昔がら、(※)朝日村の田麦俣では9月15日は秋祭りで部落中の衆達、お宮の宿さ集まって酒飲みしていだけど。
ある年のお祭りの日、そごさ一人の(※)やっこ来たさげ、村の衆、今日はお祭りどいうごどで赤飯出して、酒も飲ませだけどや。やっこ宿出はってがらフラフラ酔っぱらいながら湯殿山街道さ上り、弘法茶屋でひと休みしたけど。そごで大声出して「今夜、田麦俣部落、(※)黒焼ぎしてしまうぞ」て言ったけど。
それ聞いだ茶屋の人、びっくりして部落さ飛んでいって教えだけど。部落で大騒ぎなって「せっがぐ世話なっていながら何てごどだ。許しておがえね」て若勢達、太い縄たがいで(※)ぼっかげできたけどや。
馬館ていう所で、やっこどご取り囲んで「お前、下の茶屋で田麦俣どご黒焼ぎするて言ったろ」「いや言わね」「いや言った、言った」て、やっこどごむりむり縛りつげで部落はずれの田麦川の深っけ淵さ連れできたけど。そしてやっこの腰さ、大っき石付げで縛ったまま、「助けでくれ」て言うども聞がねで、ドボーンと川さ沈めでしまったけど。
とごろが、その後部落さ悪い病気はやって次々ど死ぬ人出はってきたけどや。巫女がら聞いでみだば、やっこのただりでねがて言われで、みんなして淵さ行って「悪いごどした」てあやまって拝んだけど。それがら病気もなぐなったけど。それの後、部落さやっこ来るど泊めだり、わらじ銭やったりして大事するようなったけど。
トンピンカラリ ネッケド。