このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 ハンガリーのブダペスト工科経済大学とカナダのセントメアリーズ大学に所属する研究者らが発表した論文「Building a monostable tetrahedron」は、どの面に置いても必ず特定の1つの面を下に転がり着地する四面体の物理的実現に成功した研究発表だ。 1966年、数学者のジョン・ホートン・コンウェイとリチャード・ケネス・ガイが「均質な四面体は、どんな形状であれ、少なくとも2つの面で安定して立つことができるか」という問題を提起した。今回、この問題への回答となる「単安定四面体」の実用モデル製作に成功した。 単安定四面体とは、たった1つの面でし
