写真はイメージです Photo:PIXTA
「自分には価値がない」「どうせうまくいかない」……自己肯定感の低さから、自分に自信が持てず、生きづらさに悩む若者が多くいます。しかし、日本の若者の自己肯定感は本当に低くて問題なのでしょうか。筆者が注目するのは、複数ある国際比較調査。データそのものではなくその「読み方、解釈」です。国際比較調査データを正しく読み解けていないことにより、見当違いな教育政策やメディアが「生きづらさ」をもたらしている面もあるのでは?と指摘します。(心理学博士 MP人間科学研所代表 榎本博明)
「自分に満足」という若者の比率を見ると
日本は欧米のほぼ半分
多くの国際比較調査では、「私は自分自身に満足している」とか「今の自分に満足している」といった1項目で自己肯定感が測定されている。つまり、自分に満足していると答えれば自己肯定感が高いとみなされる。
どの国際比較調査の結果を見ても、欧米の若者の8割以上が「自分に満足している」と答えているのに対して、日本の若者が「自分に満足している」と答える者は4割強に留まる。数字をみれば2倍近い開きがある。そこから「日本の若者の自己肯定感が低いのは問題だ。何とかして自己肯定感を高めないといけない」ということになっているわけだが、そうしたデータの解釈はあまりに短絡的と言わざるを得ない。
そこに抜けているのは、文化的背景を考慮してデータの意味を解釈しようという姿勢だ。文化的背景を考慮せずに調査データの表層しかみないことによって、大きな勘違いが生じてしまう。







