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- 2024/01/30 掲載
OpenAI創業サム・アルトマンの知られざる半生、700社超に投資して導き出した成功哲学
連載:企業立志伝
1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者を経てフリージャーナリストとして独立。トヨタからアップル、グーグルまで、業界を問わず幅広い取材経験を持ち、企業風土や働き方、人材育成から投資まで、鋭い論旨を展開することで定評がある。主な著書に『世界最高峰CEO 43人の問題解決術』(KADOKAWA)『難局に打ち勝った100人に学ぶ 乗り越えた人の言葉』(KADOKAWA)『ウォーレン・バフェット 巨富を生み出す7つの法則』(朝日新聞出版)『「ものづくりの現場」の名語録』(PHP文庫)『大企業立志伝 トヨタ・キヤノン・日立などの創業者に学べ』(ビジネス+IT BOOKS)などがある。
創業者の人生とともに世界中のトップ企業の源流を探る『企業立志伝』をビジネス+ITにて連載中。
中学生でWebサイト制作、高校生で会社設立
サム・アルトマン氏は1985年、米ミズーリ州のセントルイスで4人兄弟の長男として生まれています。母親は皮膚科医で、8歳のときにコンピューターを与えられ、早くからプログラミングに興味があったようです。幼いころから「お前にできないことはない」と教え込まれて育ったため、アルトマン氏は弟から「現実離れして危険だ」と評されるほどの自信家だったとも言われています。
実際、数学や科学が得意で、プログラミングも得意だったアルトマン氏は、中学生のころには早くもWebサイトを作って広告収入を得ていましたし、高校時代には会社を作っていました。
スタートアップの登竜門「Yコンビネーター」に参加、スタンフォード在学中に起業
2004年、アルトマン氏はスタンフォード大学に入学。コンピューターサイエンスを専攻しますが、19歳のときに友人のニック・サヤー氏、エヴァン・レイチェル氏と一緒に携帯電話のGPS機能を利用して、友人同士の位置情報やステータスを共有できるアプリを開発する「ループト」(Loopt)を創業、大学は2年で中退しています。起業にあたり、アルトマン氏は後にCEOを務めることになる「Yコンビネーター」の面接を受け、2005年夏季創業者プログラムを受講しています。
Yコンビネーターとは、シリコンバレーの起業家養成スクールで、ヴァイアウェブ(Viaweb)を創業(後にヤフーに売却)したポール・グレアム氏らによって2005年に設立された企業です。
多くの応募者の中から「YCパートナー」の面接を経て合格した起業家たちは、3カ月に渡って、自分たちのアイデアを形にするプロダクトの開発を続ける傍ら、グレアム氏を始めとするYCパートナーたちの助言を受け、毎週、ゲストを招いた夕食会に出席します。そして3カ月を終える最後のデモ・デーで、起業家たちは投資家たちの前でプロダクトのプレゼンテーションを行う機会を与えられます。
Yコンビネーターからは、後にドロップボックス(Dropbox)やエアビーアンドビー(Airbnb)などの大成功を収める企業が誕生しますが、アルトマン氏もループトを起業するにあたりYコンビネーターに参加、資金援助を受けるとともに、グレアム氏は同社のメンター的な役割を果たすことになります。
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