってしまう問題がある
– Partial teacher forcing を提案
• 前ステップの結果とGTを係数𝜆で内分したものを渡す
• 学習中は 𝜆=0.5
• finetune時に 𝜆=1 としてGTを使わなくする
18
RNN RNN RNN …
<Start>
“Did” “you” “know”
普通の学習:
RNN RNN RNN …
<Start>
“Did” “you” “know”
“Did” “you”
Teacher forcing:
Partial teacher forcing: これらを補間
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⼿法
• 最適化:
– 予測すべき⽇数が 𝜏⽇分として、与えられた学習データの最後の𝜏個を
validation、残りをtrainとする
– ハイパーパラメータ(含初期値)を⼀つ取り、trainで学習
– ベイズハイパラ探索で⼀番いいパラメータをとり、最後にvalidationデータも使っ
てfinetune
19
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⼿法
20
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⽬次
• 疫学の数理モデル
• 論⽂のモデル
• 学習
• 検証
• まとめ
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従来⼿法との⽐較
• ⽐較的正確な指標とされる死亡者数で⽐較
• 州レベルの予測
– 他⼿法よりconsistentにerrorが少ない
– ⼈数が多いと正確になる傾向
22
[1] Table 3 より引⽤
[1] Fig. 5 より引⽤
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信頼区間の学習
• 先のページではL2ロスだったが、これはデータの平均を予測するのに対応
• 信頼区間を求めるため、L2ロスの代わりにquantile lossと呼ばれるも
のを使⽤
– L1ロスがmedianに対応するのと同様、quantileに対応するロス
23
L1 loss quantile loss
0 ≤ 𝑎 ≤ 1 として
左右の傾きが
𝑎 − 1, 𝑎
とすると、𝑎th quantile
を求めることに相当
(a=0.5でL1ロスに帰着)
証明は https://en.wikipedia.org/wiki/Quantile_regression#Quantiles など参照
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信頼区間の学習
• ロスをL2からquantile lossに変え、10%/90% 信頼区間を推定
• 不連続な動きをするGTだとちゃんと信頼区間が広がる
24
[1] Fig. 9 より引⽤
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学習結果の解釈・検証
• 各変数への共変量の寄与
– 感染率βについて (→図)
• 移動量は正の寄与
• 介⼊政策は負の寄与だが数⽇のラグ
• ⼈⼝中での割合が⼩さい集団にも
正しい予測をしているか
– ⼈種によるバイアス →図
⼈種構成⽐で郡をグループ分けし、
予測の正しさがそれに依存しないこと
(この点は他にもいろいろ⾒ていた)
– 年齢・性別などとの相関なども⾒てい
た(なぜか現在の知⾒とは逆に年齢
と負の相関が出ていたりも)
25
[1] Fig. 8 より引⽤
[1] Fig. 16 より引⽤
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Potential Limitations
• GTの品質
– 場所によっても品質が違ったりする
• ⾼速なトレンド変化に弱い
– 報告のされかたの変化だったり、モデルに⼊れていない共変量の変化だったり
• 全地域で同⼀のweight
– 数が多いところの⽅が重要視される
• ロスが対称
– 何を重視するかでロスの設計を変えた⽅がよい
• ⼈⼝のグループごとに性能が違いうる
– 報告数が多いグループほど重視される
• オーバーフィット
– データが少ないうちは情報不⾜でoverfitする
• 信頼区間
– ベイズ的な⼿法ではない
26
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Other things we have tried
• encoder に dropout → 特に意味がなかった
• 共変数にlearnableな⾮線形処理 → overfit
• Asymmetric loss → ハイパラを増やすほどの利益がなかった
• ロスの正規化 (⼈⼝などで) → 悪化
• RNN (特にLSTM) → 最適化が難しくなり、また汎化しなかった
• 2次の最適化 (直接最適化できるのでLBFGSを実装) → 汎化性能
が落ちた
