拭えない不信、「猛省」うたったが… 自民、裏金関与の37人を公認
昨年の参院選で衆参ともに少数与党に転落した自民党が「不信の底流」と位置づけたのが、裏金問題だった。しかし、今回の衆院選では問題に関わった議員を公認し、比例復活も認める方針に転じた。問題発覚から2年。この間、党トップらの発言はどのように変わってきたのか。有権者の疑念は解消されたのか。
裏金問題を語らず 解散表明の高市首相
「自民党自身も変わらなければなりません」
衆議院の解散を表明した19日、高市早苗首相はこう述べ、「責任ある積極財政」など政策の実行への意欲を示したが、裏金問題には触れなかった。
その2日後の21日、自民は衆院選の公認候補を発表。裏金問題に関与した37人が含まれていた。
裏金問題が発覚したのは2023年12月。安倍派や二階派(いずれも当時)が主催した政治資金パーティー券について、所属議員がノルマを超えた売り上げを派閥からキックバックされたり、中抜きしたりしていたが、それらを政治資金収支報告書に記さず、「裏金化」していた。
当時、自民党総裁でもあった岸田文雄氏は現職首相として初めて、衆院政治倫理審査会に出席。派閥幹部らも政倫審で弁明したが、裏金づくりが始まった経緯や詳細な裏金の使い道などは明らかにならなかった。
自民は24年4月、問題に関わった85人のうち、派閥幹部や過去5年間の不記載額が500万円以上の計39人を役職停止や戒告などの処分にした。岸田氏は処分にあたり取材に語った。
「深刻な政治不信を引き起こしたことに心からおわびする」
その岸田氏は8月、裏金問題への「けじめ」をつけると強調し、退陣した。
代わりに総裁になったのが石破茂氏だった。
2024年衆院選では12人を非公認
「問題を指摘された議員一人一人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げる」
石破氏は24年10月の所信表明演説でこう述べ、5日後に衆院を解散した。
当初は裏金問題に関与した議員の非公認に後ろ向きだったが、世論が強く反発。関わった46人のうち、12人を非公認とし、34人の比例代表の復活を認めなかった。
この時の衆院選で自民と公明党は、民主党政権が誕生した09年以来15年ぶりに過半数割れした。問題に関与した46人のうち、28人が落選、18人が当選した。
石破氏は衆院選から一夜明け、反省の弁を述べた。
「身内の論理あるいは党内の理屈を今後は一切排除し、『政治とカネ』については抜本的な改革を行う」
石破政権では、党から議員個人に渡され、公開義務のない政策活動費を廃止するなど、政治資金規正法が岸田政権に続いて再改正されたものの、25年3月末までに「結論を得る」としていた企業・団体献金の進展は見られなかった。「禁止より公開」を求める自民と、制限を求める野党との溝が埋まらず、昨年7月の参院選を迎えた。
自公は参院選でも過半数を割り、自民は2カ月後にまとめた選挙を総括する報告書で、裏金問題についてこう記した。
「国民の多くは、引き続き十分に納得していない厳しい現実がある」「自民党に対する不信の底流となっていることを厳しく自覚し、猛省をしなければならない」
新総裁となった高市首相は、不記載のあった萩生田光一氏を幹事長代行に、選挙を経ていない佐藤啓氏を官房副長官に起用した。11月の衆院本会議の初の国会論戦で、裏金問題に関与した議員についてこう述べた。
「様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力をしてきた。それぞれの(関係した)議員が丁寧に真摯(しんし)に説明を尽くしてきた」
そして、今回の衆院選。鈴木俊一幹事長はこの日、報道陣から関与議員を公認する理由について問われ、検察の捜査、党の調査や国会での説明などを踏まえ、「原則に戻した」と話した。そして続けた。
「我々はみそぎを受けて、この話はもう終了したと思ったらいけない」
「本人の口から経緯、聞いていない」 地元で厳しい声
裏金問題に関与したとして2…










































