【現在】新利根川の水面を覆い尽くすナガエツルノゲイトウ。収穫をひかえる水田でも繁殖し農作物が大打撃を受ける可能性も 【’14年】11年前の新利根川の様子。上の写真とほぼ同じ場所だが侵略植物が繁殖していないため風景がまったく違う(Googleストリートビューより引用) 世界中で大きな問題に 驚くべき繁殖力で水面を覆(おお)いつくす水草の大群――。この夏に全国各地で大拡大した、地球最悪の侵略植物と呼ばれる「ナガエツルノゲイトウ」だ。写真は、茨城県河内町を流れる新利根川の風景を一変させた侵略植物の群れである。近くでコメ農家を営む50代の男性が嘆く。 「もう手の打ちようがありません。水田の中でも増殖して、抜いても抜いても根っこや茎(くき)の一部からすぐに再生してしまいます……。流入を防ぐために用水路の水栓にネットをつけていますが、細かい草の一部がすり抜けてくる。除草剤も田植え後には使えず、収穫する
