しかし、ここ最近、医者の選択基準で「自由診療 > 保健医療」が当たり前、というのが大っぴらに言われてきた。
日本中の患者に世界水準の医療を届けるのを日本の医者は誇りに持っていた。
多少、旗色が悪くなってきたのは、10年くらい前か。
「高齢者の延命のために、現役世代を犠牲にするのか?」という論調。
そして、約5年前のコロナ。医者は、疲弊しきったが、世間も医者に対して、「高齢者の延命のために、経済をぶっ壊した」と医療を公然と叩くようになった。
そういう中で、自由診療という選択肢が医者の中で増えていった。
最近では、研修医を終えてすぐに美容医療にいく、いわゆる「直美」が増えまくっている。
国は医者を増やして新卒の医者を増やしているが、増えた分がそっくり直美に消えているという話もある。
ここ数年、とうとう保険診療の凋落と、自由診療の市場拡大が一線を超えた。
医者も、これまでの職業的なプライドや、患者の生命への誇りを失っている。
「俺たちがやってるのは、高齢者の延命のために現役世代の負担を増やしてるのか?」という疑問が公然と議論されており。
とうとう、「自由診療 > 保健医療」という論調にまでなってきた。
おそらく、客観的に色眼鏡をかけずに見れば、「自由診療 >>> 保健医療」なんだろう。
直美と馬鹿にされる時代から、「直保険診療」の方がおかしいと見られる時代になるのかもしれない。
保険診療は苦しく、今後もドンドンオワコンになっていくのが見えている。
なんなら、医療訴訟も年々締めつけが厳しくなっている。まともな医療を提供しても、訴えられたら終わりだ。
おそらく、患者への契約まわりを考えると自由診療の方がリスクは低いんじゃないかと思っている。
医療以外の世界では、「今後のびる業界に行け、ダウントレンドな分野にはいくな」というのは当たり前である。
もうあと数年で逃げ切りの爺さん世代や、専門医や博士をそろえて開業秒読みの人たちは、そりゃ保険診療でいいだろう。
しかし、これから、専門医を目指すだの博士をとるだのと資格を揃えに行くほど、若手に時間は無いと思う。
今この瞬間の自由診療行きのチケットを捨てるのは、若い世代ほど損だ。大損だ。
ここまで書いていて、厳しいなあと感じる。
この流れはもう止まらないだろう。