鶴巻和哉監督最新作 劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を観た
鶴巻和哉監督最新作である劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(ガンダムジークアクス ビギニング)を公開初日の1月17日に池袋グランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGTで観た。
鶴巻和哉氏が25年前に監督を務めたOVA『フリクリ』は当時学生だった自分が強く影響を受けたオールタイムベストアニメだ。その後の鶴巻監督も楽しみに見守ってきたものの、同じくOVAの『トップをねらえ2!』や、NHKで放送された中編作品『龍の歯医者』など露出の限られた作品が多いため一ファンとして悔しい想いを抱いてきた(もちろん『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの監督としての活躍は目覚ましいものだったが、世間的には庵野秀明総監督の作品としか思われてないだろう)。
そんな氏がガンダムシリーズ最新作の監督を務めるということで、ようやく鶴巻和哉監督が広く世に知れ渡る時が来た!と多大な期待をしながら迎えた 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。見終えた現在の気持ちとしてまずは、とても鶴巻和哉監督らしさの溢れる映像を再び見られたことが嬉しかった。
鬱屈を抱えた青少年がパッション全開で大人たちに反目する眩しさ、主人公マチュと、謎の長身少女ニャアンや不思議少年シュウジとの先が気になる危うい関係性、疾走感あふれる立体的機動の超絶バトル、そしてそれらを彩る軽快なボーカルサウンド。
『フリクリ』『トップをねらえ2!』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で培われた愛と情熱とテクニックが出し惜しみなく全力で詰め込まれており、鶴巻和哉監督の新たなフィルムが産まれ落ちた感慨でいっぱいである。
気になったのが庵野秀明氏が脚本・コンテを務めたパートの存在。面白がって見てしまったのも事実だが、本編パートとかなり雰囲気を異にするものなのでそこはもっと短くてもいいんじゃないかと思ったし、「俺は鶴巻和哉監督のアニメを見に来たのだが…?」と困惑させられた。
とはいえこのパートがあるからこそ映画としてのリズムが生まれているとも思えたし、スタジオカラーが制作する意味性が表れている。こんなに臆面なく「オタク」できるのはやはりスタジオカラー最大の武器と言えるだろう。ガンダムの看板でなければ描けないロボットアニメを真剣に描いている点は高く評価したい。
というわけでちょっとした引っかかりは覚えたものの、新作ガンダムとしてこれだけ楽しみな作品は富野由悠季総監督による『Gのレコンギスタ』以来なかったし、シリーズ序盤を見た今もその気持ちに変わりはない。テレビ放送が始まるのが今から楽しみで仕方ない。
最後になるが、この機会に『フリクリ』をテレビ特番で流してくれてありがとう日本テレビと米津玄師(嬉しくて思わずツイートしたらここまでバズるとは……)。
米津玄師がフリクリ愛を語ってくれたおかげで地上波TVでフリクリの映像が流れてるやばい pic.twitter.com/Yt9kcAcfRN
— マッツ・ユウキ (@yukkii22) 2025年1月18日
2024年映画ベスト10
2024年映画ベスト10
- ロボット・ドリームズ(アニメ/フランス・スペイン)
- ルックバック(アニメ/日本)
- トランスフォーマーONE(アニメ/アメリカ)
- 落下の解剖学(実写/フランス)
- ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ (実写/アメリカ)
- ツイスターズ (実写/アメリカ)
- シビル・ウォー アメリカ最後の日 (実写/アメリカ)
- エイリアン・ロムルス (実写/アメリカ)
- マッドマックス:フュリオサ (実写/オーストラリア、アメリカ)
- ウマ娘 プリティダービー 新時代の扉 (アニメ/日本)
次点
【実写】オッペンハイマー/チャレンジャーズ/哀れなるものたち/密輸1970/ジャワーン/悪は存在しない/ラストマイル
【アニメ】インサイド・ヘッド2/リンダはチキンを食べたい/きみの色/化け猫あんずちゃん/傷物語 こよみヴァンプ
今年は新作57本、旧作54本を観賞。2023年のストが尾を引いてるためにハリウッドの新作が少なく、その分旧作の再上映やリマスター上映を多く見る年だった(配信でもかなりの数を見た)。
そんな中で決めた、洋画とアニメが好きな自分なりの2024年ベストは上記10本。ベストに入れるか迷った次点も多いので好みの作品が多い年だったように思う。