– SGDだとフラットな解にいって汎化しやすいみたいな話と関係ある︖︖
27
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類似の研究
• [Zhaozhi Qian+20]
– NeurIPS 2020、ガウス過程を使⽤して感染者数や、ロックダウンの効果を⾒
積もる
• [Erik Drysdale+20]
– NeurIPS 2020、ガウス過程を利⽤して必要な病床数を⾒積もる
• その他RNN/Transformerで学習してみました的なのもあったが省略
28
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その後: ⽇本
29
https://twitter.com/hayano/status/1345853361237577729 より引用
感染者数の実際と、各時点での予測値
• 日によっての予測値の変動が大きい
• あまり合っているとは言い難い…
• 年末年始の日付などの情報は学習対象に含まれないので、
こういう人流などが特異的なタイミング周辺ではモデルの作
り的に予測が難しいだろうと思われる
• その人流の予測値などがどうなっているのか気になる
ところだが公開されていないようだ
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その後: US
データ出典: https://github.com/youyanggu/covid19-forecast-hub-evaluation/blob/master/summary/summary_2_weeks_ahead_us.csv
ベースライン: 前週の死者数を
そのまま予測値とする
紹介⼿法
ベースラインに勝っている週の割合
州ごとの4週先予測値と実際の死亡者数の絶対差の平均
ベースラインに負けている箇所は赤字、各列内の誤差の大きさで背景色を色分け
いろいろな⼿法のアンサンブル
SEIRモデルのパラメータをグリッドサーチし
て死亡者数にfit
• 特に初期はだいぶベースラインに負けている
• 単純なSEIRモデルのほうがずっと正確な予測とな
っている
擁護するとすれば、
• このSEIRモデルは死亡者数だけでfitし死亡者数だ
けで評価しているので有利
• 予測そのものというよりは、何が感染状況に効いてい
るかなどの情報を得る⽅が本⼿法の主⽬的
ということになるだろうか︖
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まとめ・所感
• 疫学のコンパートメントモデルを拡張して表現⼒を⾼めつつ、専⾨家が解釈可能な
形で学習する⼿法を提案
• 機械学習のテクニックを使ってはいるが、学習というよりほぼfitting
– 基本的に疫学のモデルに則っていてかなり実直には感じる
– (interpretable sequence learning というタイトルでいいのか︖)
– 仕組み的にも予測としての限界はあるのは明らかなので、その辺の限界を知った上で参考とす
べき (監修の宮⽥先⽣がそういうことを⾔っている)
• 申請した団体には「ワクチンを打った場合どうなるか」みたいなシミュレーションもさせてくれるらしい
• 類似の研究よりは相当細かく検証されているが、予測は機械学習の問題としては
難しすぎる感
31
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参考⽂献
• [1] S. O. Arik et al., “Interpretable Sequence Learning for COVID-19 Forecasting,” arXiv:2008.00646
[cs, stat], Aug. 2020. http://arxiv.org/abs/2008.00646
• [2] Z. Qian, A. M. Alaa, and M. van der Schaar, “When and How to Lift the Lockdown? Global COVID-
19 Scenario Analysis and Policy Assessment using Compartmental Gaussian Processes,”
arXiv:2005.08837 [physics, stat], Jun. 2020. http://arxiv.org/abs/2005.08837
• [3] E. Drysdale, D. Singh, and A. Goldenberg, “Forecasting Emergency Department Capacity
Constraints for COVID Isolation Beds,” arXiv:2011.06058 [cs], Nov. 2020.
http://arxiv.org/abs/2011.06058
• [4] 数学セミナー2020年9⽉号. ⽇本評論社, 2020.
• [5] 稲葉寿, 感染症の数理モデル, 増補版. 東京: 培⾵館, 2020.
