上映開始前のスマホを怒られる 何年か前に、シネコンで上映開始前の少し薄暗くなって企業CMや予告編を流している時間帯にスマホを操作していたら、斜め後ろのおじさんから「消せよお前!」といきなり怒られたことがあった。 その時は「えー、映画はじまる前…
昨2024年4月に小説が出版されて職業作家(兼業)になったその後の行方についてのメモ。 小説『生命活動として極めて正常』 昨年4月に短編集がKADOKAWAから出版された。いろんな人が好意的なレビューしてくれて嬉しかった。 大森望氏 地球環境から野球まで短…
三幸のサーモン塩辛 いけないものを食べてる気がする。背徳感がある。 出張で新潟に行った時、新潟駅のお土産売り場で買った。試食で食べた時(うわ、これすごい)と思ったら、隣の知らないおっさんが「これは絶対に買わないとおかしい!」みたいなことを店…
奈良国立博物館『仏像のかたちと技法』 https://bookmeter.com/reviews/121675342 1983年に刊行された奈良博の冊子で、仏像に関する基礎知識がコンパクトに纏まっている。40年後の2023年に同じ奈良博監修の『発見!ほとけさまのかたち』は、本書の基本構成を…
自分たちを楽にするために業務効率化を推し進めているわけだけど、結果的にはどんどん苦しくなっていくみたいな機序あるあるの話。 ネットで「タイミーやってるとあんまり洗練されてない職場の方がやりやすい」って話を見かけて、ちょうど職場で実感していた…
出世する、より上位の管理職に上がって行くというのは、マネジャーとしての力量や適正も必要だけれど、「どこまで奉仕できるか(どこで降りるか)」によるところが大きいのだろう。その奉仕水準でどこまで行くか/どの辺で止まるか均衡するのだと、会社で仕…
20年ほどネットで小説をほそぼそ書いていたらKADOKAWAから短編集を出してもらった。その経緯は以前↓に書いた。 小説の商業出版にいたる顛末:八潮久道『生命活動として極めて正常』 - やしお 八潮久道『生命活動として極めて正常』生命活動として極めて正常…
吉川洋『高度成長』 https://bookmeter.com/reviews/120643719 1950年代半ばは働き手の半数が農業を中心とした一次産業従事者だったのが、1970年代初頭には3分の2が会社員になっていた、と改めて言われると、高度経済成長による日本の社会構造の変化の大きさ…
小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った…
小説(短編集)が来月(2024年4月)にKADOKAWAから出版されることになった。その顛末やいろいろ思ったこと等のメモ。 ※このエントリはKADOKAWAの担当編集者や広報に見解を求めて書いていない。「私のケースはこうだった、私からはこう感じた/こう見えた」を…
未来から見たら、現在はずいぶん野蛮な世界に見えているのだろう。現代から中世・近世を見ると(怖すぎる)(生きていけない)と感じるのと同じなのだと思う。「野蛮」は、「そういう世界が存在する(した)のは理解できるが、この世界を知った上でそっちの…
徳成旨亮『CFO思考』 人を元気にさせるような内容だった。単に「CFOの役目」の話に留まらず、グローバルな視点で日本や日本企業がどう見えるのかを含めて語る点が本書を面白くしている。それは著者が三菱UFJやニコンのCFOとして、海外の投資家・機関と相対す…
少し前にテレビ番組の「カンブリア宮殿」で、医師1名のクリニックで、高い水準で患者ファーストを実現できている、結局それは人員の大幅増で実現できた、と紹介しているのを見た。 2023年9月21日 放送 おおこうち内科クリニック 院長 大河内 昌弘 (おおこう…
会社で部署異動になって5ヶ月超が経った。経験のない業務分野で係長クラスになっている。 今まで会社勤めをしていて、業務内容に特にこだわりもなく、それなりにやれてきたから、まあ大丈夫かと思っていたけど、あまり大丈夫じゃなかった。結構つらかったし…
「著者や編集者に『図書館で/古本で』読みましたと感想をわざわざ言ってしまう人」の話がまたTwitter(X)とかで話題になった。「あなたへは一銭も払わないが、あなたのコンテンツは消費させてもらいました」と言うことになってしまう。 「変なマナーを作るな…
https://bookmeter.com/reviews/115499475 「本人が望んだわけではない立場にあって、しかしその責任を全力で全うしようとした人」は本当に立派だし尊敬する(人命救助とか会社経営とか政治家とか)。リリウオカラニ女王がハワイ王国の王位を継承した1891年…
