世界自然保護基金(WWF)ジャパンと中央大が、絶滅が危惧されて国際的に漁獲制限が行われているウナギに関する最新研究結果を公表した。それによると、世界各国で稚魚の違法取引が後を絶たず、日本国内で流通する中国産ウナギはこれまで主流だったニホンウナギだけではなく、北米原産種が多くを占めるようになった。世界中で繰り広げられている「ウナギ争奪戦」が犯罪組織の資金源になっているとの指摘もある。 「絶滅危惧種なのになぜ食べるのかと、和食の否定に結び付くことを危惧している」 WWFジャパンの植松周平氏はこう強調する。WWFによると、カナダでは2022年、許可された採捕量約10トンに対して約43トンのアメリカウナギの稚魚が香港に輸出されていた。政府が漁を許可しなかった24年も約42トンが輸出された記録もあるという。ハイチでは22年に稚魚100トンが香港に輸出されたとされるが、実態把握は難しいという。 世界的