朝が苦手でも続く「SAVERS」——1週間試してわかったこと

アファメーション・視覚化・ジャーナリングを記録したノート

アファメーション・視覚化・ジャーナリングを記録したノート
※記事内の実践画像はすべて筆者が作成した

スヌーズを繰り返してなかなか起きられない。朝からダラダラとスマホを見てしまう。気づけば出社ギリギリで、1日が慌ただしく始まる——。そんな朝を変える方法として注目されているのが、SAVERSという6つの朝習慣です。

こうした「時間に追われる感覚」を手放せないと、朝を有意義に過ごすのは難しいもの。ですが、朝時間の主導権を自分で握ることができれば、その日1日の過ごし方が変わります。

とはいえ、いきなり「1時間早く起きる」のはハードルが高い。最初から完璧を目指す必要はありません。

本記事では、忙しい朝でも6分あればできるSAVERSの具体的なやり方と、筆者の実践結果を紹介します。

SAVERSとは?——6分でできる朝のメソッド

SAVERSとは『The Miracle Morning』の著者ハル・エルロッド氏が提唱した、人生を劇的に変えるとされる6つの朝習慣の頭文字です。*1

頭文字 内容
S Silence(沈黙)
A Affirmations(肯定的な言葉)
V Visualization(視覚化)
E Exercise(運動)
R Reading(読書)
S Scribing(書くこと)

本来は1日30〜60分かけて取り組むのが理想ですが、忙しい朝は各メソッドを1分ずつ、合計6分でもよいとされています。*1

大切なのは「完璧より継続」。どれだけ長い時間を割いたかよりも、短くても毎日続けることに意味があります。

6つすべてを1分ずつ行なえば、合計6分。これなら続けやすいはずです。

本とコーヒーがある朝の窓辺の様子

SAVERSの6つの習慣

それぞれの習慣を、筆者の実践を交えながら紹介します。

筆者は取り組みをノートに記録しながら実践しました。

筆者が用意したノートの見開き

筆者が用意したノートの見開き
※記事内の実践画像はすべて筆者が作成した

1. Silence(沈黙=瞑想・深呼吸)

最初のステップは、呼吸に集中したり瞑想したりして、「いまこの瞬間」に意識を向けることから1日を始めます。

エルロッド氏は「最初の1分間は静かに座り、穏やかに『目的のある沈黙』を楽しむ」ようすすめています。*1

アラームに急き立てられて1日をスタートするのではなく、「自分が朝を始める」感覚を取り戻すステップです。

🌿 1分でできる深呼吸

5秒吸う → 5秒吐く × 6回 = 1分
リズムに集中すると雑念が消えやすい

筆者はこの深呼吸を実践しました。座っても横になったままでもOK。自分に合ったスタイルを探してみてください。

2. Affirmations(肯定的な言葉)

アファメーションは「自分に語りかけるポジティブな言葉」です。エルロッド氏は、以下の3点を声に出して読み上げることをすすめています。

💬 アファメーションのポイント *1

  • 何を実現したいか
  • それが重要な理由
  • そのために取る行動

朝いきなり取り組むのはハードルが高いので、事前に書き出しておくのがおすすめです。

筆者は、3つのポイントについて自分の課題を整理し、読み上げる文を準備しました。

筆者が書き出した「アファメーション」

筆者が書き出した「アファメーション」

筆者が書き出した「アファメーション」

読み上げ用に3つに分けて書き出したもの

3. Visualization(視覚化)

アファメーションで声に出した内容を、具体的にイメージするステップです。

  • 目標が実現したときの状況や、そのときの自分の感情
  • それを実現させるために、今日やるべきこと

📘 イメージ例

  • 資格試験に合格し、キャリアアップにつながった状況。喜びと達成感に満ちた自分。
  • そのために、毎朝5問解き、毎晩見直しをしている様子。

エルロッド氏によれば、「最高の気分と最高の光景を『見て、感じる』ことで、自分の能力の高さを思い出し、自信を新たにすることができる」といいます。*1

アファメーションで言葉にしたことを、視覚化で具体的にイメージする。この積み重ねが、日々の行動を変えていくのです。

4. Exercise(運動)

軽いストレッチやヨガ、数分の筋トレなど、手軽にできる運動を行ないます。朝に体を動かすことで血流が促進され、脳が活性化します。

筆者は寝起きに腰や背中が硬くなりやすいので、背中を丸めて伸ばすストレッチを取り入れました。慣れてきたら、軽い腹筋やもも上げなど心拍数を上げる動きを加えるとより効果的です。

朝にストレッチをする男性

5. Reading(読書)

読書は数ページで十分。毎日続ければ1年で数冊読めます。

📚 本の選び方 *1

  • 新しい視点が得られる本
  • 仕事や人間関係に役立つ本
  • 人生をよくする知識が得られる本

筆者は『人は考えたとおりの人間になる』(田畑書店)を毎日見開き2ページずつ読むことにしました。1ページの文量がコンパクトで、朝の短い時間に読むのに最適だと思ったからです。

6. Scribing(書く = 日記・ジャーナリング)

最後のステップでは、振り返りや感謝リスト、今日やりたいことなどを数行書きます。書くことで頭を整理し、自己認識を高めていきます。

筆者は読書で得た学びを振り返り、記録することにしました。

ここまでのステップを書き込んだノート

アファメーション・視覚化・ジャーナリングを記録したノート

たくさん書こうとしなくてもかまいません。数行でも、書いて読み返す習慣が大切です。

SAVERSを1週間実践してわかったこと

筆者が1週間実践して気づいたことをまとめます。

✨気づいたこと

  • アファメーションが具体的であるほど視覚化しやすい
  • 6つ全部できなくてもOK。1つでもやれば「朝を自分で始めた感覚」が得られる

朝イチの仕事で5時半起きの日など、6ステップすべてをこなすのは難しいときもありました。しかし、どれか1つでも実践すると、アラームに急き立てられるのではなく「自分で1日を始めた」という実感が得られました。

すべてを完璧にこなそうとせず、まずはできる範囲で取り組むのがコツです。

SAVERSに関するよくある質問

Q. 6つ全部やらないと意味がない?

いいえ。1つでも実践すれば効果はあります。まずはSilence(深呼吸)だけから始めて、慣れてきたら増やしていくのがおすすめです。

Q. 順番は守らないとダメ?

厳密に守る必要はありません。ただし、Silence(沈黙)を最初に行うことで心を落ち着けてから他のステップに入れるため、Sから始めるのが推奨されています。

Q. 朝が苦手でも続けられる?

1分ずつ、合計6分からスタートできるので、朝が苦手な人でも取り組みやすい設計です。起きる時間を早める必要もありません。

Q. どのくらいで効果を実感できる?

個人差はありますが、1週間ほど続けると「朝の過ごし方が変わった」という実感を得やすいです。習慣として定着するには1〜2ヶ月を目安にしてください。

カーテンからのぞく光を浴びる女性

***
時間に追われる朝から、自分で始める朝へ。SAVERSは、そのきっかけを与えてくれます。

まずは朝の1分間、深呼吸から始めてみませんか?

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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