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ほら、アーカイブもメンテナンスも重要でしょうが!

wirelesswire.jp

先月の WirelessWire News 原稿は、なんというか地味な題材を選んでしまったな、というのがどうしてもあった。

しかし、どうだ。先月末から、この文章で書いた「アーカイブの危機」と「メンテナンスの大事さ」を痛感する出来事が多く起こっている。

八潮市交差点道路陥没事故が我々を憂鬱にさせるのは、この事故が特異点ではなく、日本におけるインフラの老朽化がこれから本格的に露となり、こういう事故が増えるに違いないというのが容易に想像できるからだ。

2016年の博多駅前道路陥没事故と今回の事故では、それぞれ事情が異なるので同列には語れないだろうが、もはや「日本スゴイ!」とか言い張れる力も失ったというべきか。

インフラの老朽化は先進国に共通の問題かもしれないが、すぐ箱ものとか五輪や万博など大きなイベントに飛びつき、地道なインフラ整備に人と金を割くことによる雇用の創出と技術の継承を怠った末路に思えるのよね。

そして、アーカイブについては、ドナルド・トランプ政権下での米国の阿鼻叫喚ぶりにその重要性が浮き彫りになった形である。

政府機関はウェブサイトから「女性のリーダーシップ」や「多様性」に関する内容を削除するように命じられ連邦職員は解雇の脅しに怯え、科学者はデータが消される前に徹夜でデータの引っ越しに追われている。極めつけと言えるのは、アメリカ国立公文書記録管理局(National Archives)のディレクターの Colleen Shogan が何の理由も示されることなく、トランプ大統領により解雇されてしまった

まさに米政府内のアーカイブの危機である。そこで我らがインターネットアーカイブの仕事がクローズアップされるが、ワタシも文章に書いたように、彼らだって安泰ではまったくない。

やはり、こういう風にあとで現実が追い付いてくるような文章を書きたいものだと思う。誰も誉めてくれないので自分で誉めておく。

そういえば、昨年11月に書いた「シリコンバレーのビジネスモデルと政治哲学の出口、そして地獄と折り合いをつけること」についても、少し前に嬉しい声をいただいた。

この文章ではヘンリー・ファレルの文章「出口なし」を取り上げているが、彼は大統領選挙の結果を受けて、それと対になる「出口はある」という文章を少し前に書いている。

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