野党第1党と第3党でつくる衆院で170人規模の新党が、「抜き打ち解散」で勢力回復を目指す政権与党の対抗軸になるのか。理念や政策を冷静に見つめたい。

 立憲民主、公明両党の代表が来月に投開票予定の衆院選に向け、新たな党を結成すると表明した。

 自民党と日本維新の会による「右に傾いた」高市早苗内閣に対し、「中道改革勢力の結集」を掲げて政権批判票の受け皿を目指すとしている。

 立公には参院議員や地方議員が残り、衆院選の候補者が新党に移る。国民民主党や自民「穏健派」にも参加を呼びかけるという。

 高市首相は23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する考えで、総選挙の公示は早ければ27日(2月8日投開票)になる見通しだ。

 物価高で国民生活が圧迫される中、「経済最優先で集中する」と繰り返してきた高市氏が、新年度当初予算案の成立を後回しにする解散に、「大義がない」「党利党略」との批判が強まっている。

 一方、発足から2カ月余りで期待値もあり、内閣支持率は6割台を維持する、1人勝ちの小選挙区で「野党がばらばらのままでは、高市人気に勝てない」との危機感が新党に結びついたのだろう。

 20年超に及んだ自公連立を踏まえ、地域によっては、小選挙区で1万~2万とされる組織票を有する公明との連携維持に期待していた自民内の衝撃も小さくない。

 衆院選の結果次第では、政界再編につながる可能性もある。有権者が納得できる公約や体制を整えられるかが問われよう。

 きのう立民の野田佳彦、公明の斉藤鉄夫両代表は党内の一任を取り付け、会談で新党に合意した。 

 公明が自民を見限る契機となった「政治とカネ」の不祥事を受けた企業・団体献金の改革や、選択的夫婦別姓の推進のほか、自維連立で加速する武器輸出の規制緩和、非核三原則の見直しなどに反対の論陣を張るとみられる。

 衆院選では、比例代表候補者の「統一名簿」を作って公明候補を優遇し、小選挙区からは撤退して立民候補を支援する方向という。

 公明は与党として衆参院選で大敗し、組織が先細りする中、今後の展望が見えなかった。立民も両選挙で伸びを欠き、執行部の責任論がくすぶる。

 衆院選は政権選択の機会だ。与党への反対だけでなく、責任ある政権構想と具体策を示さないと、国民から「選挙の互助組織」「野合」とみられるだろう。