世界最大のファスナーメーカー、YKKの幹部たちは2月、年次予算会議のために富山県黒部市に集まった。例年であれば、カラオケや同僚との夕食会といった懇親の時間も設けられるが、今年は様子が違った。 世界貿易が崩壊の瀬戸際にあるかもしれないという懸念が広がる中、会議は非公式な「国際貿易の行方」に関する審判の場となった。 トランプ米大統領は政権2期目の発足後程なくしてコロンビアからの輸入品に対し25%の関税を課すと発表したものの、すぐにこれを撤回した。 その後、中国からの輸入品に20%、カナダとメキシコからの輸入品には25%、さらには輸入する全ての鉄鋼とアルミニウム、自動車に25%の関税を課す方針を示した。カナダとメキシコには1カ月の猶予が与えられたが、それ以外の措置は実施される見通しとなった。