来年以降洋画が盛り返すかというとおそらくそんなことはなく、一層の洋画離れ・劇場観賞離れが進みそうだが、2025年もなるべく劇場での観賞を続けていきたい。
各作品の短評はフィルマークスに掲載中。
最後に、今年見た旧作ベスト10はこちら。インターステラーのIMAX再上映は毎年やってほしい。
- インターステラー
- ターミネーター2
- ゴジラVSビオランテ
- グラディエーター
- 海が聞こえる
- 十二人の怒れる男
- 14歳の栞
- バジュランギおじさんと、小さな迷子
- 楽園追放 -Expelled from Paradise-
- ダッカーとデイル
任天堂への思いが込み上げる! 一度では楽しみ切れない「ニンテンドーミュージアム」観覧レポート&攻略法
今年10月に京都府宇治市小倉町にオープンした「ニンテンドーミュージアム」。関東圏から行くには少々遠いものの、11月5日に大阪で「トミフェス」という、私が偏愛して止まない富野由悠季監督作品『Gのレコンギスタ』ファンの奇祭集いが開催されることを思い出し、両方行けば新幹線代は実質無料じゃん!と思いついて足を運ぶことにした。
ゲーム会社には珍しい常設展示施設ということで開館前から大変楽しみにしていた「ニンテンドーミュージアム」。行ってみて自分が読み取った建設意図は「任天堂のものづくりの歴史と思想を、体系的な展示を目で見て、特製ゲームを実際に遊んで、もっと任天堂を好きになってもらうための施設」というものだ。
とはいえこれはあくまで自分の想像でしかない。通常の博物館や展示会にあるような、開催側によるメッセージや各展示品の解説さえないのだ。観覧者それぞれが見たものを調べて、感じ取るしかないというのはやや高度にも過ぎるが、何も言わなくとも楽しんでくれるだろうという観覧者への信頼の篤さも感じる(ファンとしては、ここでしか読めないテキストも楽しみだったのだが笑)。
ここからは館内の様子を、写真を交えながらレポートしてみる。
中庭
敷地内に入るとまず広がっているのが中庭だ。点在するフォトスポットは広い空間ごと楽しんでほしいという意図だろう。
本館と別館
建物は展示施設・ゲームプレイ施設・グッズ売り場を有する本館と、食事と花札体験ができる別館で構成されている(外観がわかるミニチュアは本館1階に展示されている)。
本館入場→2階へ
ルート的には本館1階のゲートを通過して、エスカレーターで2階から入場する形(すぐに2階に行かず、ゲート前の受付で花札体験の予約や、グッズ売り場に直行もできる)。
2階に入るとミュージアムのメインである展示施設になっており、任天堂の歴史が「遊び」「商品」を軸に体系的に展示されている(なおここでの写真撮影は禁止)。任天堂についてはまあまあ詳しいつもりでいたが、見たことも聞いたこともない商品が大量に展示されていて驚かされたし、思い入れのあるハード・ゲームの前では長く足を止めて思い出に耽ってしまった。
時間の都合もあって1時間弱ざっと見ることしかできなかったが、半日いても飽きないほどの展示量だった。
本館1階

1階はゲームプレイ施設になっていて、来館時に付与されるコインを使って遊ぶことができる(この1階施設と2階展示施設は自由に行き来できる)。アナログ時代から続く歴代の任天堂商品を今の技術を交えて復活させた、ここだけのゲームばかりなのでテンションが上がらないわけがない。
自分が遊んだのは「しぐれでんSP」「ウルトラマシンSP」「ラブテスターSP」「ゲーム&ウォッチSP(ボール)」「ビッグコントローラー(スーパーマリオワールド)」の5つ。1番のおすすめは、十字キーとボタンを二人で分担してプレイする「ビッグコントローラー」だ。
並んでいる間に前列の人たちのプレイも見えるので「こんなの楽勝だろう」「なんでクリアできないの!?」なんて思っていたが、見るとやるとでは大違い。大画面を見ながら、十字キー役の人と意思疎通しながらボタン操作するのはあまりにも難しく、あっという間に制限時間の2分半が終わっていた。ままならなさは楽しかったが、何とかクリアしたかった……。
「ビッグコントローラー」はファミコン、スーパーファミコン、64、Wiiリモコン、バランスWiiボードが用意されており、スーパーファミコンだけでも『スーパーマリオワールド』『スーパーマリオカート』『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』が選択できるようになっていた。全てを体験、ましてやクリアするには何度も来館しないといけなさそうだ。
別館
最後に紹介するのが別館。1階はカフェになっていて飲食ができるようになっている。カフェのメインディッシュであるハンバーガーは、自分でセレクトしたオリジナルバーガーが食べられるそうだ(時間の都合で残念ながら今回はパス)。カフェ内に展示されている『ゼルダの伝説』ステンドグラスは必見!
