2024年6月下旬、米国スケート連盟(U.S. Figure Skating)が「フィギュアスケートの音楽著作権処理に関する方針」(“U.S. Figure Skating Music Policy”)を示しました。この方針を通じて米国スケート連盟は、米国内のスケーターやコーチ、振付師に対して、プログラムで使用する音楽著作権のクリアランス[註1]を、自らで適切に行うように要請しています。まだこの方針については、同連盟に所属するスケーターたちに対して内示されているに過ぎないため、依然として情報が乏しい状況です。しかし、今回の事態の重要性と緊急性に鑑み、本稿では現時点(2024年7月7日)で明らかになっている一次情報に基づいて、今回米国スケート連盟が出した方針の要点と、同連盟の方針が今後、全世界のフィギュアスケート界に与え得る影響について、著作権研究者の立場で解説および提言を致します。 1.