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西武鉄道、東村山などにホームドア整備 25年度設備投資424億円

西武鉄道は、2025年度鉄道事業設備投資計画を発表した。ホームドア整備やデジタル化推進などに424億円を投資する。

今年度のホームドア整備事業は、東村山駅(高架化後新宿線下りホーム)、保谷駅、新所沢駅での稼働を予定。2026年度以降も順次ホームドア整備を進め、当面は池袋~小手指駅間、西武新宿~新所沢駅間、小平~玉川上水駅間、豊島線、西武有楽町線各駅において2030年代半ばまでにホームドアを整備することを目指す。

  • 2026年度稼働目標:池袋駅(7番、特急ホーム)、中村橋駅、富士見台駅、新桜台駅
  • 2027年度稼働目標:池袋駅(1番ホーム)、東長崎駅、大泉学園駅、花小金井駅
  • 2028年度稼働目標:椎名町駅、下落合駅、中井駅、田無駅
  • 連続立体交差事業とあわせて整備:東村山駅(高架化後新宿線上り・国分寺線・西武園線ホーム)

ホームドア整備駅の拡大にあわせ、定時運転と乗務員負荷軽減の観点からTASC整備を推進。列車が駅に停車する際に自動的にブレーキをかけて定位置に停止させる運転支援システムで、今年度から地上および車上に機器を設置する工事に着手。2027年度の池袋~小手指駅間、豊島線、西武有楽町線各駅への導入を目指す。

TASC

踏切の安全性も向上。踏切支障検知装置の高規格化を進め、従来の「線」で検知する方式(光電式)から、「面」で検知する方式(2D式)に更新し、検知能力を向上させている。今年度は新設2可所・更新10カ所、計12カ所の踏切へ設置予定。

車内防犯カメラの設置については、2025年3月末時点で全車両の約85%に設置済み。今年度末には100%を目指す。また、2026年度末までに記録式カメラ設置車両については、リアルタイムに映像を確認できる通信式カメラへ置き換える。

クレカタッチ決済を全駅で

西武線内のターミナル駅、観光地周辺の21駅では、2024年12月からクレジットカード等のタッチ決済乗車サービスの実証実験を開始し、QR企画乗車券の自動改札機での利用も開始した。

今年度は西武線内の約50駅、2026年度には西武線内の全駅でタッチ決済乗車サービスとQR企画乗車券の利用を可能にするため、自動改札機の整備を進める。

駅係員の連絡業務をスマートデバイス上で完結するGSシステムでは、車いす利用向けの事前受付システムを導入。事前予約をしてもらうことで、駅員不在の時間帯でも対応を可能にし、スムーズな案内を実現する。

そのほか、従業員の職場環境改善・整備においては、現業施設の建て替えや宿泊施設の個室化、駅従業員用休憩室のリニューアル等を行ない、従業員満足度の向上を図る。