https://bookmeter.com/reviews/115499453 さかなクンや藤井聡太氏もだけど、究極的には「キャリア形成の方法」なんかより「常人離れして対象を愛して追求し続けられる」才能なのだと思う。佐渡裕氏も、自らチャレンジしたり人の懐に飛び込んだりはしていて…
https://bookmeter.com/reviews/115499432 横浜は、明治の開港以降、直線的に発展しているわけではない。戦後の連合国による接収解除が遅れ、高度経済成長のさなか、50年代半ば以降に解除が進んだという。東京のベッドタウンとしてスプロール現象が進展しつ…
https://bookmeter.com/reviews/115499412 京都の芝居小屋の売店の子として生まれた双子(白井松次郎・大谷竹次郎)が、劇場をひとつずつ手に入れて最終的に歌舞伎界を制覇する話と、山梨の裕福な商家に生まれて高い学歴を積んだエリート銀行員(小林一三)…
https://bookmeter.com/reviews/115499402 新自由主義の弊害が見えてくると、福祉国家へ舵を切れという主張が増えてくるが、もともと福祉国家が維持できなくなったことで新自由主義が出てきている経緯を考えると実は非現実的で、そうではなくて「資本=ネー…
https://bookmeter.com/reviews/115499381 80年代に書かれた英文学教授による紅茶にまつわる優雅なエッセイ集。もともとイギリスでティと言えばミルクティが当然だったのが「最近は」プレーンティが増えてきている、と当時の変化に言及されていて面白かった…
https://bookmeter.com/reviews/115499361 著者のルポは面白いし複数読んでるけど、どうしても構図を描くまでで、構造を示してはくれない。歴代経営陣の派閥争い、規制産業であることの甘え、複数の労働組合の反発等々の事象がJALの腐敗を招いたとしても、そ…
https://bookmeter.com/reviews/115499327 物価変動は人々の予想によるもので、何かの実体に紐付いたものではなく基本的には遊離したもの。ただ予想に影響を与える要素が多岐に渡る。日本で90年代後半から30年近くに渡って形成されてきた、消費側の値上げ忌…
https://bookmeter.com/reviews/115499301 基本的にプレイヤーそれぞれが何かしらの後ろめたさ・暗さを抱えていて、その暗さが物語を進める力として機能している。その中にあってこの長編の冒頭を飾った博正だけが光のように明るく存在していて、最後までそ…
https://bookmeter.com/reviews/112037775 長編だけど、第1章の競走馬が誕生し、牧場の青年が川へ祈る神話のような話単体でも、物語の強度が高く、ひとつの短編として成り立ちそうだ。競走馬そのものは、人間のような意思を持たず、各章の視点人物にはなり得…
https://bookmeter.com/reviews/115499249 日本の陶磁器について、産地別ではなく経時的にコンパクトに整理された本。プロローグの中で、焼き物の産地を問うことは、一義的には①焼かれた場所、同時に②特徴や技法の両者が含まれる(産地ごとに歴史に基づく作…
少し前にはてなブックマーク(はてブ)のガイドラインが公開された。 はてなブックマークガイドライン そのブックマークコメント(ブコメ)で、好意的な意見も多かった一方、反発するコメントも2~3割ほどあった。この内容でそんなこと言うんだ、と少々ドン…
「AAAの與真司郎氏がゲイであることを告白した」ニュースにまつわるあれこれと、個人的なこととかのメモ。 【全文】「AAA」與真司郎さん、ゲイだと公表「自分を愛することが一番」ファンに向けた言葉:東京新聞 TOKYO Web 「わざわざ」カミングアウト Twitte…
https://bookmeter.com/reviews/115028764 「職業訓練校に国の成績トップの学生が集中する」状況が異常と改めて言われると、めちゃくちゃいびつだなとは思った。医師に高い能力が必要なのは間違いなくても、研究者でも高級官僚でもなく「医者(臨床医)を育…
https://bookmeter.com/reviews/115028706 「二元代表制で(日本の国政と違い)議会が首長を支える必要がないのに、(米国の議会と違い)議会の権限が小さい」という特性があると、議会の役割が不明確になって無責任化しやすいというのは、なるほどと思った…