説明組み立て図鑑写真はイメージです Photo:PIXTA

一生懸命詳しく説明しているのに、相手はポカーン。「話が長い」「何が言いたいのかわからない」と言われてしまう――実はこれ、真面目な人、親切な人ほど陥りやすいパターンなのです。どうやったら説明が上手くなるのか?『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』の著者・犬塚壮志氏は、「説明上手な人が無意識にやっている“引き算”がある」といいます。説明がうまくなるたった3つのポイントとは?説明のプロ・犬塚氏が、自身の失敗を踏まえて解説します。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

真面目な人ほどハマる「全部話さなきゃ」の罠

「あの人の説明は、いつもわかりやすい」
「それに引き換え、自分は一生懸命説明しているのに、相手にポカンとされる……」

 もしあなたがそう感じているなら、それはあなたの説明能力が低いからではありません。むしろ、あなたの「責任感」や「真面目さ」が裏目に出てしまっているだけかもしれません。

 説明が苦手な人の多くは、「相手に情報を漏れなく伝えなければならない」という強迫観念に囚われています。

 例えば、部署に配属されたばかりの後輩に、業務を教える場面を想像してください。

「この業務はね、まずAシステムにログインして、次にBフォルダを開いて。あ、でも去年の案件だけは例外でCフォルダを見るんだ。それと参考資料はDとEがあって、Eは必読。承認ルートは基本、課長なんだけど、急ぎの場合は……」

 いかがでしょうか。

 この先輩は、後輩が困らないように、知っている全ての情報を「親切」に伝えようとしています。しかし、これを聞かされた後輩の頭の中はパニックです。

「えっと、A?B?例外?すみません、もう一度最初からいいですか……」

 説明を受ける方は、情報の洪水に飲み込まれ、思考停止に陥ってしまうのです。

 私たちは、「詳しい説明=良い説明」だと思い込んでいます。しかし、残念ながらビジネスの現場において、「全部話す」ことは親切ではありません。それは、相手の脳をパンクさせる「暴力」になり得るのです。