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中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は、テックカンファレンス「百度AIオープンデー」において、独自開発の統合開発環境製品「Comate AI IDE」を正式に発表した。この製品は、画像や音声など複数の情報を使い分けながら、複数のAI(人工知能)が連係して動作する開発環境を実現している。中国のユーザー向けに最適化されており、専門知識がない人でも利用できる開発環境を提供している。

2025年6月23日に行われたテックカンファレンス「百度AI開放日(百度AIオープンデー)」で独自開発の統合開発環境(IDE)製品「Comate AI IDE」を正式に発表するバイドゥ副総裁の陳洋(チェン・ヤン)氏(画像はバイドゥのニュースリリースから)
2025年6月23日に行われたテックカンファレンス「百度AI開放日(百度AIオープンデー)」で独自開発の統合開発環境(IDE)製品「Comate AI IDE」を正式に発表するバイドゥ副総裁の陳洋(チェン・ヤン)氏(画像はバイドゥのニュースリリースから)
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 米調査会社のIDCによれば、AI(人工知能)コーディング市場は2025年に本格的な普及期を迎え、多くのユーザーがComate AI IDEのような独立型の統合開発環境(IDE)を、次世代の開発基盤と捉えているという。

 バイドゥ副総裁の陳洋(チェン・ヤン)氏は、「今から60年前には、プログラマーたちがパンチカード(情報を記録するための穴をあけたカード)に最初の『Hello World』を書き、プログラミングの世界を開いた。我々のComate AI IDEは、視覚障害を抱える開発者からプログラミングを学ぶ小学生までも含む夢を持つすべての人が、自分の夢を形にできる『Hello Life』の時代を切り開くものである」と強調している。

 Comate AI IDEは、「スマート化」「拡張性」「協調性」「アイデア創出支援」の4つの観点から、開発を全面的に支援できる製品だ。AIによるコーディング支援、複数エージェントの連係、マルチモーダル対応、そしてAIが外部データをスムーズに利用できるようにする、米Anthropic(アンソロピック)が開発したMCP(Model Context Protocol)を用いたツール連係など、多彩な機能を備えている。

Comate AI IDEを説明する百度文心快碼(Baidu Comate)担当の高級経理(シニアマネージャー)である「彭雲鵬(ポン・ユンポン)」氏。「スマート化」「拡張性」「協調性」「アイデア創出支援」の4つの機能を説明している(画像はバイドゥのニュースリリースから)
Comate AI IDEを説明する百度文心快碼(Baidu Comate)担当の高級経理(シニアマネージャー)である「彭雲鵬(ポン・ユンポン)」氏。「スマート化」「拡張性」「協調性」「アイデア創出支援」の4つの機能を説明している(画像はバイドゥのニュースリリースから)
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中国語対応に強みを持つ Comate AI IDEの実力

 今回は、そのComate AI IDEの3つの特徴を紹介したい。

 1つ目の特徴は、マルチエージェント機能と自然言語による自動開発だ。