2階は花札体験施設になっていて、花札遊びと花札作りができる(入場後に有料の時間指定予約が必要)。自分の体験した花札作りは、配布される紙素材と施設内の画材を使って、昔ながらの手法で花札を作ることができるというもの。花札作りの難しさと、自分の絵筆使いの拙さをとことん味わわされた。
口を開けてれば遊びが降ってくる現代社会に甘やかされてるだけじゃだめだよね……人間のもつクリエイティブ心を忘れないための施設だと感じた。
反省点と、これから行く人に伝えたい攻略法
今回は4時間滞在したのだが、展示施設はじっくり見れず、一番遊びたかった「ザッパー&スコープSP」もプレイできずと、とにかく時間が足りなかった。さらにはグッズ売り場でも目当てのコントローラー型ビッグクッションも買えず。一度で体験しきれない予想を立てていたとはいえ、反省点も多く残る観覧となった。
自分への備忘録&これから行く人のため、いくつか攻略法を残しておきたい。
- ビッグクッションは今回入場した祝日の13時時点で64コントローラーしか残ってない状況(夕方にはそれも完売)。度々再入荷しているようだが、確実に入手するには早い時間に入場して、観覧前に購入する必要がありそうだ。
- 花札体験予約を後回しにしていると予約が埋まる。体験したいものがあれば、入場したら本館1階受付ですぐに予約を。
- ゲーム体験は夕方になるほど混む(ミュージアムのチケットは入場時間指定の予約制だが、滞在時間の長い客が多いせいか、夕方に近づくほど館内人口が増えるため)。展示施設にはいつでも戻れるので、目当てのゲームを先にプレイした方がいい。
- 任天堂が好きな人ほど、展示施設で時間が溶ける。滞在時間には余裕を持つこと。
- 解説が何もないので、任天堂好きと行った方が詳しいことがわかる(とはいえ何も知らずに行っても楽しいはず!)
- 複数回行くのを前提にして欲をかかないこと。見る/遊ぶものを絞って次回にまわすのも手。
レポート&攻略法は以上!
長々と書いてみたが、ここは色々な楽しみ方が見つけられる施設。みんな実際に行って学んで、何度も足を運ぶべき。自分も近いうちにまた行って、今度はじっくり展示物を観賞したいと思う。
ファイナルファンタジー16をプレイしたらリアスピーカーSA-RS5の音質が向上して天井から水滴が落ちてきた件
今更ながら、昨年発売の『ファイナルファンジー16』を購入した。
Amazonで激安だったのでもうすぐ『ファイナルファンタジー7リバース』発売なのでテンション上げようと思って買ったのだが、始めてみると「声がぼわぼわ反響っぽく聞こえる」「後ろから音が聞き取りづらい」というのが気になった。
以前本ブログで書いたように、現在「サウンバー HT-A5000」「サブウーファー SA-SW3」「リアスピーカー SA-RS5」という構成で視聴環境を整えているのだが、「天下のFFがこんな音で妥協してるわけがない!」と思い、このゲームをベンチマークとして音響設定を見直してみた。
結論から書くと、以下の設定に変更したことで最適化できた。
PS5の設定
HT-A5000(SA-RS5含む)の設定
- 設定する→詳細設定→マニュアルスピーカー設定(距離、側壁までの距離、天井までの高さを入力)
ボワボワ聞こえた件については、PS5の3Dオーディオが邪魔していたらしく(本体機能で独自に3Dっぽく聞こえるようにする設定のよう)、OFFにしたら聞こえが良くなった。
また後ろからの音が聞き取りづらい件、これは以前から映画鑑賞時などに気にはなっていたのだが、SA-RS5のAmazonレビューを見ると同様の指摘があったのでまあ機器の性能がこんなものなのだろうと思い込んでいた。しかし今回は「もしかして音場設定がうまくいってないのでは?」と勘繰ることにして、通常は機器がオートで行ってくれる音場設定を、わざわざ部屋内の機器間距離をメジャーで測って入力してみた。するとどうだろう、めちゃめちゃ音が立体的に聞こえる!!