32

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  • 2. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 概要 • → のホワイトペーパー • 疫学の数理モデルを拡張、その各種変数の 時系列予測を通じ感染者数などを予測 – 著者は全員Google Cloudだが、US版はHarvard Global Health Institute、 ⽇本版は 慶應医療政策・管理学教室宮⽥研監修 • NeurIPS 2020 • 純粋な機械学習モデルとして⾒るとかなり簡素 1 画像: https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/ncZpB のスクリーンショット(2021/5/13 アクセス)
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  • 7. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 感染症の数理モデル: SIRモデル • コンパートメントモデル:⼈⼝をいくつかの”区画”に区切る。代表格がSIRモデル – Susceptible: 感受性⼈⼝ (未感染かつまだワクチン等で免疫を持たない) – Infected/infectious: 感染性⼈⼝ – Recovered/removed: 治癒⼈⼝ • 仮定 – Sが病原体に曝露されたら直ちにIに移⾏(潜伏期間を0と仮定) – 他者への感染はIのみが起こす – 感染期間は全員同じ (Iから⼀定期間でRに移⾏) – 治癒後は免疫がつき、再感染はしない(RからSやIには戻らない) 6 𝑆 𝐼 𝑅
  • 8. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 感染症の数理モデル: SIRモデル S, I, R をそれぞれの⼈⼝とすると、以下の微分⽅程式で表される • !" !# = −𝛽𝑆𝐼 • !$ !# = 𝛽𝑆𝐼 − 𝛾𝐼 • !% !# = 𝛾𝐼 • ⼈⼝の保存: 全部⾜すと時間変化がない ( !" !# + !$ !# + !% !# = 0) → 全⼈⼝ 𝑁 = 𝑆 + 𝐼 + 𝑅 は⼀定 • 基本再⽣産数 𝑅& : – 全⼈⼝が感受性 𝑆 のコミュニティに1⼈の感染者が⼊ったとき、その⼈が起こす⼆次感染者の総数。 >1 のとき感染流⾏が発⽣する • 第2式より、 !" !# = 𝛽𝑆𝐼 − 𝛾𝐼 = 𝛽𝑆 − 𝛾 𝐼 > 0 の時に感染が拡⼤ • 流⾏初期で 𝑆 ≃ 𝑁より、病原体が最初に⼊った際に感染拡⼤ ⇔ 𝛽𝑆 − 𝛾 𝐼 ≃ 𝛽𝑁 − 𝛾 𝐼 > 0 ⇔ 1 < ! " 𝑁 ≡ 𝑅# (*) – マスク、ロックダウン、ワクチンなどの介⼊⾏為で値は変化し、それを実効再⽣産数 𝑅/ という (いろいろな異なる定義がある) • 集団免疫閾値: – どれだけの割合 𝑟 の⼈が免疫を持っていれば流⾏しないか︖ – 全⼈⼝のうち割合 𝑟 (0 < 𝑟 ≤ 1) がワクチンなどで免疫を持っているとすると、(*)の 𝑆 が (1 − 𝑟)𝑆 に置き換わる → 1 = 0 1 (1 − 𝑟)𝑁 = (1 − 𝑟)𝑅2 、つまり 𝑟 = 1 − 3 4) 以上なら感染拡⼤が起きない。 e.g. 𝑅# = 2.5 → r =1-1/2.5 = 60% 7 𝑆 𝐼 𝑅 𝛽 𝛾 𝛽:感染率 単位時間内に1人の𝐼が1人の𝑆と接触を起こす確率 𝛾:治癒率 単位時間内に1人の𝐼が治癒して𝑅に移る確率
  • 9. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 感染症の数理モデル: SEIRモデルなど • SEIRモデル: 感染性を持たない潜伏期間を持つケースに拡張 • 感受性を持つ⼈ (Susceptible) が接触すると、潜伏期間中の状態(Exposed)に移⾏ – 𝑬の間は他⼈に感染させない – 𝑬は⼀定期間で発症して𝑰に移⾏ – SIRモデルも短期的・局地的な感染流⾏をよく再現するが、実際にはどの感染症も感染後すぐには他者への感 染性をもたない。最近は最低でもSEIR型に拡張したものを⽤いることが必須[5 §2.4] • SIRモデルの他の拡張としては – ⼈⼝の異質性(年齢が近い⼈同⼠での接触が多い、など) – 感染からの経過時刻 を考慮した拡張などがある。 8 𝑆 𝐸 𝐼 𝑅 𝛽 𝛾 𝛼
  • 10. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 9 ⽬次 • 疫学の数理モデル • 論⽂のモデル • 共変量の予測 • 検証 • まとめ
