駅がもし語れたら、私たちに何を話してくれるだろう。 北海道北部 稚内市にあった「抜海駅(ばっかいえき)」はことし3月、100年を超える長い歴史に幕を下ろした。 1世紀にわたり、この地を見守り続けてきた駅は、どんな物語を見てきたのだろうか。この地に嫁いできた女性の半生。戦争に赴くため、万歳で見送られた少年。駅近くで起きた凄惨な殺人事件。 そして、何もなくなった“最北の秘境駅”に何かを求めて訪れる旅人たち。 「抜海駅」が廃止されるまでの1か月、駅の記憶に寄り添った。 (稚内支局記者・奈須由樹/札幌放送局ディレクター・長谷川悠)