音で敵の位置がわかるだけでなく、何より驚いたのが敵の砦に入った時の出来事。なんと天井から滴ってくる水滴の音が本当に上から聞こえる!!びっくりして思わず天を仰いでしまった。音響機器はとことん設定を追い込むのが大事だと、改めて思った次第。
FF16のおかげで音響機器設定を見直せたので、これからの自宅映画鑑賞が楽しみで仕方ない。もちろんFF16をプレイするモチベも上がったし、FF7リバースも最高の環境で楽しめそうだ。
地デジ・Switchのボケ感を解消するBRAVIAの「リアリティークリエーション」機能が優秀すぎるのでダンジョン飯で検証してみた
先日アップした2023年振り返り① 買ってよかった編(家電、デジタルゲーム、ボードゲーム) - ユウキズ・ダイアリーの追記。
前述の記事でSONYの4K有機ELテレビ BRAVIA「XRJ-65A80K」を取り上げた際に「地デジのボケ感が気になる」と苦言を呈したのだが、その後「SONYの技術力ならもうちょい何とかなるんじゃないのか?」と訝しんで設定をいじったところ見事に解消することができた。前言撤回の意も込めて記事として残しておく。
まずどうしてボケ感が生まれるかについて書いておくと、映像がくっきりはっきりするかはテレビサイズと映像ソースの解像度(画素数)に左右される。代表的な解像度を挙げると以下の通り。
- DVD:720×480
- 地上デジタル放送:1440×1080
- BSデジタル放送、Nintendo Switch、アマプラ(HD)、Netflix(HD):1980×1080
- PS5、アマプラ(4K)、Netflix(4K):3840×2160 ※Amazonプライムビデオ、Netflixは映像作品や契約形態によって解像度が異なるので注意
数値だけだとわかりづらいのでこちらの記事中の図を参照してもらうと良いのだが、ようは4Kテレビに対してSwitchやアマプラは28%程度、20%程度しか解像度がないので、テレビ側が頑張ってアップコンバートしているのである(単に拡大表示するだけでなく、良い感じに見えるよう画像処理しているらしい)。
とはいえアップコンバートにも限界があるので、どうしても低い解像度の映像はボケっとした映像になっていた(くもりガラスを1枚挟んでるような感じで、主線がにじんでしまう)。
そしてこれに対抗する機能が何かないものか、と設定をいじっていたところようやく辿り着いたのが「リアリティークリエーション」だ。
DRCとは 「デジタルリアリティクリエーション」 ディーアールシー: - IT用語辞典バイナリ
このリアリティークリエーションは標準では「オート」になっているのだが、「マニュアル」に切り替えることで0~100まで設定することができる(標準値は画質モード「スタンダード」で65、「シネマ」は20)。あまり高い値にするとノイズが乗ってくるため、同時にデジタルノイズリダクションもいじる必要があり苦慮したが、最終的に以下の設定に落ち着いた。
- DVD(720×480):リアリティークリエーション「50」、デジタルノイズリダクション「中」
- 地デジ(1440×1080):リアリティークリエーション「70」、デジタルノイズリダクション「中」
- Switch、アマプラ(HD)等(1980×1080):リアリティークリエーション「50」、デジタルノイズリダクション「弱」 ※DVD映像はリアリティークリエーションを最大値まで上げたいところだったが、ノイズが乗り過ぎてしまうので低めに設定せざるを得なかった
以下は検証用にテレビ映像をスマホで直撮りしたもの。
スマホからだとパッと見わからないレベルなので拡大画像もあげておく。


地デジDR録画をリアリティークリエーション0→80で比較。手前のデカライオスの主線のにじみが消えて、後ろのちっちゃい冒険者たちの輪郭がはっきりしてるのがわかるかと思う。
ささいな違いに思えるかもしれないが、実際の65型の大画面で見ると「視力が上がったか!?」と錯覚するほどの劇的な違いだ。ボケ感が気になってるBRAVIAユーザーの方には映像設定を見直してもらいたいし、未所持の方には買い替え時の検討事項にしてもらいたい。
というわけでBRAVIA XRJ-65A80Kへの不満がなくなったので心の底から言えるようになった。買ってよかった!