  • 11. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 全体の構成 • ベースはSEIRモデルからさらにコン パートメントを増やしたもの • 𝛽などのコンパート間の遷移率を 表す変数が定数でなくなっている – これらの変数は “共変量” の関数 – この関数形を学習する • 共変量の時間変動の予測も学 習する – この時間変動を通して𝛽などが時間 変動する 10 拡張した𝑆𝐸𝐼𝑅モデル 遷移率の変数 (𝛽, 𝛾, … ) 共変量 (移動量、政策介⼊、国勢調査 … ) 学習対象
  • 12. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 論⽂のモデル: compartment • 発⾒されている(documented)かどうかで例えば 𝐼 を 𝐼(+)、 𝐼(-) に分けている – 診断により⾒つかると undocumented から documented に移⾏ (𝛾) • 再感染を考慮(𝜂)し、Rを𝑅と𝐷に分離 • ⼊院(Hospitalized)や、さらにその中のICUや⼈⼯呼吸器をつけた状態を考慮(𝐻, 𝐶, 𝑉) 11 [1] Fig.2より引⽤
  • 13. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 論⽂のモデル: compartment • 1⽇ごとに差分化 ⼀応式を載せておきますが読まなくていいです 12
  • 14. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 変数の時間依存 • 従来の疫学モデルでは遷移率を表す変数 𝛽 などが固定であることが多かった • 表現⼒を増すため、変数は ”共変量” covariates に依存して定まるとする。どの変数がどの共 変量に依存するかは変数によって変える – 共変量は移動量、検査の状態、国勢調査、病院のスコアなど – 共変量が時間変化することを通して変数が時間変化する • 以下を学習する – 共変量から変数を定める関数 – 共変量の時系列予測器 13 [1] Fig.2より引⽤ [1] Table2より引⽤
  • 15. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 論⽂のモデル化 • 変数 𝑣! (𝛽, 𝛾, … など。𝑖は地域を表す)について、以下でモデル化 – ここで 𝑐 はグローバルなバイアス、𝑏*は地域ごとのバイアス、covは共変量 – 共変量は時間依存しないもの(国勢調査の結果など)と、時間依存するもの (移動量、政策介⼊、過去の陽性者数など)がある • 時間依存する共変量 𝑓[𝑡] について、以下の線形⾃⼰回帰モデルでモ デル化 – ここで 𝜉 = 14 に固定(週の中での変動を学習するため) • 総パラメータ数百程度 14 [1] Fig.3より引⽤
  • 16. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 近隣地域の影響 • 州レベルでの予測モデルと郡レベルの予測モデルは別々に作成 • 群レベルのモデルでは隣接する群の共変数を集約したものも特徴量として⽤いる – 平均・中央値・標準偏差・最⼤・和 – ⽇本の県レベルのモデルでもこれはやっているらしい • 州レベルの予測では⼊れていない(ほぼ無視できるとの主張) 15 [1] Fig.4より引⽤
  • 17. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 16 ⽬次 • 疫学の数理モデル • 論⽂のモデル • 学習 • 検証 • まとめ
  • 18. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. ロス • ⽬的関数 – 重み付きL2ロス • ただし地域によってGTがない場合があるのでインジケータ関数 𝕀(⋅) をかけて、GTが存在するものだけ使⽤ • 𝑄 =𝐼(!) + 𝑅(!) + 𝐻 + 𝐷 という形でのみGTがある場合もある • 正則化 – ありえない範囲のパラメータにペナルティを課したり、時系列の滑らかさを課したり • 合計: 17 は時間についての重み、zはハイパーパラメータ
  • 19. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. ⼿法 • Partial teacher forcing: – RNNの学習の安定化テクニックとして teacher forcing というのがある • 学習時、RNNの出⼒を使うのではなく、GTを⼊れてしまう • しかし学習時と評価時で動作が異なってしまう問題がある – Partial teacher forcing を提案 • 前ステップの結果とGTを係数𝜆で内分したものを渡す • 学習中は 𝜆=0.5 • finetune時に 𝜆=1 としてGTを使わなくする 18 RNN RNN RNN … <Start> “Did” “you” “know” 普通の学習: RNN RNN RNN … <Start> “Did” “you” “know” “Did” “you” Teacher forcing: Partial teacher forcing: これらを補間
