ビジョンをシンプルに 描くツールと、 理解共有のススメ 
POMeetup #8
2 はじめに 
本日は、POMeetup #8にお越しいただき 
ありがとうございます 
会場を提供いただきました 
株式会社PLAN-Bさま(井上和馬さん) 
ありがとうございます
自己紹介 
Independent Contractor 
スクラム導入コーチ・開発チームの構築・開発戦略コンサルタント 
受託を主とした制御系開発企業で、SI事業(電機メーカー系)の案件として、 設備監視の専門業務システム(通信網・交通網)の開発に従事 
~2010年アジャイル導入。スクラムマスター 
2011-2012年事業リーダ。人員管理、新規開拓 
2013~2014年プロセス改善コーチ 山本雄一郎 
スクラム道関西メンバー 
POMeetup主宰 
@u1r_red 
u1r.yamamoto
4 
POMeetupの開催主旨 
プロダクトマネジメントって難しくないですか 
開発成果はビジネスで活かされてますか 
プロダクトオーナーの責任って重くないですか 
既存のルールや習慣と折り合いついてますか 
プロダクトオーナーが、より効果的に開発を進め、 高いビジネス価値を達成するための実践知を交換 できる場所を作っていきたい
5 プロダクトオーナー 
プロダクトオーナーは、開発チームの作業とプロダクトの 価値の最大化に責任を持つ。 
『スクラムガイド』より
6 本日のコンテンツ 
Roman Pichlerの“ProductVisionBoard”を使ってみる 
Vision Boardについてふりかえり、気づきの交換 
“ビジョンを描く”ことと開発との関係について 
ビジョンを描く効果、課題などを、皆さんで意見交換し ながら考察を加える
Product Vision Board 
7 
http://www.romanpichler.com/tools/vision-board 
http://www.romanpichler.com/blog/the-product-vision-board/ 
http://www.romanpichler.com/blog/working-with-the-agile-product-vision-board/ 
http://u1r-red.hatenablog.com/entry/2014/03/19/213420
8 ビジョンを描くことは必要か 
どっちへ行きたいか分からなければ、どっちの道へ 行ったって大した違いはないさ。 
『不思議の国のアリス』より 
Product Backlogだけでは、進むべき方向を示さない 
理解を共有すべき相手は、開発チームの他にもたくさん いる
書いてみましょう 9
書いてみましょう 10 
何を成し遂げようとしているのか 
ユーザーは誰か 
顧客は誰か 
なぜ 
使いたいと考え 
購入するのか 
主要な 
機能特徴 
開発に 
投資して 
何を得るのか
たとえば、こんなところに注目 11 
何を成し遂げようとしているのか 
誰にとって 
有用なのか 
どんな問題を 解決するのか 
どのように 
解決するのか 
なぜ自社が 
それを開発 
するのか 
•顧客の問題を正しく 理解しているか 
•その問題はお金を 払ってでも解決した いか 
•プロダクトは正しく 問題を解決するか 
•明確な価値提案(value proposition)があるか 
•自社の理念に従い、 戦略を反映した製 品か 
•強みを生かした価 値ができているか
12 
Vision Boardの使いどころ
13 ツールとしてのVision Board 
マトリクス評価や分析の機能は持たない 
説得のための文書としては不完全である 
プロダクトの大義名分 
-プロダクトゴール、ビジネスゴール、何をもたらし、どうな るのか 
裏付けになるもの 
-プロダクトのビジネスモデル(収益性、コスト、販売チャネ ル) 
開発の担保(安心)にあたるもの 
-開発の戦略、開発ロードマップ、見積り
検証し、リサーチし、洞察するのが重要 14 
Roman Pichlerの解説より http://www.romanpichler.com/blog/the-product-vision-board/
15 ビジョンを描いたら 
開発のロードマップ、リリースプラン 
Product Backlogのアイテム 
関係者で理解を共有する
16 ビジョンを共有すれば進めやすい 
たとえば… 
機能の重要性や注目をうながし、開発 ロードマップの導入になる 
スプリントレビューなどで意見が拡散す るのを抑える 
Product Backlogの順位づけの根拠に 
チームが深い相互関係を持つために
17 
ビジョンって何でしょう?
1.適切な目標 
2.深い傾聴 
3.完全な集中 
4.個々の自主性 
5.エゴの融合 
18 創造性の高いチームに必要なもの 
6.全員が平等 
7.適度な親密さ 
8.不断のコミュニ ケーション 
9.先へ先へと進める 
10.失敗のリスク 
凡才の集団は孤高の天才に勝る 
「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア 
キース・ソーヤー 
グループフローを生み出す10の条件
システム思考 
自己マスタリー 
メンタルモデル 
共有ビジョン 
チーム学習 
19 学習する組織の要素技術 
学習する組織の5つのディシプリン 学習する組織 システム思考で未来を想像する ピーター・M・センゲ
1.「善い」目的をつくる能力 
2.場をタイムリーにつくる能力 
3.ありのままの現実を直視する能力 
4.直感の本質を概念化する能力 
5.概念を実現する政治力 
6.実践知を組織化する能力 
20 賢慮で実践知なリーダーシップ 
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー2012年1月号 
リーダーは実践し、賢慮し、垂範せよなど 
野中郁次郎 
フロネティック・リーダーの6つの能力
“偉大なるリーダーは、人々に行動を起こすよう奮起させ る。つまり人々をインスパイアできるのだ。インスパイア できるリーダーは、誘惑や脅迫といった手段を使わずに、 人に目的意識や帰属意識を持たせる。” 
21 人々を奮起させるコミュニケーション WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う サイモン・シネック
ビジョンとか、戦略とか、戦術とか 22 
ビジョン 
要件/ロードマップ 
(戦略) 
Output 
(結果) 
Outcome 
(成果) 
Impact 
(効果) 
機能/ 
ユーザーストーリー 
(戦術)
入れ子構造? 23 
製品ビジョン 
コンセプト 
製品戦略 
製品開発 
リリースの 
目的 
要件 
個々の 
機能 
事業視野 
製品視野 
開発視野
プロジェクトは、複雑な視野の中にある 24 
開発(委託) 
派遣企業 開発チーム 
部門長 
(組織階層) 
その他、いろいろ 
企画部門 
サービスエンジニア 
カスタマサービス 
営業部門 顧客のビジネス 
マーケット部門
25 
ビジョンってナニ? 結局のところ、よくわかりません
26 
でも何を含めるかはシンプルで 書くことは簡単だと分かった
27 まとめ 
手間をかけない。 
かけても正解にはならない 
人と共有することが重要。 
そして相互の理解を作り上げる 
素直に訂正する。 
そして共感を得ることが大事

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