2023年振り返り② 見てよかった編(映画、アニメ、ドラマ、バラエティ)
昨日の「買ってよかった編」に引き続き、2023年の見てよかったを振り返ってみる。
映画ベスト10
- スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
- キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3
- ゴジラ-1.0
- ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
- トランスフォーマー/ビースト覚醒
- マイ・エレメント
- ダンジョンズ&ドラゴンズ
- 窓ぎわのトットちゃん
- 君たちはどう生きるか
次点:『長ぐつをはいた猫と9つの命』『BLUE GIANT』『TAR/ター』『ライオン少年』『最後まで行く』『シン・仮面ライダー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『パーフェクト・ドライバー』『怪物』『イニシェリン島の精霊』『ザ・フラッシュ』『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話』
今年見た新作映画51本の中からベスト10を選んでみた。CGアニメ映画は傑作揃いだったが中でも頭いくつも抜けていたのがスパイダーバースシリーズ2作目の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』。スピード感と物量とエモさで前作の更に上を行く最先端の映像作品に進化していた。あまりにもピーキーなので人を選ぶかもしれないが、好きなものは好き。スコセッシ監督の新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は目を背けたくなるような重たいノンフィクションが題材にも関わらず、軽妙でハイテンポな語り口に有無を言わさず圧倒された。試写会で解説トーク込みで見れたのも得難い体験だった。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』はジェームズ・ガン監督のMCU最終作。前作から一転、ロケットを主役に据えた復讐劇に涙。カラフルな宇宙服や擬人化動物星の寂れっぷりなどセンスオブワンダーが随所に光る。MCU作品の中ではトップクラスに好き。他短評はフィルマークスにて。
ユウキさんの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
アニメベスト
例年なら話数別にあげるところだが、今年は正直なところ各作品を通しで見切れてないので語る資格なし状態。作品別として上記作品をあげるに留めておく。
ドラマベスト
- ロキ シーズン2
- アソーカ
- マンダロリアン シーズン3
- VIVANT
ドラマ、特に地上波は全然見れてないのだけれど、『VIVANT』の地上波ドラマをはるかに超えるスケール感には毎週ワクワクさせられた。MCUドラマ初の2シーズン目を果たした『ロキ』は、これはもうMUCマルチバースもの完結編てことでいいんじゃないかな。『アソーカ』も『マンダロリアン』も不満がないわけではないけれど、アニメシリーズ『反乱者たち』を今年になって全話見たのも含め、SWに楽しませてもらった一年だった。
バラエティ番組ベスト
- オールスター後夜祭'23秋
- 水曜のダウンタウン「名探偵津田」「スベリ-1GP」
- ニッポンおもひで探訪
- 祓除
昨年末に見た『このテープもってないですか?』『カワシマの穴』に感化されてか、特に今年後半は各局のモキュメンタリーが熱かった。中でも『このテープ~』と同じく大森時生プロデュースの『祓除』は、事前番組→テレビ東京開局60周年の生イベント→事後検証番組という3段構えのホラーモキュメンタリーという特殊仕様。イベント配信という後に残らない映像番組ならではの仕掛けにゾッとさせられた。
ここ数年テレビ番組の逆襲が始まっているのか、エッジの効いた番組が次々と生まれているので来年も注目していきたい。
年明け一発目は佐久間宣行の『日本怪奇ルポルタージュ』に期待。
以上! よいお年を。
2023年振り返り① 買ってよかった編(家電、デジタルゲーム、ボードゲーム)
今年は春先の引っ越しに伴い必要なものをばたばたと買いそろえてたら終わっていた1年だったので、まずは買ってよかった家電とゲームについて振り返ってみる。
買ってよかった家電
今年唯一気合を入れて書いたのが4K有機ELテレビについての記事。なんだかんだ言って今も生活の中心にあるので大変役に立っているが、使っていると65型は非常に難しいサイズだとも実感する。
地上波番組を見たりSwitchのゲームをやるには画面が大きすぎるし(画像がボケる、映像の密度が低い)、4K UHDやディズニー+で4Kの映画を見ても迫力がもう一つ足りない。となるとPS5ソフトをやるしかないわけだがそこまでプレイしなかったという……。もし10年後に買い替えを検討するときは地上波&ゲーム用の55型と、映画用のプロジェクターを用意する気がする。
などと書きながらふと調べてみたところ、最近のアップデートで画面サイズ調整機能が搭載されていた!!