  • 20. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. ⼿法 • 最適化: – 予測すべき⽇数が 𝜏⽇分として、与えられた学習データの最後の𝜏個を validation、残りをtrainとする – ハイパーパラメータ(含初期値)を⼀つ取り、trainで学習 – ベイズハイパラ探索で⼀番いいパラメータをとり、最後にvalidationデータも使っ てfinetune 19
  • 21. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. ⼿法 20
  • 22. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 21 ⽬次 • 疫学の数理モデル • 論⽂のモデル • 学習 • 検証 • まとめ
  • 23. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 従来⼿法との⽐較 • ⽐較的正確な指標とされる死亡者数で⽐較 • 州レベルの予測 – 他⼿法よりconsistentにerrorが少ない – ⼈数が多いと正確になる傾向 22 [1] Table 3 より引⽤ [1] Fig. 5 より引⽤
  • 24. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 信頼区間の学習 • 先のページではL2ロスだったが、これはデータの平均を予測するのに対応 • 信頼区間を求めるため、L2ロスの代わりにquantile lossと呼ばれるも のを使⽤ – L1ロスがmedianに対応するのと同様、quantileに対応するロス 23 L1 loss quantile loss 0 ≤ 𝑎 ≤ 1 として 左右の傾きが 𝑎 − 1, 𝑎 とすると、𝑎th quantile を求めることに相当 (a=0.5でL1ロスに帰着) 証明は https://en.wikipedia.org/wiki/Quantile_regression#Quantiles など参照
  • 25. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 信頼区間の学習 • ロスをL2からquantile lossに変え、10%/90% 信頼区間を推定 • 不連続な動きをするGTだとちゃんと信頼区間が広がる 24 [1] Fig. 9 より引⽤
  • 26. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 学習結果の解釈・検証 • 各変数への共変量の寄与 – 感染率βについて (→図) • 移動量は正の寄与 • 介⼊政策は負の寄与だが数⽇のラグ • ⼈⼝中での割合が⼩さい集団にも 正しい予測をしているか – ⼈種によるバイアス →図 ⼈種構成⽐で郡をグループ分けし、 予測の正しさがそれに依存しないこと (この点は他にもいろいろ⾒ていた) – 年齢・性別などとの相関なども⾒てい た(なぜか現在の知⾒とは逆に年齢 と負の相関が出ていたりも) 25 [1] Fig. 8 より引⽤ [1] Fig. 16 より引⽤
  • 27. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. Potential Limitations • GTの品質 – 場所によっても品質が違ったりする • ⾼速なトレンド変化に弱い – 報告のされかたの変化だったり、モデルに⼊れていない共変量の変化だったり • 全地域で同⼀のweight – 数が多いところの⽅が重要視される • ロスが対称 – 何を重視するかでロスの設計を変えた⽅がよい • ⼈⼝のグループごとに性能が違いうる – 報告数が多いグループほど重視される • オーバーフィット – データが少ないうちは情報不⾜でoverfitする • 信頼区間 – ベイズ的な⼿法ではない 26
  • 28. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. Other things we have tried • encoder に dropout → 特に意味がなかった • 共変数にlearnableな⾮線形処理 → overfit • Asymmetric loss → ハイパラを増やすほどの利益がなかった • ロスの正規化 (⼈⼝などで) → 悪化 • RNN (特にLSTM) → 最適化が難しくなり、また汎化しなかった • 2次の最適化 (直接最適化できるのでLBFGSを実装) → 汎化性能 が落ちた – SGDだとフラットな解にいって汎化しやすいみたいな話と関係ある︖︖ 27
