〝黒のカリスマ〟こと蝶野正洋(62)が新日本プロレスのEVILに「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」からの独り立ちを勧めた。

 蝶野は19日に著書『プロレス名勝負とあの事件の裏の裏』(ワニブックス刊)の発売記念イベントに登場。伝説の〝猪木問答〟の裏側を語るなど会場は盛り上がりを見せた。

 数々の名選手との思い出を振り返った蝶野にイベント後、今のプロレス界で注目している選手を尋ねると、今夏のG1クライマックス決勝戦で激闘を繰り広げたKONOSUKE TAKESHITAとEVILの2人の名前を挙げた。特に準VとなったEVILには「みこしに担がれる資格がある」と〝次期エース〟の太鼓判を押した。

「プロレス頭とか、感性とかをものすごく持っている選手。下からの支持とかファンの支持がないと、みこしの上には乗れない。歴史もあるし、素材もちゃんと持ってる選手だっていうのが、試合を見てもわかった」と激賞した。

 その上で「彼がやっている道とか、チームもあると思うけど、そろそろ振り切って一歩飛び出してもいい選手だと思っている。そのぐらいの実力はあるんだから」とH.O.Tからの独立を勧めた。自身も1990~2000年代に「nWo JAPAN」「TEAM2000」とヒールユニットを率いてきた。だからこそわかる〝潮時〟があるようだ。

 また、来年1月4日の東京ドーム大会でデビューをする2021年東京五輪柔道男子100キロ級金メダルのウルフ・アロンについても触れた。「ウルフ選手はプロレスのことをしっかり理解しているので、今までの北尾(光司)、小川(直也)選手とはファンの反応が明らかに違う。お客さんがウエルカムだから、他の柔道、格闘界の人たちも(プロレスに)入りやすくなると思う。ウルフ選手の入団は今後のプロレス業界の明るい光になるね」と笑顔を見せた。

 蝶野は21年に脊柱管狭窄症のクリーニング手術を受けた。プロレス人生最後のリング復帰を目指し、若い世代に負けじとリハビリトレーニングに励んでいる。会見では「もしかしたら誰も知らないところで終わっているかもしれない。でもそのときは東スポだけ呼ぶかもな」と明るく未来の展望を語っていた。