大画面TVでFPSプレイしやすく、ソニーブラビア「画面サイズ調整」体験してみた - AV Watch
これは朗報。とはいえゲームモード限定の機能。Switchソフトの映像ボケ対策にはなるので嬉しいが、是非地上波放送にも適用できるよう更なる改善を図ってほしい。
※1/3追記:もうちょいどうにかならないかと画質設定を見直していたところ、リアリティークリエーションをオートから80に変えたら地上波の画質ボケが劇的に改善!もっと早く設定していればよかった
※1/8追記:リアリティークリエーションについて記事にまとめたので詳しくはこちらを参照してもらいたい
花粉のひどい時期、雨の多い時期、昼間に洗濯をさぼったときなど、浴室で洗濯物を乾かすときにいつも最高のパワーを発揮してくれた。生活していて一番助けられたのはこの除湿器かもしれない。
- こたつ(ニトリ リビングこたつ)
春夏はテーブルとして、秋冬はこたつとして活躍してくれている。末端冷え性には神。おかげでこの冬は未だにエアコンを使わずに済んでいる。
- コリコランワイド
年の瀬に電車内広告を見て衝動買いした期待の肩こり対策マシン。使用し始めて一週間ほどなのでまだ実感は薄いが、首を回すとバキバキなり始めたので多少血行が良くなってきてるのだと思う。半年後、1年後に再検証したい。
買ってよかったデジタルゲーム
後述のボードゲームとの差別化のためにデジタルゲームとしておく。
今年はほとんどデジタルゲームを遊べなかった。新生活への移行に時間を使った、英語学習を始めたので余暇が減った、暇さえあれば昨年から引き続きスマホゲーの『マーベルスナップ』ばかりやっていた、そもそも金がない、など言い訳はいくらでもできるが……年末になっておおいに反省。
そんな中でも時間を割いて遊んだのが上記3本。特に『ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム』は他の時間を犠牲にして1か月ほど一心不乱にプレイしてクリアした(その前月には前作『ブレス・オブ・ザ・ワイルド』をリプレイしたので2か月ゼルダ漬けだった)。前作はこれまでの人生のベストゲームと思ったものだが、今作も甲乙つけがたい面白さ。世界の広がり、ダンジョンの巧妙さ、物語の感動は確実に前作を超えていると思う。クリアを優先して放置したクエストは多いので、来年は時間を作って落ち穂拾いを行いたいところ。
『ピクミン4』はやめ時がなく一気に遊んでしまったので面白かったのは確かなのだが、プレイ感が他のゲームに例えようがないのでどう面白いのか説明し難い。やることが多すぎず少なすぎず、コンプを狙いやすいところが好き。あとオッチンが可愛い。
『スイカゲーム』の中毒性は危険レベル。新規パズルゲームで久々にハマった。
来年はどれだけできるか……23年のやり残しゲーム『FF16』『スパイダーマン2』『アーマードコア6』『ホグワーツレガシー』『バルダーズゲート3』『スーパーマリオワンダー』『スーパーマリオRPG』『デイヴ・ザ・ダイバー』を遊んでから前に進みたい。
買ってよかったボードゲーム
- Splendor MARVEL
- チャレンジャーズ!
- スターウォーズ/クローン・ウォーズ
最後にボードゲーム。今年はコロナを気にせずボードゲームやるぞと決めていたので各所に顔出したり自分で主催したり、とにかくボードゲームを遊ぶ場所を作った。そんな中で最も遊んで気に入ってるはが上記3本。
中でも『Splendor MARVEL』はこれまで遊んだ中で一番好きなボードゲームかもしれない。人気の拡大再生産ゲーム『宝石の煌めき』をベースに、マーベルキャラクターに変更&ルールに多少アレンジが加わったもの。マーベル好きには堪らない傑作。最近韓国限定のポケモンバージョンも発売されたと聞いたので、なんとか輸入してプレイしたい。
『チャレンジャーズ!』は今年発売するやいなや大人気のデッキ構築対戦ゲーム。最大8人で疑似カードゲーム大会を開いて最強を決める――ただし戦闘は超シンプルな坊主めくり方式、という枠組みとデッキ構築にしぼったデザインが美しい。
『スターウォーズ/クローン・ウォーズ』はパンデミックのスターウォーズ版。スターウォーズ好き同士で遊んだら楽しくないわけがない。
未プレイゲームはまだ山と積まれているので、来年も積極的にプレイしていきたい。
明日は「見てよかった編」を更新予定。