  • 29. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 類似の研究 • [Zhaozhi Qian+20] – NeurIPS 2020、ガウス過程を使⽤して感染者数や、ロックダウンの効果を⾒ 積もる • [Erik Drysdale+20] – NeurIPS 2020、ガウス過程を利⽤して必要な病床数を⾒積もる • その他RNN/Transformerで学習してみました的なのもあったが省略 28
  • 30. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. その後: ⽇本 29 https://twitter.com/hayano/status/1345853361237577729 より引用 感染者数の実際と、各時点での予測値 • 日によっての予測値の変動が大きい • あまり合っているとは言い難い… • 年末年始の日付などの情報は学習対象に含まれないので、 こういう人流などが特異的なタイミング周辺ではモデルの作 り的に予測が難しいだろうと思われる • その人流の予測値などがどうなっているのか気になる ところだが公開されていないようだ
  • 31. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. その後: US データ出典: https://github.com/youyanggu/covid19-forecast-hub-evaluation/blob/master/summary/summary_2_weeks_ahead_us.csv ベースライン: 前週の死者数を そのまま予測値とする 紹介⼿法 ベースラインに勝っている週の割合 州ごとの4週先予測値と実際の死亡者数の絶対差の平均 ベースラインに負けている箇所は赤字、各列内の誤差の大きさで背景色を色分け いろいろな⼿法のアンサンブル SEIRモデルのパラメータをグリッドサーチし て死亡者数にfit • 特に初期はだいぶベースラインに負けている • 単純なSEIRモデルのほうがずっと正確な予測とな っている 擁護するとすれば、 • このSEIRモデルは死亡者数だけでfitし死亡者数だ けで評価しているので有利 • 予測そのものというよりは、何が感染状況に効いてい るかなどの情報を得る⽅が本⼿法の主⽬的 ということになるだろうか︖
  • 32. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. まとめ・所感 • 疫学のコンパートメントモデルを拡張して表現⼒を⾼めつつ、専⾨家が解釈可能な 形で学習する⼿法を提案 • 機械学習のテクニックを使ってはいるが、学習というよりほぼfitting – 基本的に疫学のモデルに則っていてかなり実直には感じる – (interpretable sequence learning というタイトルでいいのか︖) – 仕組み的にも予測としての限界はあるのは明らかなので、その辺の限界を知った上で参考とす べき (監修の宮⽥先⽣がそういうことを⾔っている) • 申請した団体には「ワクチンを打った場合どうなるか」みたいなシミュレーションもさせてくれるらしい • 類似の研究よりは相当細かく検証されているが、予測は機械学習の問題としては 難しすぎる感 31
  • 33. Copyright © 2021 Morpho, Inc. All Rights Reserved. 参考⽂献 • [1] S. O. Arik et al., “Interpretable Sequence Learning for COVID-19 Forecasting,” arXiv:2008.00646 [cs, stat], Aug. 2020. http://arxiv.org/abs/2008.00646 • [2] Z. Qian, A. M. Alaa, and M. van der Schaar, “When and How to Lift the Lockdown? Global COVID- 19 Scenario Analysis and Policy Assessment using Compartmental Gaussian Processes,” arXiv:2005.08837 [physics, stat], Jun. 2020. http://arxiv.org/abs/2005.08837 • [3] E. Drysdale, D. Singh, and A. Goldenberg, “Forecasting Emergency Department Capacity Constraints for COVID Isolation Beds,” arXiv:2011.06058 [cs], Nov. 2020. http://arxiv.org/abs/2011.06058 • [4] 数学セミナー2020年9⽉号. ⽇本評論社, 2020. • [5] 稲葉寿, 感染症の数理モデル, 増補版. 東京: 培⾵館, 2020. 32