千葉県・松戸市長選は6月1日の投開票日に向け、いずれも無所属新人で元県議の松戸隆政さん(46)=千葉維新の会支持、元市議の山中啓之さん(46)、元県議の川井友則さん(49)、前副市長の小玉典彦さん(50)、諸派新人で地域政党代表の石井嘉隆さん(61)の5人が競っている。各候補の横顔を紹介する。=届け出順(林容史)
◆松戸隆政(まつど・たかまさ)さん 46 無新
誇り持てる松戸へ
「人口が50万人を突破しても駅前に元気がなく、魅力、特徴のない街になってしまう」。地元選出の県議として、誇りの持てる松戸にと満を持して挑む。
市川高時代、女性教諭の受け入れなど学校改革を訴え生徒会長に。早稲田大卒業後は投資銀行で幕張メッセの経営、経営破綻した足利銀行の再生にかかわった。衆院議員の公設秘書を経て2011年、県議選で当選、4期務める。実家は市内で40年弱続いたラーメン店。大学卒業まで店内を掃除するなどして両親を支えた。松戸発祥の二十世紀ナシを発見した松戸覚之助の実家と親戚関係。小さい頃から空手に親しみ、キックボクシングのプロライセンスを持つ。休日はテニスなどに汗を流す。
◆山中啓之(やまなか・けいじ)さん 46 無新
政策磨いて再挑戦
2万6835票。3年前の市長選で現職に敗れたが「活動が評価してもらえた」と大きな手応えを感じた。マニフェストに新たな政策を書き加える毎日だ。
2006年、27歳で市議に当選、5回連続でトップ当選。かつて故郷には治安の悪さに加え、福祉や文化のサービスで見劣りしネガティブな印象があった。「まちを良くしたい。政治を変えなければ」。高校時代、留学したスコットランドで友人に送った手紙に「市議になる」と決意を記した。中学の軟式テニス部で活躍後、アイスホッケーなどに熱中し、会社員時代にマラソンにはまった。結婚し長女が誕生すると、生活に変化が生まれた。休日、親子3人で市内のイベントに行くのが何より楽しみだ。
◆川井友則(かわい・とものり)さん 49 無新
政治人生の集大成
「市政を刷新するチャンス」と選挙を歓迎する。市庁舎移転反対、市立総合医療センターの経営改革などを訴え、現職路線との対決を鮮明にする。父は4期市長を務め、政治のいろはをたたき込まれた敏久さん。「これまでの集大成として臨め」と激励してくれた。
子どもの頃、家を空けがちで、平日にゴルフへ出かける父に反発。しかし、祖母の介護に疲れ、台所の隅で泣く母朝子さんの姿に「傷ついている人を助けたい」と政治の道へ。「ならせば2年に1回は選挙をしている」と笑うが、落選し将来が見通せなかった苦労も。高校卒業後、全国を放浪した経験からキャンプなどアウトドア全般が得意。パーティーで巨大な肉の塊をさばいて好評という。
◆小玉典彦(こだま・のりひこ)さん 50 無新
人生はチャレンジ
「政治家になりたいと思ったことはない」はずが、市長選に担がれた。道半ばで退く本郷谷健次市長に強く請われた。落選すれば職を失う一家の大事に「女性陣の反対が強かった」と打ち明ける。人生の節目で道しるべになってくれた母方の祖父に墓前で相談し決意した。
旧建設省出身ながら、山口県に出向したり、東北大大学院で教壇に立ったり。「経験を市政に注ぎ込みたい」と意気込む。
新潟出身。一橋大では体育会のスキー部に所属、雪山にこもり合宿と大会に明け暮れた。大のプロレスファン。ジャンボ鶴田氏の「人生はチャレンジだ!」の教えを胸に、初代タイガーマスクが所有していた宝物のマスクに必勝を誓う。
◆石井嘉隆(いしい・よしたか)さん 61 諸新
教育と農業変える
自己肯定感を高める教育の実現、都市農業の育成を目的に出馬を決意した。「教育と農業は政治にかかわらないと変えられない」と訴える。尋常高等小学校で校長を務めた祖父、市職員だった父にならい「地元に恩返しがしたい」とも。
東京・秋葉原の電気街で店員をしたり、建築現場で図面を引いたり「24時間働いた」。教員になりたくて千葉工業大で学び直し、2018年、53歳で県立市川工業高で教壇に立った。3月の県議補選に立候補し「“選挙ハイ”になった」。市民に聞いてもらえるなら「3時間ぶっ続けで演説できる」と豪語する。
休日は農園で畑仕事に精を出す。新種のサツマイモの品種登録中で、名前は「よしたか」に決めている。
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