「いつでもやめられる」はずが賭け金6億円 元フジテレビ社員の後悔
森下裕介 根岸拓朗
オンラインカジノにのめりこんだ元フジテレビ社員は、賭け金をつくるために借金を重ねた。「いつでもやめられる」との見込みとは裏腹に、賭け金の総額は推定で約6億円に上った。
東京地裁は25日の判決で「常習性は強く、非難の度合いも強い」として、被告に懲役1年執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。
被告はなぜ、賭博をやめられなかったのか。
16日の初公判。元フジテレビ社員の被告(44)は、ジャケット姿で東京地裁の法廷に立った。起訴内容について「間違いありません」と認めた。
被告は、オンラインカジノで常習的に金を賭けていたとする常習賭博の疑いで6月に逮捕された。2024年9月から25年5月まで、多数回にわたってカードゲームの「バカラ」などの賭博をした罪に問われた。
検察側は、賭け金の総額は推定で約5億9700万円に上ると主張した。ギャンブルを続けた理由などを、法廷での検察側や被告の説明などからたどる。
きっかけは新型コロナ「違法とは…」
03年にフジテレビに入社した被告は、バラエティー制作でキャリアを積み上げた。チーフディレクターなどを経て、逮捕当時は企画担当部長だった。
入社から数年後、韓国のカジ…